Windows Server 2008資格を狙え!Windows Server 2008資格を狙え!(2/2 ページ)

» 2008年12月11日 00時00分 公開
[横山哲也グローバル ナレッジ ネットワーク]
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Windows Server 2008のMCP、試験形式と学習方法

 Windows Server 2008のMCP試験の形式は、従来のMCP試験と何ら変わりはない。問題はそれほど複雑ではないため、基礎的な知識を習得していれば合格するはずだ。なお、現時点(2008年12月)ではシミュレーション試験は出題されていないが、今後登場する可能性はある。

 学習に当たって、最も効果的なのは「Microsoft University」(MSU)と呼ばれるマイクロソフト公式教育カリキュラム(MOC:Microsoft Official Curriculum)を受講することである。なお、MSUという用語は日本固有のブランドである。世界的にはMOCあるいは「Official Microsoft Learning Products」と呼ぶ。

 MSUの1日当たりの費用は数万円が相場である。多くのMSUが5日コースとして提供されているため、その価格は20万〜25万円程度に及ぶ。一部のコースは短縮日程が存在するが、それだけ学習効果は薄れる。金額や日程面の調整ができないことも多いだろう。

 もし、あなたがWindows Server 2003のMCSAまたはMCSE取得者なら、2日コース「Windows Server 2008 Active Directory 構築概要」を受講するとよい。70-648に対応したコースである。

 MSUを受講しない場合は、参考書で学習するべきだ。Windows Server 2008の機能は多岐にわたる。ガイドブックなしにローマの遺跡を効率よく見ることができないように、参考書なしにWindows Server 2008の操作を体験しても効果は上がらない。すでにWindows Server 2008の試験問題集は登場しているので、適当なものを購入してほしい。残念ながら、筆者はこの種の参考書を読んだことがないので、どれがよいかは判断できない。

 逆に、MSUを受講し、参考書をいくら読んでも、実機での体験が不要になるわけではない。どんなに優れたガイドブックも旅行体験にはかなわないのと同じだ。いまはVirtual PCなどの仮想化製品を使うことで、簡単にWindows Serverの体験ができる。以下のURLからWindows Server 2008の評価版を入手してぜひ実際に試してほしい。

 Webサイトの記事は、表面的な説明が多いのでMCP取得には不十分なことが多い。そんな中で@ITの「Windows Server Insider」の記事の多くは、詳細な説明があり、お薦めである。Windows Server 2008の学習をするなら「Windows Server 2008の基礎知識」はぜひ読んでおきたい。

高得点のコツ

 MCP試験で高得点を取るには、製品の機能や操作だけではなく「どんなときに使うのか」「なぜ使うのか」を知っている必要がある。こうした背景は、ハウツー本には詳しく書かれていないことが多い。雑誌だと月刊『Windows Server World』(IDGジャパン)、Webだと前述の@IT「Windows Server Insider」のほか、日経ITproの「Windowsコーナー」辺りが詳しい。

 試験中、解答に迷ったら「マイクロソフトがどう考えているか」を想像するとよい。マイクロソフト製品は、マイクロソフトが考えているような使い方をするのが最も効果的な利用方法である。マイクロソフトが考えていない使い方も可能だろうが、それはMCPに求められるスキルではない。MCP取得者には、マイクロソフト製品の「正しい使い方」を実装する役割が期待されていることを忘れないでほしい。「正しい使い方」をすれば、結果的にトラブルが少なく安定した運用ができる。

最後に

 これからMCPを取得する場合、Windows Server 2003トラックとWindows Server 2008トラックのどちらを取得するのがよいかと聞かれることがある。筆者の答えは「両方」だ。現在のシステムを運用するには、Windows Server 2003の知識とスキルが必要だ。しかし、将来Windows Server 2008に移行せざるを得ない状況になるのは、過去の例から明らかだ。

 MicrosoftのLearningチームのマーケティング&コミュニケーション担当だったTrika Harms zum Spreckel氏のブログにはこうあった。

  1. もし、Windows Server 2008を仕事で使っているなら2008の試験を受けなさい。それが最短パスです
  2. もし、複数のOSの混在環境に興味があるなら、2003 MCSAの資格を取得した後、2008の試験を受けなさい。1科目受験するだけで2科目分の合格がもらえます
  3. もし、Windows Server 2003をまだ仕事で使っているなら、2003の資格を取りなさい

 さらに詳しい内容を知りたい方は、Trika氏のBlogを参照してほしい。氏はすでに異動しているがblogはまだ残っている。

筆者紹介

横山哲也

グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースの企画・開発・実施を担当。Windows 2000のMCSEとしては世界で最初の2000人に入った(当時のインタビュー記事)。2003年にはWindows Server 2003のMCSA、2004年にMCSE、今年8月にはWindows Server 2008のMCITP(Server AdministratorおよびEnterprise Administrator)など、常に最新の資格を取得ている。


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