Linux時刻管理の仕組みと設定実践でも役立つLPICドリル(8)(4/4 ページ)

» 2008年12月26日 00時00分 公開
[大竹龍史ナレッジデザイン]
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問題3

 NTPサーバ(ntp.nict.jp)を利用して、コマンドによりシステムクロックの時刻合わせをします。また、その後に正しい時刻が設定されたかをNTPサーバの時刻からのオフセットで確認します。正しい実行コマンドはどれですか?(1つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)***、(level2)−]

a.ntpd ntp.nict.jp; ntpd -q ntp.nict.jp

b.ntpd ntp.nict.jp; date

c.ntpdate ntp.nict.jp; date

d.ntpdate ntp.nict.jp; ntpdate -q ntp.nict.jp

正解

 d

解説

 NTPサーバを参照して時刻の同期を取るコマンドはntpdateです。またntpdateコマンドに-qオプションを付けることで参照サーバとの時刻のずれを秒単位のオフセットで表示します。

 ntpdはコマンドではなくデーモンであり、参照するNTPサーバの指定は設定ファイル/etc/ntp.confの中に記述します。

 dateコマンドはシステムクロックの設定、表示ができますが、NTPサーバとの時刻のずれを表示することはできません。

 従って、選択肢a〜cは間違いで、選択肢dが正解です。

(注7)バージョン4対応のntpdでは、ntpd -qでNTPサーバを参照して時刻合わせをすることができます。-qオプションを指定すると、ntpdは時刻合わせが終わった後、終了します。オプションサーバの指定はntp.confで行います。本文中の「【4】NTPによる時刻管理の仕組みを把握しておく」の解説を参照してください。


問題4

 stratum1のNTPサーバ(ntp.nict.jp)を参照サーバとして、stratum2のNTPサーバを設定することにしました。この設定作業に関する次の設問に答えてください。

[試験対策の重要度:(level1)***、(level2)−]

(設問1)NTPサーバとなるデーモンの名前はどれですか?(1つ選択)

a.ntp

b.ntpd

c.ntpdate

d.date

(設問2)NTPサーバのデフォルトの設定ファイルはどれですか?(1つ選択)

a.ntp.conf

b.ntpd.conf

c.ntpdate.conf

d.date.conf

(設問3)参照するNTPサーバを指定する設定ファイル中のエントリはどれですか?(1つ選択)

a.ntp.nict.jp

b.reference ntp.nict.jp

c.server ntp.nict.jp

d.servers ntp.nict.jp

e.fudge ntp.nict.jp

正解

(設問1)b
(設問2)a
(設問3)c

解説

(設問1)

a.ntpはプロトコルの名前で、デーモン名ではないので間違いです。

b.正解です。

c.ntpdateはコマンドであってデーモンではないので間違いです。

d.dateコマンドはNTPのデーモンではないので間違いです。

(設問2)

 ntpdデーモンの設定ファイルはntp.confです。選択肢b〜dのファイル名は存在しません。従って、選択肢aが正解です。

(設問3)

 設定ファイル(設問2)の解答のとおり、ntp.confです。このファイルにserverコマンドで参照するNTPサーバを指定します。

a.NTPサーバ名だけのエントリは書式上、間違いです。

b.referenceという設定コマンドはありません。

c.正解です。

d.serversは複数形なので間違いです。serversという設定コマンドはありません。

e.fudgeは参照クロックについての記述なので、間違いです。

 お疲れさまでした。次回は「サーバ管理(NFS、Samba)」について出題します。

著者紹介

大竹龍史

有限会社ナレッジデザイン 代表取締役。1980年代に日本コンピュータビジョン社にてサン・マイクロシステムズのWorkstation、Sun2に出合って以来、サン関連のサポート、社内教育、ユーザー教育に従事。1998年、Netscape(現在はサンのSJESプロダクトに引き継がれている)とLinuxのトレーニングを提供する有限会社ナレッジデザインを設立。現在はLinuxとSolarisのシステム管理、ネットワーク管理、サーバ構築を担当。



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