MACアドレスとフレームで、スイッチの基本動作を学ぶネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(17)(2/2 ページ)

» 2009年03月12日 00時00分 公開
[内藤佳弥子グローバル ナレッジ ネットワーク]
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フレームの転送

図 スイッチにおけるフレームの転送 図 スイッチにおけるフレームの転送
 ポート番号  MACアドレス

 1

 AA

 3

 CC

 2

 BB

 4

 DD
MACアドレステーブル

 上記のようなMACアドレステーブルが構成されているときに、ホストBからホストCへフレームが送信されました。スイッチがそのフレームを2番ポートで受信すると、スイッチはフレームヘッダの中のあて先MACアドレスを確認します。そのMACアドレスはCCです。そして、MACアドレステーブルから該当するMACアドレスのCCがあるか検索します。MACアドレステーブルの2行目に、MACアドレスCCが見つかりました。すると、スイッチは、ホストCあてのフレームを、スイッチの3番ポートからだけ転送します。この動作を「フィルタリング」といいます。

 次に、ホストBからホストEへフレームを送信しました。スイッチは、フレームヘッダの中のあて先MACアドレスを確認し、MACアドレステーブルの中に、あて先ホストのMACアドレスのEEがあるかどうかを検索します。でも、該当するエントリはありませんでした。その場合には、スイッチは、フレームを受信したポート以外の、すべてのポートから、ホストEあてのフレームを転送します。この動作をフラッディングといいます。

 それでは次に、ホストBがブロードキャストあてのフレームを送信したらどうなるでしょうか。このフレームを受信したスイッチは、フレームヘッダの中のあて先MACアドレスを確認します。そのアドレスはブロードキャストのMACアドレスです。MACアドレステーブルのエントリ中のMACアドレスは、ホストのMACアドレスであり、ユニキャストのMACアドレスです。MACアドレステーブルの中には、ブロードキャストのMACアドレスエントリはありません。この場合も、フレームはフラッディングされます。

確認問題2

問題

 下記のようなMACアドレステーブルが構成されているスイッチがあり、フレームを受信しました。送信元MACアドレスがAA、あて先MACアドレスがCCのフレームは、このスイッチの何番ポートから転送されますか。1つ選択しなさい。

 ポート番号  MACアドレス

 1

 AA

 2

 BB

 3

 CC


a.1番ポートから転送される

b.3番ポートから転送される

c.すべてのポートから転送される

d.どのポートからも転送されない

正解

 b

解説

 MACアドレステーブルのエントリに存在するあて先ならば、該当するポートからのみフレームが転送されます。この動作をフィルタリングといいます。よって、選択肢bの3番ポートから転送されるが正解です。

 MACアドレステーブルに載っているMACアドレスは、フレームを受信したタイミングで学習されます。

確認問題3

問題

 確認問題2と同じMACアドレステーブルを持つスイッチがブロードキャストあてのフレームを受信しました。そのフレームはこのスイッチの何番ポートから転送されますか。1つ選択しなさい。

a.1番ポートから転送される

b.3番ポートから転送される

c.受信したポートを除くすべてのポートから転送される

d.どのポートからも転送されない

正解

 c

解説

 ブロードキャストフレームを受信したスイッチは、フラッディングを行います。つまり、受信したポート以外のすべてのポートからフレームを転送します。また、マルチキャストあてのフレームを受信したときにもフラッディングが行われます。

筆者プロフィール

内藤佳弥子(ないとうかやこ)

グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部に在籍。IT業界でヘルプデスク、ユーザーサポートを経てトレーナーになる。現在は、Cisco認定トレーナーとして、CCNA、CCNPのコースなどのCisco認定トレーニングコース、ネットワーク系オリジナルコースを担当している。



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