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» 2009年04月16日 00時00分 公開

数万個のディスクドライブ構成も可能なアーキテクチャ:EMC、クラウドに向けたスケールアウト・ストレージ発表

[ 三木泉,@IT]

 EMCジャパンは4月15日、新たなハイエンド・ストレージ製品「Symmetrix V-Max」同日に提供開始したと発表するとともに、これを支える「Virtual Matrixアーキテクチャ」を発表した。従来とは桁違いのパフォーマンスと拡張性が特徴。

EMCジャパン 執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏

 EMCのハイエンド・ストレージ製品といえば「Symmetrix DMX」。Virtual Matrixアーキテクチャは、DMXのDirect Matrixアーキテクチャを進化させ、拡張性を高めた。EMCジャパン 執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏は、新アーキテクチャについて、「仮想データセンターの垣根を越えて単一のストレージ環境を実現できる」と説明した。

 Virtual Matrixアーキテクチャでは、インテルの新クアッドコアCPU「Xeon 5500番台」を2個、ホストI/Oポートを8ポート、ディスクドライブ用のポートを8ポート、メモリを64GB搭載できる「ダイレクタ」を2つ組み合わせた「Symmetrix V-Maxエンジン」をRapidIOでメッシュ接続することで、処理能力を増強できる。最初は1つのV-Maxエンジンにディスクドライブを接続した小規模なシステムでスタートし、ニーズに応じて後から拡張していくことが可能。RapidIOの延長により、建物の階をまたがって単一のストレージを構成することもできるという。アーキテクチャ的には、数百のV-Maxエンジンにより、数万個のディスクドライブからなるストレージを構成、数十万TB、数千万IOPSを提供することも可能という。

Symmetrix V-Maxエンジンの構成

 今回の新製品V-Maxは、V-Maxエンジンを最大8基搭載できる。V-Maxエンジンを集中的に収めたシェルフにディスクシェルフを接続することで、2400ドライブ、実効容量は2.1PBのシステムを構築できる。DMXではPowerPCで稼働しているストレージOS「Enginuity」をXeonに移植するとともに、機能を強化した。

 V-Maxでは、200GBと400GBのSSDを用意。ファイバチャネル、SATAドライブと組み合わせて階層ストレージを構成することで、重要なアプリケーション用にパフォーマンスを確保しながら、全体的なコストを抑えることが可能。

Symmetrix V-Max

 ほかのEMCストレージ製品と同様、V-MaxにはSSD、ファイバチャネル、SATAドライブの3階層間でシステムを止めずにLUNを移動できる「仮想LUN」機能を搭載している。現在は、移動を管理者が指示しなければならないが、今年後半には、事前のポリシーとパフォーマンス計測結果から、自動的なLUN移動を実現する予定。V-Maxは「仮想プロビジョニング」(シンプロビジョニング)機能も搭載する。

 V-Maxでは、利用時の設定作業の自動化も進めた。例えば、それぞれ2個のホストバスアダプタを搭載した5台のVMware ESXサーバを4個のストレージポートに対して設定する際には、従来製品では40回のマスキング作業が必要だが、新製品ではグループへの関連付けという概念の導入により、15回のクリックで同じ作業を実施できる。

 また、災害対策のためのレプリケーション機能「SRDF」も強化。圧縮機能の向上で伝送帯域幅要件を2分の1に減少した。コピーの更新処理も最大で2倍高速化した。

 V-Maxには、1台のV-Maxエンジンに限定した廉価版製品「V-Max SE」も設定。同製品の最小構成価格は2980万円。V-MaxはDMXの後継製品ではなく、新たなニーズに応える製品として提供する。想定顧客は「プライベート・クラウドを必要とするユーザー、ITシステムを刷新したいが、この際将来を考えて新しいアーキテクチャでやりたいと考えているユーザー」(高橋氏)。年間で100社の採用を目指すという。

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