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» 2009年07月31日 00時00分 公開

インターンシップへ行こう(2):インターンシップを成功に導く3つのポイント

インターンシップに参加するには、たいていの場合エントリーシートと面接が課せられる。そこでは何を聞かれどこを見られるのか? インターンシップ紹介のプロが語る。

[矢原香織里,株式会社トランジット]

                 第1回

インターンシップの種類(実施期間)別エントリー法一覧

 第1回「『短期型』『長期型』インターンのメリット・デメリット」のテーマは、「インターンシップとは何か」でした。インターンシップには大きく分けて2種類、大企業が実施する短期型と、ベンチャー企業が実施する長期型があると説明しました。まさにいま、2011年卒業見込み者を対象にした、夏休み中の短期インターンシップが開催中、もしくは開かれようとしています。参加を検討している学生の皆さんは多のではないでしょうか。今回は、インターンシップにエントリーする方法、面接必勝法、インターンシップへの臨み方についてお話します。

 毎年卒業見込み者を対象にした短期インターンシップも、学年を問わず通年で参加できる実践型の長期インターンシップでも、参加の際には、まずエントリーが必要です。

 エントリー方法や、その後のエントリーシート提出の有無、面接の有無などは、実施企業のインターン期間や内容によって異なりますが、大まかに分類すると下記のようになります。

期間 Webエントリー エントリーシート提出 面接
1日 ○ 就職サイトor企業サイト △ 企業による × 
1週間以内 ○ 就職サイトor企業サイト ○ 企業サイトや指定の用紙で △ 抽選の場合もあり
1カ月以内 ○ 就職サイトor企業サイト ○ 企業サイトや指定の用紙で ○ グループor個人面接
3カ月以上 ○ インターン紹介サイト ○ 紹介会社用と企業用の2種 ○ 個人面接

 エントリーは、企業のWebサイト内の「インターンシップ情報」あるいは、就職活動サイト、インターンシップ専門紹介会社のWebサイトから行うほか、一部学校推薦でのみエントリーできるものもあります。

エントリーシートの項目を把握しよう

 夏休みの短期インターンシップを実施する企業には、大きく2つのエントリー方法があります。1つは、実施企業のWebサイトから指定のエントリーシートを取得し、その企業のWebサイト上で提出する方法を取る企業。もう1つは、エントリーシート提出の必要がなく、就職活動サイトからのエントリーのみで参加できる企業です。ただし、就職活動サイトからのエントリーの際にも、志望動機や自己PR、研究内容などの記入が必要となる場合が多く、これらは実質的に選考の対象となるため、しっかりとした対策が必要です。エントリーシートでは、志望の動機、自己PR以外にも、学生時代の過ごし方(最も力を入れたこと、打ち込んだこと、成長したこと、学んだこと)、学生生活について(ゼミや研究室・サークルなど)、長所(場合によっては短所)、インターンシップを通じて得たいことなどが問われます。

 実践型の長期インターンシップを紹介する専門紹介会社を経由する場合は、紹介会社側が用意するエントリーシートに記入したうえで、紹介会社が開く説明会への参加が必要です。紹介会社が用意するエントリーシートは、学生のパーソナリティを深く把握するためのものです。内容は就職活動のエントリーシートとさほど変わりませんが、就職活動と違ってその時点で落とされることはまずありません。説明会ではエントリーシートを基に担当者からインターンシップ参加における心構えや、後の就職活動を想定した「面接のコツ」などを1人1人に合わせて指導してくれるケースがあります。その後、紹介された企業の面接を受ける際には、あらためて企業向けのエントリーシートを作成します。

面接では、エントリーシートより一歩踏み込んだことを聞かれる

 1Dayのインターンシップなど短期インターンシップの選考方法は、面接がなくエントリーシートのみの選考であったり、希望者全員が参加できるもの、(希望者が多い場合には)抽選の場合も多いですが、夏休み期間中でも1週間以上のインターン実施企業においては、面接が実施されることがほとんどです。

 面接は、グループ面接もあれば個人面接もありますが、短期・長期インターンシップどちらも、採用試験に関連した内容が多く見受けられます。基本的にエントリーシートより一歩踏み込んだ質問内容が多いため、自分で書いた内容を事前にきちんと確認するのはもちろんのこと、書いた内容における具体的なエピソードなども答えられるように準備することが必要です。

面接必勝法〜短期型では表現を磨け、長期型では詳細に語れ

 特に有名企業の短期インターンシップの場合、参加希望者が多く、倍率が100〜1000倍になることもまれではないため、「たかがインターンシップだから」という気持ちや、「何となく興味があるので」といった気持ちで受けても受かりません。ライバルはエントリーシート選考を通過した優秀な学生ばかりですので、面接官に響く、より具体的な表現方法でアピールすることが必要です。

 一方、長期実践型のインターンシップは期間的に参加できる学生が限られるため、倍率は数倍止まりですが、インターンシップ内容が実践的であるため、細かいスキルの確認や現実とのギャップに耐えられるかなど、質問内容のハードルは比較的高く、やる気を確認する内容も多くなりますので、それらの点をアピールできることが求められます。

「具体的で分かりやすい」だけでは足りない

 特にエンジニア系のインターンシップの場合、「プログラミングをやってきました」だけでなく、何の言語をいつから学び、どのような課題でどうプログラムを組んだかなど、いままで勉強してきた内容や技術スキルについて、詳しく説明できるようにしておくことが必須であり、加えて、今後どのような技術や業務内容にかかわっていきたいのかなども、明確にしておくことが大切です。

 また、具体的に分かりやすく話せるだけでは、内容は伝わりますが面接の場では不十分です。仕事は1人で行うものではありませんので、一緒に働きたいと思わせる人物的魅力も併せて伝えなければなりません。表情が暗かったり、態度が不適切であったり、話し方に自信がなかったりするのは、面接での回答内容以前の問題ですので、初めて会う人から見ても、明るさや元気の良さ、素直さなど、言動の1つ1つにまで気を配ることが大切です。

 まれに、面接以外の試験があります。短期インターンシップの場合は、SPIのように基礎的な学力を問う試験を実施するケース、長期インターンシップの場合は、面接後に企画書提出やプログラミングの課題を出されるケースがあります。

インターンシップを成功に導く3つのポイント

 インターンシップは社会に出る第一歩。あいさつをきちんとする、期日や約束を守るという最低限のマナーや、服装についてもスーツを着用するなど相手に不快感を与えない清潔な身だしなみを心掛けましょう。

 また、心構えも短期・長期インターンシップによって、重きを置くポイントが違います。短期インターンシップは、学生同士のプロジェクトや複数名の学生がチームを組み、部門に配属されることがあるため、チームワークが何よりも大切です。特に、学生同士のプロジェクトは、最終日までに達成しなければならない目標(最終日プレゼンなど)がありますので、チームワークなしには進みません。リーダーやサポートなどポジションはさまざまですが、1人1人の適性を見極めてインターン生同士協力して計画的に成果まで導こうとする心構えが必要です。

インターンシップ失敗の3カ条

  1. 仕事が与えられるまで待っている=受身
  2. 自分自身で勝手に判断し、行動に移す=コミュニケーション不足
  3. 仕事のイメージとギャップを埋めることができない=現実からの逃避

 一方、長期インターンシップは、学生同士のプロジェクトではなく、社員が日常行う業務をそのまま体験しますので、短期インターンシップのように1日の予定が事前にプログラムで決まっているわけではありません。1日1日スケジュールは変わります。担当する業務以外にも自発的に社員に働き掛ける力があることで、体験できる業務の幅も広がります。

 上記に挙げた「インターンシップ失敗の3カ条」の1点目にもあるとおり、仕事が与えられるまで待っている=「受身」の状態では、得られるものが半減してしまいますので、何が理解できていて何が理解できていないのか、何を学びたいのか、何をしなくてはならないのかなどを、常に自分で考え、遠慮をせずに社員に聞くなど、確認する癖を付けることが大切です。

 「インターンシップ失敗の3カ条」2点目の、自分自身で勝手に判断し行動に移す=「コミュニケーション不足」は、企業側がとても頭を悩ませているポイントです。実際のビジネスにかかわる経験をさせてもらっている以上、担当の社員に確認を取って物事を進めなければ、企業やクライアントに迷惑を掛けてしまうことがあります。ですから、常に仕事の基本「ホウ・レン・ソウ」(報告・連絡・相談)が求められます。短期インターンシップのように学生同士のプロジェクトではありませんので、企業内のルールや、業務上のルールを順守したうえで、自分で判断できないことはすぐに確認することが大切です。

 「インターンシップ失敗の3カ条」3点目の、仕事のイメージとギャップを埋めることができない=「現実からの逃避」は、学生が必ず乗り越えなければならない高いハードルかもしれませんし、インターンシップで学ぶべき、重要なポイントでもあります。

 そもそも「自分がイメージしていた仕事」が正しいのかどうかを知るのがインターンシップの趣旨です。新入社員でもインターン生でも社会に出れば、良くも悪くも必ずギャップはあります。学校で学んできたことは、理論が大半を占めますが、理論と現実は違いますし、自分が社会で通用するかどうかも個人個人によって違います。自分が持っていたイメージそのものが間違っていたり、まだまだ明確なイメージを持つレベルまで到達できていないこともあります。自分と企業(仕事)の間に差異が生まれる理由を知ることが、今後の就職活動や企業で働くことについての深い理解につながります。

 社会人の仕事を経験するのが実践型の長期インターンシップであるため、企業側は新入社員を指導する感覚で受け入れています。学生同士のプロジェクトではなく、直接ビジネスにかかわるため、学生がやりたい仕事であってもお客さまに迷惑を掛けるとすれば、初めから体験できるわけではありません。自分のやりたいことを成し遂げるには、ある程度時間がかかります。自ら学んで、成長するのは社会人として当たり前。社会人経験がないので想像が及ばないところは、どんどん質問して、足りないところを補うというスタンスでの参加が求められます。

 繰り返しになりますが、仕事の一端を担うことになりますので、学生だから、インターン生だからという甘えは通用しません。期間も長期にわたりますので、モチベーションを落とさないよう、会社の一員として強い責任感を持って参加しましょう。

インターンシップは、入社後のギャップを埋めるシミュレーションの場

 短期インターンシップでは、業界や企業についての理解ができますし、実践型の長期インターンシップでは、どの業界・企業にも共通する実際の仕事や会社を理解できます。インターンシップに参加することによって、志望業界や企業への興味が深まり、より志望度が高まることもあれば、逆に別の業界や企業、仕事内容に興味がわくこともあるでしょう。いずれにしても、インターンシップは仕事への正しい理解や、入社後のギャップを埋めるために有効な制度です。

 本気で取り組まなければ意味がありません。失敗も、自分を成長させるためには大切なことです。自分の目の前に立ちはだかる問題や状況から目をそらさず、イメージを自分の中で固定せずに、ビジネス環境という新たな現実で自らの可能性を広げるチャンスにしましょう。また、インターンシップは皆さんが社会人になったときのシミュレーションの場です。えり好みせずにチャレンジし、有意義な経験にしていただければと思います。

筆者紹介

株式会社トランジット 代表取締役

矢原香織里(やはら かおり)

2003年中央大学卒業後、在学中よりインターン生として立ち上げにかかわってきた株式会社トランジットに入社。取締役を経て、2005年6月に代表取締役就任。

単なる会社訪問や仕事体験ではない、本格的なインターンシップ・プログラムを広めるべく、「インターンゲート」(ベンチャーインターンシップ紹介サイト)を運営。企業と学生の架け橋として、現在は日本国内に留まらず、海外インターンシップも手掛ける。また、インターン採用支援の経験を生かし、新卒採用コンサルティングも行う。



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