連載
» 2009年09月01日 00時00分 公開

ITエンジニア入門講座(2):NTTデータの人事が語る、SIエンジニアの素養 (1/2)

本連載では、学生がITエンジニアとして就職する前に身に付けておいた方がいいスキルを紹介する。第2回は、SIベンダ企業を代表してNTTデータが、1年目エンジニアの仕事内容、役割、求められる能力について語る。

[福田昭弘,株式会社NTTデータ]

 NTTデータは、官公庁や金融機関、一般企業といった大規模な組織のシステムを構築をしている会社です。構築したシステムは、モノを作っている会社のように直接見えるわけではありません。システムが今日の社会インフラを支えていることは理解していても、実際の仕事内容がイメージできない方は多いのではないでしょうか。本稿では、NTTデータがどのような仕事をしているのかを紹介し、IT業界を目指す学生の皆さんに興味を持っていただきたいと思います。

システムを作るSIベンダの仕事

 「SIベンダ」といわれても学生の皆さんには分かりにくいと思いますが、IT業界の中の1つの業種だと考えてください。SIはシステムインテグレーションの略ですからシステムの構築を行うことが仕事となります。

 システムは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークの組み合わせで構築されています。NTTデータではハードウェアはほとんど作っていませんが、ハードウェアメーカーからシステムに最適な機器を購入後、ネットワークを構築し、お客さまの要望を実現するソフトウェアを作ることで、システムを構築します。構築期間は短いもので3カ月程度、長ければ数年単位になるものもあります。

 システムの構築をするうえで大切なことは、お客さまをはじめさまざまなステークホルダーの意向やスケジュールなどを調整しながら、目標に向かって仕事を進めていくことです。大きなシステムであるほど関係者が多くなるため、調整が複雑になります。

 システム構築にはさまざまな専門家が必要です。皆さんはプロジェクトマネージャ(以下PM)をイメージするかもしれませんが、PM以外にもITスペシャリストやITアーキテクト、業務スペシャリスト、業務コンサルタントなどの専門家がいます。彼らはお客さまのシステムをより良いものにするためにプロジェクトに参画します。

 プロジェクトに参画するメンバーは、それぞれの専門家とチームを組んで仕事に取り組むこととなります。各人が、自分に与えられた仕事に主体的に取り組むことを期待されます。

NTTデータが考える、SIベンダのエンジニアに求められる資質と能力

 システム構築を行うに当たって、最も大事な力はコミュニケーション能力です。

 SIベンダが構築しているシステムは、個人で作成することはできません。社内・社外の関係者が協力し、目標に向かって取り組んでいくことが必要となります。

 コミュニケーション能力は「話をすることが得意である」ということではありません。相手の話を聞き、理解し、自分の考えを正しく伝えることがコミュニケーションです。

 システム開発の仕事では、作業を分担しスケジュールに沿って作業をするために、さまざまな調整が必要です。調整では、自分に与えられた仕事だけではなく周囲の状況を理解し、必要な作業の優先順位を決めて取り組むことが求められます。また、リスクをいかに減らせるかがプロジェクト成功の重要なポイントです。

 プロジェクトメンバーの1人1人が、専門知識をバックグラウンドに持ち、意欲的に仕事に取り組むことが大切です。プロジェクトリーダーは、それに加え、俯瞰(ふかん)的な視点で物事をとらえる能力が求められます。

 また、仕事には知識やスキルだけでなく、新しい仕組みを作り上げるための情熱も欠かせません。

 SIの仕事において、お客さまの要望を実現するだけの時代は終わったともいえます。お客さまの業務に精通し、業務の改善を提案できるコンサルタント的スキルがますます重要になっています。お客さまのわたしたちに対する期待値は高いので、常に向上心を持って仕事に取り組むことが大切です。

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