連載
» 2009年10月13日 00時00分 公開

VMware vSphere 4徹底解剖(3):VMware vSphere 4のストレージ機構(1) (1/4)

主要サーバ仮想化ソフトウェアであるVMware Infrastructure 3の後継バージョン、「VMware vSphere 4」が登場した。「クラウドOS」をうたい、基本機能を大幅に強化するとともに、重要な機能追加を行った。本連載では、このvSphere 4の主要機能を解剖する

[齋藤康成,ヴイエムウェア株式会社]

vSphere 4におけるストレージ機構の変更点

 ストレージはVMware vSphere 4における重要なコンポーネントの1つである。特に共有ストレージ装置の利用はvSphere 4を活用するうえで大きな鍵を握る部分であり、機能によっては共有ストレージ装置の利用が必須となっているものもある。VMware vSphere 4におけるストレージの考え方は、大枠ではVMware Infrastructure 3と同等であるため、利用経験のある方は比較的容易に移行することができるだろう。一方で、明確に変更された部分や新規に追加された機能も存在する。今回はVMware vSphere 4におけるストレージ機構の基本と新機能について紹介する。

VMware vSphere 4と共有ストレージ装置

 VMware vSphere 4の機能の中には、共有ストレージ装置の利用が前提となっているものがある。VMware VMotion、VMware HA、VMware DRSといった従来より提供されている機能に加え、最新機能であるVMware FTにおいても共有ストレージ装置が活用される。

 VMware vSphere 4では以下の接続形式の共有ストレージ装置が利用できる。

  • Fibre Channel SAN
  • iSCSI SAN
  • NFS version 3 over TCP
  • Serial Attached SCSI (SAS)

 いずれの場合においても、該当機種がVMware vSphere 4における互換性認証試験に合格していることがサポートサービスを受ける上での必須事項となるため、ストレージの機種選定や接続形態(ファームウェアのバージョンや、直接接続/スイッチ経由接続のサポート可否など)を検討する際には、必ず事前にコンパチビリティガイドを確認してほしい。

VMware System Compatiblity Guide
http://www.vmware.com/go/hcl

デバイスのネーミング方法の変更

 認識したLUNと、そこに到達する経路を表記するに当たり、VMware Infrastructure 3ではvmhbaC :T :L という書式を用いていた。詳細はVMware Infrastructure 3のストレージ機構[1]で解説済みである。C、T、Lにはそれぞれ、コントローラ、ターゲット、LUNを表す整数が入り、vmhba0 :2 :5 などのように表記していた。

 VMware vSphere 4ではこの取り扱いが大幅に変更された。コントローラ、ターゲット、LUNを表すためにUnique Identifier(デバイス側が保有する、一意に定まる識別子)を用いることになった。このため、コントローラとターゲットに関しては、デバイスのWWNN(World Wide Node Name)とWWPN(World Wide Port Name)のペアをその識別子として利用することとなった。LUNに関しては「Unique LUN Identifier」と呼ばれる、LUNごとに構成される固有値が利用されることになった。最近のストレージ装置は、作成したLUNごとに、一意に定まる識別子を割り当てるようになっている。NAAやEUIと呼ばれるIDが一般に利用されている。

図1 vSphere 4におけるLUN識別子の認識。LUN側が保有する個別のIDがデバイス名として利用される 図1 vSphere 4におけるLUN識別子の認識。LUN側が保有する個別のIDがデバイス名として利用される

 ESXからLUNまでの到達パスは以下の書式で表される。

<HBAポートの識別子>-<ストレージポートの識別子>-<LUN識別子>

 以下は、実際にファイバチャネルSAN経由で認識されているLUNへのパス名の例である。

fc.20000000c97ec04c:10000000c97ec04c-fc.50060160c1e0e1d6:5006016941e0e1d6-naa.60060160967021004cbf0c16410bde11

 ESXからLUNまでのアクセスパスが4パスある環境では、上記のようなパス名が4通り存在することになる。以下はストレージパスの管理画面である。

図2 vSphere 4におけるストレージパスの管理画面 図2 vSphere 4におけるストレージパスの管理画面

 WWNペアやNAAを用いる方法は、その値がハードウェアデバイスの情報を基に一意に定まるため、曖昧性のない、確実なデバイス管理を可能にする。一方で、人間にとっての可読性、認識性という意味では複雑なものであるため、別途「ランタイム名」と呼ばれる表記方法が用意されている。ランタイム名の書式は以下である。

vmhba# :C# :T# :L#

実際には、#部分に整数値が入る。各フィールドの意味は以下の通りである。

vmhba#
ホストバスアダプタ番号。ESXに装着されている各物理ポートに対応。

C#
チャネル番号。iSCSIソフトウェアイニシエータ経由で認識されるLUNへのマルチパス管理において利用される。他の接続方式の利用時はこの値は0。

T#
ターゲット番号。ストレージ装置の物理ポートに対応。

L#
LUN番号。

 図2の管理画面の例では、ランタイム名としてvmhba1 :C0 :T1 :L0 と表記されていることが確認できる。ランタイム名による表記方法は人間にとっては可読性が高く、取り扱いが容易だが、マシンのハードウェア構成を変更すると、この値も変更される可能性があるということを認識しておこう。

 ところで、ストレージデバイスによってはUnique LUN Identifierを持たないものも存在する。内蔵ディスクなどではこのケースが多い。この場合はmpxというプレフィックスとランタイム名を用いて該当デバイスを表記する。以下は内蔵ディスクの識別子を表示させた例である。

図3 一意識別子を持たないデバイスの例。この例では内蔵ディスクの識別子としてmpx.vmhba0 :C0 :T0 :L0という値が用いられている 図3 一意識別子を持たないデバイスの例。この例では内蔵ディスクの識別子としてmpx.vmhba0 :C0 :T0 :L0という値が用いられている

 このように、VMware vSphere 4ではストレージデバイスを取扱う際のネーミング方式として、デバイス側の持つ固有識別子を極力利用するようになった。

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