連載
» 2009年11月25日 00時00分 公開

特集:IT資格動向ウォッチ(2):インフラエンジニア注目の仮想化資格カタログ (1/3)

サーバ保守・運用部隊にとって、いまや必須の技術である仮想化。VCP、Hyper-V、CCAといった主な仮想化資格の特徴を比較する。

[東秀和,データプロセス]

 昨今、インターネットサービスプロバイダは、クラウドコンピューティングといったトレンドとともに、仮想化技術を取り入れたサービス強化、運用強化をこぞって進めています。

 仮想化は、いまやサーバ保守・運用技術者にとって必須の技術となりました。そんな仮想化技術には、製品ごとに、ヴイエムウェアをはじめ、シトリックス、マイクロソフト、オラクル、最近では日立製作所といった各社の戦略に応じた特徴や機能があり、「仮想化技術」といっても一言で表すことはできません。仮想化資格においても同様で、各社ごとに特徴があります。

 今回は、最新の仮想化資格の種類や選び方を、各社の仮想化技術の特徴を踏まえて紹介します。

いま、仮想化技術・仮想化資格が注目される理由

 ここ最近、企業で仮想化技術の導入が進む理由には、サーバ台数を統合・集約することによる運用コスト(消費電力、CO2排出量の軽減も含む)の削減があります。

 いままでは、システム障害時の問題の切り分けをしやすくするためや、セキュリティ上の観点から、1つのシステムを1台のサーバで動かすケースが多かったと思います。さらに、部署ごとにサーバを用意している企業では、1つの目的のために数十台のサーバを擁するケースもありました。

 しかし、これほど余裕を持たせたサーバは、実際には保持する能力の2〜3割しか使われていないことがほとんどです。能力の過半数が遊んでいてもコストは発生しますし、台数が多い分、システム管理者がサーバを保守・運用しきれない事態も起こっていました。

 仮想化技術を用いると、物理的に設置された1台のサーバ(物理サーバ)で、複数の仮想サーバを同時に運用できるため、設置場所の軽減とともに、サーバリソースの有効活用(例えば、CPUを平均20%しか使っていないサーバであれば、3〜4台の仮想サーバを1台に集約)ができます。

 ただし、仮想化技術の進展により、物理サーバに加えて、仮想サーバも把握しなければならず、物理サーバの異常がどの仮想サーバに影響するかということも設計しておく必要があるため、保守・運用面の対応が非常に複雑かつ重要となってきます。

 もし、適切な構成設計をせず運用すると、物理サーバの停止が大規模な仮想サーバのシステムダウンにもなりかねないのです。

 また、仮想化技術に共通したライブ・マイグレーション(実行中の仮想マシンを別のホストに無停止で移動させる技術)などの機能がありますが、各社の製品ごとに特徴がありますので、設計や運用のやり方には、製品の正しい知識が必要となります。

 こうした背景から、サーバ保守・運用技術者向けに、仮想化製品の特徴を正しく理解して運用していくための教育が行われています。そして、仮想化技術の知識を身に付けたことを証明するために、仮想化資格が注目されています。

仮想化資格カタログ〜仮想化資格を体系的に理解する

 ここでは、主要な仮想化技術の資格を紹介します。

 ここで紹介する仮想化技術は、大規模なサーバ運用を考えたパフォーマンスの高い「ハイパーバイザ型」です。ホスト型の仮想化技術については、筆者の「VMwareとっておきの使い方」を参考にしてください。

 近年話題に上ることが多い仮想化ソフトウェアとしては、VMware vSphere 4、Citrix XenServer、Hyper-V、KVM、Oracle VM(xen)、OpenSource Xen、Virtageなどがあります。今回は、2009年11月時点で仮想化資格がある、VMware vSphere 4、Citrix XenServer、Microsoft Hyper-Vを、特徴とともに紹介します。

VMware vSphere 4〜長い実績で培った完全仮想化方式

 ヴイエムウェアは、極めて早い段階から仮想化ソフトを手掛けており、現在多くの企業で導入されている仮想化プラットフォームです。同社の仮想化製品は、小〜中規模はもちろんですが、大規模なデータセンターなどで大きな導入効果を発揮しています。

 ダウンタイムやデータ損失のないサーバ・マイグレーション、ストレージのライブ・マイグレーション、強力なバックアップ機能など仮想化技術の基礎を作ったといって過言ではありません。

 ヴイエムウェアは、自社の仮想化製品を、正しく、そして効率よく活用してもらうために、各種教育機関と協力しトレーニングコースを開催しています。

 そして世界共通の資格として、「VMware 認定プロフェッショナル」(VCP)の資格認定プログラムを推進しており、VCP取得者は、日本で1700人、世界で3万7000人に達しています(ヴイエムウェアのWebページより)。

 VCP試験は、試験だけに合格しても認定されません。各種教育機関が行っている下記のトレーニングコースを受講する必要がありますので、ご注意ください。

[資格名]

  • VMware 認定プロフェッショナル(VCP)

[コース名]

  • VMware Infrastructure 3:Install and Configure V3.5
  • VMware vSphere:Install, Configure, Manage[V4]

[学習内容]

  1. ESXの導入と設定
  2. vCenter Serverの導入と設定とユーザーアクセスなどを含む管理
  3. 仮想環境の展開とそれぞれの管理
  4. vCenter Serverを使用したリソース使用状況の監視
  5. パッチ適用、高可用性とデータ保護の管理

 トレーニングコースはおよそ30万円と、個人で捻出(ねんしゅつ)するには少々お高いので会社に申請することをお勧めします。

[詳細情報]

 基本的に、トレーニングコースで行うカリキュラムを理解し、多少の実務経験があれば試験には合格できると思いますが、実際の運用を行うためには少々不安が残ります。

 実務では欠かせない機能については、併せて、下記のトレーニングコースを受講し、VMware High Availability(HA)、VMware Fault Tolerance(FT)などを学習することをお勧めします。

[コース名]

  • VMware vSphere:Manage Availability[V4]

 VCP試験の受験は、試験業務委託先である「ピアソンVUE」でお申し込みください。VCP受験費用は2万3100円(税込み)です。

 2009年11月現在、日本語で受験できる資格は、「VMware Certified Professional on VI3」のみです。最新版の「VMware Certified Professional on vSphere 4」は現在英語版で、日本語試験は2010年1月に開始となっていますので、受験するときには注意しましょう。

[試験名]

  • VCP310:VMware Certified Professional on VI3

 詳しくはヴイエムウェアのWebページをご参照ください。

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