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» 2009年12月01日 00時00分 公開

企業システムの常識をJBossで身につける(4):企業でも情報整理で利用が進む「ポータル」の常識 (1/4)

企業向けアプリケーションのさまざまな“常識”をJavaのオープンソース・フレームワーク群である「JBoss」から学んでいきましょう。企業システムを構築するうえでの基礎となる知識をリファレンス感覚で説明していきます。初心者から中堅、ベテランまで大歓迎!

[相原淳, 山野信行, 上川伸彦,株式会社ビーブレイクシステムズ]

 今日において、インターネットを使用したWebサイトはさまざまなものがあります。このようなWebサイトを提供するうえで、インターネット上には「ポータルサイト」が存在し、企業は新しいビジネスをポータルサイトから発信していくことでビジネスを開拓しています。今回は、企業における「ポータル」について考えてみたいと思います。

 まず、最初にポータルについて説明します。そのうえで、ポータルを構築する方法として、JBossのフレームワークから学んでいきたいと思います。

「Yahoo!」「Google」などで知られる「ポータル」とは

 読者の皆さんは、「ポータル」という言葉の意味をご存じでしょうか。この言葉には、「入り口、玄関」といった意味があります。この意味から、ポータルとはインターネットにアクセスした際の「入り口」を指しています。

 その入り口で検索エンジンやさまざまなコンテンツをサービスとして提供するサイトのことを、一般的に「ポータルサイト」と呼んでいます。ポータルサイトには、読者の皆さんもご存じの「Yahoo!」「Google」「MSN」「goo」「livedoor」などの検索エンジンや各企業などが運営するさまざまなの種類のものがあります。

 では、このようなポータルサイトの利益は、どのようにして得られているのでしょうか。それは、ポータルサイト内の広告収入や有料コンテンツなどからの収益となります。この広告収入は、ページビュー(PV)が多くなることによって増えていく仕組みになっています。また、有料コンテンツに関しては、各ポータルサイトの独自のサービスを用いることで普及を目指しています。

 このように、ユーザーにポータルサイトのアクセスをしてもらうために、各ポータルの運営会社はいろいろな工夫をします。例えば、ポータルサイトの入り口となるトップページのデザインを見栄え良くリニューアルしたり、各コンテンツやツール群などのサービスを使いやすくするために、ユーザビィティの向上を図ったりするなどが挙げられます。

 これによって、ポータルサイトを使用しているユーザーの滞在時間を、少しでも長く確保して集客力の向上につなげているのです。

 ここまでで説明したポータルサイトは、主にインターネットを用いて一般のユーザーをターゲットにしたものです。では、ポータルサイトとは一般ユーザー向けにしか存在しないのでしょうか。このほかのポータルサイトの種類として、企業内で使用する「社内ポータル」「企業情報ポータル(EIP、Enterprise Information Portal)」というものが存在します。

企業情報整理におけるポータルの有効性

 社内ポータルとは、各企業が社内専用に使用するために提供するポータルサイトのことです。そのため、一般のユーザーからはアクセスできません。このような社内ポータルが出来た背景には、企業内の情報の一元管理や社員同士の情報共有の重要性が高まってきたことが挙げられます。

図1 社内ポータルのイメージ図 図1 社内ポータルのイメージ図

 企業の社員数が多ければ多いほど、社員情報の管理や企業情報共有などは困難になっていきます。例えば、あるプロジェクトのメンバー情報や工数・進ちょく状況を確認したい場合や、社員の一日のスケジュールや取引先情報などをいち早く知りたい場合など、確認に手間と時間が掛かってしまいます。このようなことから、ビジネスをしていく上でタイムロスにつながり、結果としてコストが掛かってしまうのです。

 これらを解消するために、企業は、社内ポータルを活用することで社内に散在している業務データや情報資源を管理して、企業内の情報共有や伝達事項などを確認できるようにしているのです。

 さらに企業は、ビジネスの流れによって変化する業務内容の変化や新規ビジネスなども、この社内ポータルに機能の追加・拡張をしていくことで対応させています。このようなことから企業は、業務の効率化を図りコストの削減を実現可能にしたり、企業内の業務を見渡すことができるのです。

 では、このような社内ポータルを作るには、どのような技術を用いているのでしょうか。読者の皆さんもご存じのJava言語をベースとして開発するものもあれば、PHPRuby.NETC#などといった開発言語/環境をベースとして構築するものもあります。

 また企業の社内ポータルには、Webブラウザを使用したもののほかに、C/S(クライアント・サーバ)型のものもあります。具体的には、Lotus Notesなどを指します。Webアプリの表現力が上がってきたこともあり、最近ではC/S型のポータルは、あまりないといっていいかもしれません(Eclipse RCPのような、C/S型のアプリケーション基盤も流行してきてはいますが)。

 各企業に見合ったものを選択して、社内ポータルを構築していく形です。

 ここまでで、読者の皆さんもポータルについてのイメージがわいてきたと思います。では、このようなポータルをJavaではどのようにして構築しているのでしょうか。まず次ページでは、Java Portlet Specificationというものを説明したいと思います。

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