「面接怖い」――上がり性のための面接克服法理系学生のための「就活」お悩み相談室(1)(2/2 ページ)

» 2010年01月22日 00時00分 公開
[松浦慶子@IT]
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まずは考え方を変えてみる:「パーフェクトじゃなくていい」

 もともと人前に出るのが苦手と思う人は、「避けて通れない面接をどう克服したらいいか」と、緊張や不安を感じていることでしょう。就職活動、特に面接では自分がどう思われているか、評価に敏感になるものです。

 実は「上がる」というのは、「結果や評価を先に考える、失敗したくない気持ち」の裏返しです。つまり、上がらないようにするためには、最初からパーフェクトにやろうと思わないことが大切です。「失敗しないように」ではなく、「失敗しても大丈夫」と、気持ちを切り替えてみましょう。

上がっている姿は好印象!? 素直に「上がり性」と告白する

 面接担当者は、上がっている学生の姿に悪い印象を持たないといいます。面接担当者も、企業人としてプレッシャーを乗り越えている、皆さんの気持ちがよく理解できる先輩です。上がっている姿に素直さや真剣さを感じ、好感を持つことが少なくありません。

 「話をする際、肯定的アピールだけでなく否定的なメッセージが少し盛り込まれていると、相手に印象を強く与える」という心理学の実験結果があります。「すみません、上がり性なものですから」と思い切って自己開示するのも1つの手です。相手に好印象を与え、自分も落ち着くことができます。

話の量にこだわらない:面接官は積極性だけを見るわけではない

 面接会場で、ほかの学生の自己アピールを見て、「自分はあんなふうにできないし、やりたくもない」と落ち込んだり、空しくなったりすることがありませんか。しかし企業は、皆さんが思うほど「積極性」だけを評価しているわけではありません。

 あなたのよさは「積極性」以外にもあります。グループ討論会でもっとも印象に残った人はだれかを投票する心理学の実験では、「話した量が多い人ではなく、よく聞いてくれた人が参加者の印象に深く残る」という結果が出ました。質問をよく聞き、的確な回答を自分の言葉で伝えてください。理想の学生を演じようとしないで、いまのあなたのこだわりや考えをさりげなく語るようにしましょう。

「上がるのは個性」と割り切る:自分のいいところを前面にアピール

 どうしても人前に出るのが苦手だという場合、「1つの個性」と考えて、そのことばかりに気を取られすぎないようにしましょう。上がらない人がそんなに立派かといえば、そうともいえません。探究心や協調性、持久力など、自分のいいところを前面に出して、それに合った職種が向いていることを伝えましょう。

 ご両親や友達に自分の長所・短所をたずねると、的確な答えをくれることがあります。要は、今の「あなたらしさ」が伝わればいいのです。


 次回は、今回に引き続き、上がり性の人が面接を乗り切る方法をご紹介します。

筆者プロフィール

ピースマインド

松浦 慶子

ピースマインド


臨床心理士・日本カウンセリング学会認定カウンセラー。

国際基督教大学心理学科卒業、筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了 。大学、専門学校での学生相談や講師、精神科睡眠障害外来での医療相談、EAP機関・ピースマインドにて社員や家族のカウンセリングなど、幅広く相談活動を行っている。



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