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» 2010年01月28日 00時00分 公開

ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(26):可変長サブネットマスク(VLSM)と経路集約 (1/2)

本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。2007年12月に改訂された新試験(640-802J)に対応しています。

[齋藤理恵,グローバル ナレッジ ネットワーク]

 今回は、可変長サブネットマスク(VLSM)と経路集約について解説します。

 VLSMは単一ネットワーク内のIPアドレスを複数のレベルでサブネットワーク化するために開発されました。VLSMを利用できるルーティングプロトコルはRIPv2、OSPF、EIGRPなどのクラスレスルーティングプロトコルです。

 VLSMは大規模ルーテッドネットワークにおいて重要な技術です。また、経路集約によって、複数のネットワークアドレスを1つにまとめることができるので、各ルータが管理しなければならないルート数を減らすことが可能です。

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FLSMとVLSMの概要

 あるクラスフルネットワークを複数のサブネットに分割するとき、2つのサブネッティング手法があります。

FLSM(Fixed Length Subnet Mask)

 サブネットマスクは、最も多くのIPアドレスを必要とするサブネットに合わせ、すべてのサブネットで同じサブネットマスクを利用します。

VLSM(Variable Length Subnet Mask)

 各サブネットに必要なIPアドレスに基づいて、サブネットごとに異なるサブネットマスクを利用します。

図1 FLSMとVLSMのイメージ 図1 FLSMとVLSMのイメージ

 VLSMを使用しない場合、必要なホストの台数に関係なく、すべてのサブネットで同じサブネットマスクを使用しています。しかし、ルータ間を接続するサブネットでは2つのIPアドレスがあれば十分です。/24のサブネットマスクで割り当てた場合、252台分のIPアドレスが無駄になります。こうしたアドレス浪費を解決するのが、サブネット化したアドレスをさらにサブネット化するVLSMです。

 例えば、172.16.0.0/16ネットワークを8ビット拡張して/24のサブネットワークに分割するとします。256個のサブネットワークのうち、172.16.1.0/24を本社側のLANに割り当てています。さらにこの範囲のサブネットワークの1つ、172.16.14.0/24を/27マスクを使用してさらに小さいサブネットワークに分割します。これらのサブネットワークの範囲は172.16.14.0/27〜172.16.14.224/27になります。この中から172.16.14.32/27〜172.16.14.96/27を支社側のLANに割り当てています。さらにこの範囲のサブネットワークの1つ、172.16.14.128を/30マスクを使用して、さらに小さなサブネットワークに分割します。これらのサブネットワークの範囲は172.16.14.128/30〜172.16.14.156/30になります。この中から172.16.14.132/30〜172.16.14.140/30をルータ間のリンクに使用しています。このようにVLSMでは、一度サブネット化されているアドレスをさらにサブネット化することで、アドレスの使用効率を向上させます。

図2 VLSMの考え方 図2 VLSMの考え方

 VLSMを利用できるルーティングプロトコルはRIPv2、OSPF、EIGRPなどのクラスレスルーティングプロトコルです。これらのルーティングプロトコルは、ルーティングアップデートにサブネットマスクを含めて送信できるため、異なるサブネットマスクを混在させることができます。これに対して、RIPv1、IGRPなどのクラスフルルーティングプロトコルは、ルーティングアップデートにサブネットマスクが含まれないため、サブネットマスクの整合性、つまりネットワーク全体で同じサブネットマスクを使用することが前提となります。

確認問題1

問題

 VLSMの利点について正しいものを1つ選択しなさい。

a.アドレスの効率的な割り当てが可能になる

b.ルーティングテーブルのエントリ数が減少する

c.ルーティングアップデートが頻繁になる

d.クラスフルルーティングプロトコルと使用される

e.ホールドダウンタイマが解除される

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