連載
» 2010年05月17日 00時00分 公開

Web技術でネイティブアプリを作れるTitanium(2):Titaniumで始めるモバイルアプリ作成の基礎知識 (1/3)

iPad/iPhone VS Androidに戸惑っているWebデザイナ/開発者のために、Web技術でネイティブアプリを作れるオープンソースの開発ツールを紹介し、その利点や使い方を連載で解説します

[立薗理彦,@IT]

ついにTitanium Mobile 1.0がリリース!

 「Titanium Mobile」の概要を紹介した前回の記事「HTML+JavaScriptでiPhone/Androidアプリを作れるTitanium Mobileとは」は、おかげさまで大変評判も良く、技術者が多く集まる「はてなブックマーク」で、多くのブックマークを獲得しましたiPhoneへの関心の高まり、そしてよりスピード感のある開発手法への関心の高まりを感じました。

 一方、Titaniumにも大きな動きがありました。前回の記事が公開された直後、それまでベータ版だったTitanium Mobileに、バージョン1.0に向けてのリリース候補となるバージョン0.9が登場し、毎週月曜日の修正版のリリースを経て、ついに正式版1.0がリリースされました。

 バージョン0.9/1.0では、Window周りのAPIやアプリケーションの構成ファイルに大幅な変更が加わりました。また、正式版に向けて料金プラン案が公開され、ユーザーとの議論と修正の繰り返しの末に、フリー版での制限が大幅に緩和された形で最終プランが公開されました。

 こうした流れを受けて、本稿ではまずTitanium Mobile 1.0での変更や追加された内容についてを簡単にまとめ、その後でいよいよプログラミングの実際をご紹介していきます。

2010年5月17現在、Titanium Mobileの最新バージョンは、1.3です。本稿は、以前の記事から大きな変化があった1.0を基に書かれていますが、一部機能で最新バージョン1.3と異なる場合があります。

大きな波紋を呼んだ、iPhone OS 4.0のライセンス

 2010年4月8日、アップルは次世代のiPhone OSをプレビューするイベントを開催、iPhone OS 4.0を発表し、デベロッパに向けて即日ベータ版SDKの配布を開始しました(参考:マルチタスク対応の「iPhone OS 4」発表 今夏提供予定)。

 しかし、OS 4.0のライセンスで新たに追加された条項が「Titanium Mobile」を含むマルチプラットフォーム開発環境の禁止を示唆する内容を含んでいたため、大きな波紋を呼んでいます(参考:Apple、iPhone SDKの規約変更 Flash締め出しか)。

 Titanium Mobileの開発元Appceleratorは、この件についての情報をブログで更新しており、「TitaniumはiPhone OS SDKのTerms of Serviceに対して問題はない」との声明を発表しています。コメント欄には、実際にTitanium Mobileを使ったiPhone向けアプリケーションがApp Storeの審査を通過したという例も寄せられています。しかし、OS 4.0以降での先行きが不透明になっていることは確かです。

 本稿では、iPhoneだけでなくAndroidBlackBerry(予定)の開発環境として、引き続きTitanium Mobileについて解説を続けていきますが、iPhoneのデベロッパの皆さんは、この点にご注意ください。

Titanium Mobile 1.0の主な特徴

API・システム構成の変更

 正式版のリリースに向けた0.9系のソフトウェア以降、これまでの0.8系のAPIから大幅な追加/削除が行われ、またプログラミングパラダイム自体も変更されています。変更内容は、「The Hitchhikers Guide to porting applications to Titanium 1.0」にまとめられています。

 大きな変更点としては、主に以下があります。

  • UI.TabやUI.WindowなどのUIパーツの振る舞いがダイナミックに変更可能にUIパーツの振る舞いがダイナミックに変更可能に
  • WebViewがUIパーツの1つとなり、これまでの「HTMLに記述されたJavaScriptでUIを構築する」スタイルから、「JavaScriptをベースとして、APIを通じてHTMLを生成していく」ように方向転換HTMLに記述されたJavaScriptでUIを構築する」スタイルから、「JavaScriptをベースとして、APIを通じてHTMLを生成していく」ように方向転換
  • 「tiapp.xml」内でのUI記述が、新しく追加された「app.js」に移動

 また、実行時のパフォーマンスが大きく改善され、よりネイティブに近いアプリケーションが開発できるようになりました。

 なお1.0.0から、iPhone SDK 3.1以上が必須です。

料金プラン

 Appceleratorが提供するTitanium SDKの利用プランは、以下の3つです。

  • 「Community」(無料)
  • 「Professional」($199/開発者/月)プレミアムサポートとアプリケーション利用状況の解析サービスを含むプレミアムサポートとアプリケーション利用状況の解析サービスを含む
  • 「Enterprise」($499/開発者/月)

 「Community」プランをめぐっては、当初はスタートアップスクリーンにTitaniumのバナーが出る案や、無料アプリに利用を限る案などが出されましたが、ユーザーからの意見に反応してこの形に落ち着いたようです。

新しいDeveloper Center

 Titanium Mobile 1.0のリリースと同時に、開発者向けサイトが一新され「Developer Center」が解説されました。

Titanium Mobileのドキュメントを日本語で

 Appcelerator社とは直接関係しませんが、Titanium Mobileの日本語ドキュメントの提供を目的とした「titanium-mobile-doc-ja」が日本の開発者によって始められています。

 先日公開された、Titanium Mobileでのアプリ開発方法や、UIパーツ・APIの解説を含んだドキュメント「Appcelerator Titanium MobileではじめるiPhoneアプリケーション開発」は、一通りの開発が行える内容です。ぜひご覧ください。

 次ページでは、Titaniumでモバイルアプリを作成し始めます。

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