連載
» 2010年07月07日 00時00分 公開

フレッシュマン企画 連載 簡単!Visual Studio 2010入門:第5回 初めてのWindowsアプリケーションの開発 (4/5)

[一色政彦,デジタルアドバンテージ]

■Timerコンポーネントのイベント・ハンドラを追加する

 ここまでに作成したプログラムの時刻が更新されない理由は、時刻更新のTimerコンポーネント(「secTimer」オブジェクト)と時刻表示のLabelコントロール(「timeNow」オブジェクト)が結び付けられていないからである。この結び付けは「イベント」という機能を利用することで実現できる。

 イベントとは、前述したように、フォームやコントロール、コンポーネントなどのオブジェクトが発行するメッセージのことである。このイベントが発生したときに実行されるイベント・ハンドラ(=イベント処理)のメソッドを、[プロパティ]ウィンドウのイベント項目で設定することができる。これによって設定されたイベント・ハンドラを通じて、オブジェクトとオブジェクト(この例では「secTimer」と「timeNow」)を結び付けることが可能となる。

 よって、Timerコンポーネント(「secTimer」オブジェクト)は1秒ごとに時間経過のイベントを発行するので、それを処理するイベント・ハンドラのメソッドを追加する必要がある。

 次の画面は、実際に[プロパティ]ウィンドウのイベント項目にイベント・ハンドラとなるメソッドを追加しているところだ。

TimerコンポーネントへのTickイベントのイベント・ハンドラの追加
[プロパティ]ウィンドウのイベント項目にイベント・ハンドラとなるメソッドを追加しているところ。
  (1)Timerコンポーネント・オブジェクトのイベントを編集するために、Windowsフォームの下にあるTimerコンポーネント(この例では「secTimer」オブジェクト)を選択する。
  (2)[プロパティ]ウィンドウの[イベント項目]ボタンをクリックする。すると、下にある表にイベント項目がリストされる。
  (3)[動作]カテゴリの中にある[Tick]項目(=Tickイベント:時間経過のイベント)に「secTimer_Tick」を設定する。といっても、手動で入力する必要はなく、[Tick]と書かれた項目部分をダブルクリックすることで、自動的に「secTimer_Tick」メソッドが設定される。設定されると、そのメソッドのソース・コードがコード・エディタによって自動的に開かれる。

 [プロパティ]ウィンドウのイベント項目の[動作]カテゴリの中にある[Tick]という項目部分(=時間経過のイベント)をダブルクリックすると、Tickイベントのイベント・ハンドラとして「secTimer_Tick」メソッドが自動的に追加される(追加されるメソッドの命名パターンは「<オブジェクト名>_<イベント名>」という形式になる)。

 メソッドが追加されると、次の画面のように、コード・エディタによってそのメソッドのソース・コードが表示される。

Tickイベントのイベント・ハンドラとして追加されたsecTimer_Tickメソッド
[プロパティ]ウィンドウの[Tick]イベント項目をダブルクリックすると、自動的にsecTimer_Tickメソッドが追加されて、コード・エディタによりそのメソッドのソース・コードが表示される。

 自動追加されたTickイベントのイベント・ハンドラは次のようなものだ。

private void secTimer_Tick(object sender, EventArgs e)
{
}

 このsecTimer_Tickメソッドは、第1パラメータ(object sender)に「イベントの送り主(本稿の例では、TimerコンポーネントであるsecTimerオブジェクト)」が渡され、第2パラメータには「Tickイベントに関連付けられたデータ(具体的にはSystem名前空間のEventArgsクラスのオブジェクトだが、実はこのオブジェクトには実質的なイベント・データが何も格納されていない)」が引き渡される(なお、これらのパラメータは使う必要がなければ、使わなくてよい)。

 Tickイベントにより、このメソッドが1秒ごとに呼び出されることになるので、このメソッドの中に「Labelコントロールのテキストに時刻の文字列を設定する処理」(この処理については後述する)を追加すればよい。これにより、1秒ごとにLabelコントロールの時刻表示が更新されるはずだ(つまり、ここで初めて「secTimer」オブジェクトと「timeNow」オブジェクトが結び付けられる)。

 しかし、よく考えてみると、「時計」アプリケーションを起動してから1秒が経過するまでは、時刻表示が更新されずに、先ほどのLabelコントロール(「timeNow」オブジェクト)のTextプロパティで設定した「12時34分 56秒」が表示されてしまうことになる。そこで、Windowsフォーム(「Display」クラスのインスタンス)が起動したときにも、同じように時刻表示の更新を行いたい。

 そこで次に、Windowsフォームの起動時に時刻表示を更新する処理も追加してみよう。

■Windowsフォームのイベント・ハンドラを追加する

 Windowsフォームの起動時に時刻表示を更新するには、WindowsフォームのLoad(=起動)イベントのイベント・ハンドラに、TimerコンポーネントのTickイベントと同じ「時刻の文字列を設定する処理」を追加すればよい。

 WindowsフォームのLoadイベントのイベント・ハンドラも、[プロパティ]ウィンドウのイベント項目の[動作]カテゴリの中にある[Load]項目をダブルクリックすると、Loadイベント・ハンドラとして「Display_Load」メソッドを自動的に追加できる(追加されるメソッドの命名パターンは「<クラス名>_<イベント名>」の形式)。

 しかし、Loadイベントのイベント・ハンドラは、もっと手軽に追加することができる。実は、次の画面のように、Windowsフォームをダブルクリックするだけで自動的に追加することができるのだ。なお本稿の例では、Labelコントロールがフォーム全体を覆い尽くしているので、タイトル部分をダブルクリックする必要がある(間違って、Labelコントロールをダブルクリックしないように注意すること)。

WindowsフォームのLoadイベントに対するイベント・ハンドラの追加
Windowsフォームをダブルクリックすると、Loadイベントのイベント・ハンドラのメソッドが自動的に追加され、そのメソッドのソース・コードがコード・エディタによって自動的に開かれる。なお本稿の例では、Labelコントロールがフォーム全体を覆い尽くしているので、タイトル部分をダブルクリックする必要がある。

 メソッドが追加されると、次の画面のように、コード・エディタによってそのメソッドのソース・コードが表示される。

Loadイベントのイベント・ハンドラとして追加されたDisplay_Loadメソッド
Windowsフォームをダブルクリックすると、自動的にDisplay_Loadメソッドが追加されて、コード・エディタによりそのメソッドのソース・コードが表示される。

 自動追加されたLoadイベントのイベント・ハンドラは次のようなものだ。

private void Display_Load(object sender, EventArgs e)
{
}

 このDisplay_Loadメソッドは、第1パラメータ(object sender)には「イベントの送り主(本稿の例では、WindowsフォームであるDisplayオブジェクト)」が渡され、第2パラメータには「Loadイベントのデータ(具体的にはSystem名前空間EventArgsクラスのオブジェクト)」が引き渡される。

 Loadイベントにより、このメソッドが起動時に呼び出されることになるので、このメソッドの中に「Labelコントロールのテキストに時刻の文字列を設定する処理」(この処理については後述する)を追加すればよい。これにより、起動時にもLabelコントロールの時刻表示が更新されるはずだ。

 以上で設計したとおりの1秒ごとに時刻表示を更新する「時計」アプリケーションが実現できるだろう。

 しかしここでさらに考えてみると、LoadイベントとTickイベントのイベント・ハンドラには、「Labelコントロールのテキストに時刻の文字列を設定する処理」という、まったく同じ処理が存在する。よって、この2つの処理を1つのメソッドにまとめることができるはずだ。次に、複数の処理を1つのメソッドにまとめる方法を解説する。

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