連載
» 2010年09月13日 00時00分 公開

ネットワークの基礎を学習する CCNA対策講座(34):WANカプセル化プロトコルについて学習する (1/2)

本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。2007年12月に改訂された新試験(640-802J)に対応しています。

[齋藤理恵,グローバル ナレッジ ネットワーク]

 WAN(Wide Area Network)とは、東京のLANと大阪のLANを接続したいときなど、地理的に離れた拠点を相互に接続するためのネットワークです。そのためには、通信事業者が構築したサービスを利用する必要があります。なお、データをWANリンクに送信する際には、適切なレイヤ2プロトコルでカプセル化して送信する必要があります。このプロトコルの選択は利用するWANサービスによって異なります。

 今回は代表的なWANカプセル化プロトコルであるHDLCとPPPについて解説します。

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WANサービスの概要

 通信事業者が提供しているWANサービスには、通信の要件やコストに応じて、さまざまな回線サービスがあります。このサービスを2つのカテゴリに分けると「専用型」と「交換型」に分かれます。交換型はさらに、「回線交換」と「パケット交換」に分かれます。利用するWANサービスによって、カプセル化するプロトコルも異なります。

カテゴリ サービス 特徴
専用型 専用線 自社専用に回線を借りて1対1で拠点間を接続。常時接続で安定性もあるが、コストが高い。レイヤ2プロトコルとして、HDLC、PPPが使用される。
交換型 回線交換 一般電話のように、通信が必要なときに接続を確立して、終了したら切断するサービス。通信している間だけ費用がかかる。コストは従量課金制。レイヤ2プロトコルとして、HDLC、PPPが使用される。
パケット交換 拠点間で仮想回線を確立し、データを細かい単位に分けてネットワークに伝送する。ユーザーのデータは仮想回線を識別する制御情報を付加したうえで伝送される。主なレイヤ2プロトコルにフレームリレーなどがある。
表1 WANサービスの種類

確認問題1

問題

 専用線や回線交換サービスで使用されているレイヤ2プロトコルを2つ選択してください。

a.フレームリレー

b.ATM

c.PPP

d.X.25

e.HDLC

正解

 c、e

解説

 専用線や回線交換で使用されるレイヤ2プロトコルはPPP、HDLCです。従って正解は選択肢c、eです。フレームリレー、ATM、X.25はパケット交換で使用されます。

HDLCの概要

 HDLCはISOで標準化されているWANカプセル化プロトコルです。ですが、標準化されているHDLCのフレームフォーマットはレイヤ3のプロトコルを識別するフィールドがないので、1つのネットワーク層プロトコルしかサポートしていません。

 そこで、各ベンダはマルチプロトコルに対応できるようHDLCのフォーマットを拡張しています。シスコでもマルチプロトコルに対応できるよう独自のフレームフォーマットが使用されています。シスコルータのシリアルインターフェイスのデフォルトのカプセル化プロトコルはCisco HDLCです。Cisco HDLCはシスコデバイス間でのみ使用できます。シスコ製品とほかのベンダ製品を専用線で接続する場合には、ベンダごとにHDLCのフォーマットが異なるので、PPPを利用する必要があります。

図1 カプセル化プロトコル選択 図1 カプセル化プロトコル選択

 HDLCの設定コマンドは次のとおりです。

(config-if)#encapsulation hdlc

 なお、デフォルトでHDLCに設定されているので、明示的に入力する必要はありません。プロトコルをHDLCに戻すときに設定が必要です。

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