対象:Windows 7/Windows 8.1/Windows 10/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2
Windows OSの標準機能の1つ「リモートデスクトップ接続」を利用すると、あたかもローカルコンピュータを操作しているかのように、リモートコンピュータのデスクトップをGUIで操作できる。それゆえに、ローカルでできることはリモートでもしたくなるものだ。
例えば、ローカルコンピュータ上のアプリケーションで作成したデータファイルをリモートコンピュータに渡して続きの操作を行う、といった使い方はよくあることだろう。
本TIPSではクリップボードを利用して、ローカル−リモート間でファイルのコピー&ペーストを実行する方法と、その際の注意点を説明する。
リモートデスクトップ接続でファイルをローカルからリモートへ、あるいはリモートからローカルへコピー&ペーストするには、通常のコピー&ペースト手順とほぼ同じだ。
まずリモートコンピュータとの接続を確立したら、エクスプローラー上でコピー元ファイルを選んで[Ctrl]+[C]キーを押すか、右クリックして表示されるメニューから[コピー]をクリックしてクリップボードにコピーする([切り取り]を選んでも[コピー]と同じになる)。
次に、コピー先コンピュータの画面に移ってからエクスプローラーでコピー先フォルダを開き、[Ctrl]+[V]キーを押すか、右クリックして[貼り付け]をクリックしてクリップボードからファイルをペーストする。
このとき、ローカル同士の場合と同じく、更新日時やファイル属性もそのままコピーされる。アクセス権リストや所有者は、コピー先フォルダの設定が継承される(ローカルコンピュータの別ドライブ間でファイルをコピーしたときと同じ挙動だ)。
複数のファイル/フォルダを丸ごとコピー&ペーストすることも可能だ。
また、大きなファイルをコピー&ペーストした場合は、コピー中にプログレスバーのダイアログが表示される。その間に、別のファイルやテキストなどをクリップボードにコピーすると、ファイルコピーがキャンセルされてしまうので注意が必要だ。
なお、ドラッグ&ドロップによるコピーはできない。一方のデスクトップ内でドラッグしても、他方のデスクトップまでドラッグできず、ドロップも無理だ。
上記の手順でファイルをコピーできない場合は、リモートデスクトップ接続クライアントの設定を確認してみよう。まずリモートデスクトップ接続クライアントで[オプションの表示]をクリックする。そして[ローカルリソース]タブの「クリップボード」がチェックされていない場合は、チェックを入れて「オン」にする。
Windows 7でそれでもコピー&ペーストができない場合、リモートデスクトップ接続中に、リモートコンピュータ上のタスクマネージャーで「rdpclip.exe」というプロセスが実行中であることを確認する(Windows 10のタスクマネージャーでは、「rdpclip.exe」や「RDPクリップモニター」のプロセスは見えないので注意したい)。これはローカルとリモート間でクリップボードを介したコピー&ペーストを制御するプログラムである。
もし起動していなかったら、手動で%SystemRoot%\system32\rdpclip.exeを起動する。rdpclip.exeが起動している場合は、何らかのトラブルが生じてrdpclip.exeが正しくコピー&ペーストを制御できていない可能性がある。そこで少々乱暴だが、いったんrdpclip.exeのプロセスを終了してから、%SystemRoot%\system32\rdpclip.exeを起動し直してみるとよい。
リモートデスクトップ接続でのコピー&ペーストでは、ファイルサイズに上限がある。
これ以上の大きなファイルをコピー&ペーストしようとすると、「エラーを特定できません」というエラーメッセージが表示されたり、逆にメッセージが何も表示されないまま、コピーも行われなかったりする。
こうした大きなファイルをコピーするには、次のような別の手段で代替する。
複数のファイルをコピーする場合、その合計サイズにかかわらず、各ファイルのサイズが前述の上限を超えていなければコピーできる。
エクスプローラー以外のアプリケーションでは、ローカル−リモート間でコピー&ペーストができないことがある。例えばローカルコンピュータ上の画像ファイルをクリップボードにコピーしても、リモートコンピュータのWindows 7標準のワードパッドにはペーストできなかった。
このような場合は、いったんリモートコンピュータのフォルダにペーストし、そこで再びコピーしてみよう。
■関連リンク
■更新履歴
【2019/03/19】最新の環境に合わせて記事を更新しました。
【2016/06/23】Windows 8/Windows Server 2012以降のWindows OSに対応しました。またコピー&ペーストができない場合の対処方法を追記しました。
【2010/09/17】初版公開。
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