RMANリポジトリを管理する独学! ORACLE MASTER Gold 11g講座(4)(2/2 ページ)

» 2011年02月04日 00時00分 公開
[岩沢百合子システム・テクノロジー・アイ]
前のページへ 1|2       

リカバリ・カタログの管理

 リカバリ・カタログを構成したら、バックアップ管理を計画しなくてはいけません。リカバリ・カタログのバックアップ構成は次のとおり設定します。

  • ARCHIVELOGモードで運用する
  • 保存ポリシーは1より大きいREDUNDANCY値にする
  • リカバリ・カタログをディスクとテープにバックアップする
  • バックアップを作成するには、BACKUP DATABASE PLUS ARCHIVELOGコマンドを使用する
  • RMANリポジトリとして、別のリカバリ・カタログではなく、制御ファイル(NOCATALOG)を使用する
  • 制御ファイルの自動バックアップをONに設定する

 本設定で、リカバリ・カタログのリポジトリが失われないように管理します。

リカバリ・カタログの再作成

 リカバリ・カタログに障害が発生し、何らかの理由でバックアップを使ったリカバリができなかった場合は、リカバリ・カタログを再作成します。

RESYNC CATALOGコマンドの実行

 RESYNC CATALOGコマンドを実行すると、ターゲット・データベースの制御ファイルにあるRMANリポジトリ情報を使って、リカバリ・カタログを更新します。ターゲット・データベースの制御ファイルとリカバリ・カタログを同期させることで、RMANリポジトリ情報を復活させます。

CATALOG START WITHコマンドの実行

 CATALOG START WITHコマンドでは、使用可能なすべてのバックアップを、再度リカバリ・カタログに追加できます。これにより、RMANリポジトリに情報がなくても、バックアップ・ファイルをリカバリ・カタログに登録できます。

仮想プライベート・カタログ

 リカバリ・カタログの所有者は、リカバリ・カタログに登録されたすべてのターゲット・データベースのバックアップ情報にアクセスが可能です。11gからサポートされた、仮想プライベート・カタログを構成すれば、バックアップ対象データベースを管理者ごとに制限できます。

 では、確認問題で復習しましょう。

確認問題

問題1

制御ファイルではできない、リカバリ・カタログを使ったバックアップ管理の特徴として、正しいものをすべて選択しなさい。

a. ストアド・スクリプトを格納できる

b. 複数のデータベースおよびホストのバックアップを一元管理できる

c. 永続的にバックアップを保持できる

d. 制御ファイルに対してバックアップ情報を記録しなくなる

正解:a、c

●解説

 リカバリ・カタログには次の特徴があります。

  • 長期間のバックアップ保持が可能
  • 複数データベースのバックアップが一元管理できる
  • ストアド・スクリプトを格納できる

 BACKUPコマンドのKEEP FOR EVERオプションはリカバリ・カタログが必要です。KEEP FOR EVERオプションを付けると、永続的にバックアップを保持できます。従って、「c. 永続的にバックアップを保持できる」は正解です。

 リカバリ・カタログを構成した際、制御ファイルにはバックアップ情報を記録します。リカバリ・カタログのリポジトリ情報は、制御ファイルにレプリケーションした情報だからです。なお、RMANでは、Oracleデータベースファイルのバックアップは可能ですが、ホストファイルのバックアップはできません。よって、当然リカバリ・カタログでも、ホストファイルのバックアップを保持できません。


問題2

リカバリ・カタログのバックアップをするための構成として、適切なものを2つ選択しなさい。

a. ARCHIVELOGモードにし、障害発生時にはリカバリ・カタログを障害発生直前のものに復旧できるように構成する

b. NOARCHIVELOGモードにし、リソースを節約する

c. リカバリ・カタログを管理するためのリカバリ・カタログを構成し、より安全性を高くする

d. 最もバックアップ管理が強化されている既存データベースに、リカバリ・カタログ用の表領域を作成。これにより、リカバリ・カタログのバックアップが簡略化されるうえ、安全性も高くなる

e. 保存ポリシーをREDUNDANCY2以上に設定する

正解:a、e

●解説

 リカバリ・カタログでは、障害に備えたバックアップ管理を行ってください。次の構成を推奨しています。

  • ARCHIVELOGモードで運用する
  • 保存ポリシーは1より大きいREDUNDANCY値にする
  • リカバリ・カタログをディスクとテープにバックアップする
  • バックアップを作成するには、BACKUP DATABASE PLUS ARCHIVELOGコマンドを使用する
  • RMANリポジトリとして、別のリカバリ・カタログではなく、制御ファイル(NOCATALOG)を使用する
  • 制御ファイルの自動バックアップをONに設定する

問題3

仮想プライベート・カタログに関する説明として、正しくないものを2つ選択しなさい。

a. 複数のリカバリ・カタログ作成し、バックアップ管理データベースを複数のDBAで制限する

b. 1つのリカバリ・カタログと複数の仮想プライベート・カタログを作成し、バックアップ管理データベースを複数のDBAで制限する

c. 基本カタログは必須である

d. 基本カタログは任意である

正解:b、d

●解説

 仮想プライベート・カタログは、1つのリカバリ・カタログと複数の仮想プライベート・カタログを作成し、バックアップ管理データベースを複数のDBAで制限します。複数のリカバリ・カタログを作成してもよいですが、管理負荷が増大するのでお勧めできません。

 基本カタログとは、通常のリカバリ・カタログのことです。仮想プライベート・カタログを構成する場合、基本カタログは必須です。


著者紹介

岩沢 百合子

Oracle認定講師。データベース管理コース全般を担当し、主にパフォーマンスチューニング系のコースを受け持っている。日本オラクルより、Oracle University Excellent Instructor(2007年)、Oracle University Excellent Instructor(2006年)を受賞。また、『オラクルマスター教科書Gold Oracle Database11g編』を執筆。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。