エンジニアに資格が必要な時、いらなくなる時仕事を楽しめ! エンジニアの不死身力(12)(2/2 ページ)

» 2011年05月09日 00時00分 公開
[竹内義晴特定非営利活動法人しごとのみらい]
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「いつかは、資格を超えてやる」

 資格の議論になると、資格かスキルかの選択になりがちですが、「どちらかが重要」ではなく「どちらも重要」だと筆者は考えます。

 初めて出会う人に「自分のことを良く思ってほしい」と考えるは自然なことです。「ワンランク上の自分」をアピールするツールとして、資格を使うのも悪いことではありません。

 しかし、信頼や評価は資格だけで得られるものではありません。いつかは「自分そのもの」で信頼が得られるように、継続的に自分を磨いていく必要があります。そのために筆者が意識していることがあります。

  • 日常の仕事をとにかく一生懸命やること
  • 地味なことでも、淡々とやること

 こうした日常の仕事ぶりに、周りの人は信頼を寄せてくれるようです。日常の仕事の中には、もちろん「面倒くさいな」と思うことだってあります。ですが、これまでできなかったことができるようになったり、自分の成長を感じることがあったり、さまざまな発見があったりすることには、エンジニアとして面白さを感じます。

 また、筆者は自分の考えや成果、将来やりたいことを、積極的に情報発信するようにしています。情報発信は、正直に言って、なかなか怖いことです。なぜなら、表現したものに「人そのもの」を映し出してしまうからです。ですが、だからこそ「どのようにしたら伝わるのか」「表現方法を工夫しよう」と考えるうちに、資格に頼らない自己アピールが、少しずつうまくなっていったような気がします。

「いつかは、資格を超えてやる」――そんなことを考えて過ごしてきた経験は、今では立派な「自分なりのコンテンツ=資格にはない実務経験」になりました。


 何の資格もなく、実務経験もない時は、自分をアピールできずに不安だらけでしょう。筆者自身がそうでした。資格で自分をアピールしようと思うのは自然なこと。自分の信頼を得るために資格を取るのも良い選択です。ぜひ、頑張りましょう。

 しかし、資格による評価はほんの一部である、ということもしっかり記憶しておくべきです。仕事に対して前向きに取り組むあなたの姿を、周囲の人々は評価してくれるでしょう。いずれは資格ではなく「自分そのもの」で評価されるようになりたいものです。

 資格を名乗らなくてもよくなった時――これが、あなたが「資格を超えた瞬間」です。いつかは、資格を超えてやりましょう。

著者紹介

竹内義晴

特定非営利活動法人しごとのみらい理事長。ビジネスコーチ、人財育成コンサルタント。自動車メーカー勤務、ソフトウェア開発エンジニア、同管理職を経て、現職。エンジニア時代に仕事の過大なプレッシャーを受け、仕事や自分の在り方を模索し始める。管理職となり、自分がつらかった経験から「どうしたら、ワクワク働ける職場がつくれるのか?」と悩んだ末、コーチングや心理学を学ぶ。ちょっとした会話の工夫によって、周りの仲間が明るくなり、自分自身も変わっていくことを実感。その体験を基に、Webや新聞などで幅広い執筆活動を行っている。ITmedia オルタナティブ・ブログの「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織づくりやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』がある。Twitterのアカウントは「@takewave」。



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