クラウドストレージ「Amazon S3」とiPhone/iPadを直結するSDKとはスマートフォンとクラウドをつなぐ技術カタログ(3)(2/3 ページ)

» 2012年03月09日 00時00分 公開
[福田寅成クラスメソッド株式会社]

「AWSiOSDemo」サンプルアプリを動かす準備

iOSアプリの開発環境の準備

 サンプルアプリを動かすには、Mac上にXcode開発環境(Xcode v3.2.3以上)を準備しておく必要があります。またiPhone端末の実機をお持ちの方は、そちらでサンプルを動かすことも可能です。本稿では、開発環境の準備に関しては割愛します。知りたい読者は、少し古いですが以下を参考にしてください。

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 本記事では、下記バージョンの開発環境でアプリを開発、実行しています。

  • Xcode 4.2.1
  • Mac OS X 10.7.3

AWSのアカウント

 また、AWSのアカウントも取得済みで、AWSの管理コンソールである「AWS Management Console」へアクセス可能な状態であるものとして話を進めていきます(AWSの新規アカウントを作成すると、1年間の無料枠が提供されるので、本サンプルアプリも無料で動かせます。AWSアカウントをお持ちでない方は、下記記事を参考にアカウントを作成してみてください)。

アクセスキー(Security Credentials)の準備

 AWSiOSDemoは、「アクセスキー(Security Credentials)をアプリ内に埋め込む」という、仕組み的に一番簡単なサンプルです。あらかじめAWS Management Consoleにアクセスし、アクセスキーを取得しておきましょう。

 AWS Management Consoleにログイン後、右上のユーザーIDをクリックしてリストを表示し、「Security Credentials」を選択します。アクセス証明書画面でアクセスキーIDとシークレットアクセスキーを入手できます。

図3 アクセスキーの入手 図3 アクセスキーの入手

AWS SDK for iOSのダウンロード

 「AWS SDK for iOS」のページにアクセスし、AWS SDK for iOSをダウンロードします。

 デスクトップなどにダウンロードしたZIPファイル「aws-ios-sdk-1.1.1.zip」を解凍します。解凍した「aws-ios-sdk-1.1.1」フォルダ内の「samples」フォルダにサンプルアプリが入っています。この「samples」フォルダ以下のフォルダ群を、Xcodeプロジェクトを配置する適当な場所に移動しておきます。

サンプルアプリのEclipseへのインポート

 Xcodeを起動し、左下の[Open Other...]ボタンをクリックし先ほど解凍したプロジェクトを開きます。[Finder]で、「AWSiOSSDK/samples/AWSiOSDemo/AWSiOSDemo.xcodeproj」を開いてください。

図4 サンプルアプリをXcodeで開く 図4 サンプルアプリをXcodeで開く

アクセスキーの設定

 プロジェクトが開いたら、アクセスキーを設定しておきます。ナビゲーターで「AWSiOSDemo/Classes/Constants.h」ファイルを開きます。いくつか定数が定義されているので、そのうちの「ACCESS_KEY_ID」「SECRET_KEY」の値をアクセスキーとシークレットアクセスキーの値に修正します。

図5 アクセスキーの設定 図5 アクセスキーの設定

「AWSiOSDemo」サンプルアプリの実行

 準備ができたので、メニューの[Product]→[Run]または[Command]+[R]でiPhoneシミュレータでサンプルアプリを実行します。今回はiPhone 4.3シミュレータで実行しています。

 すると、下記の画面のような「AWS iOS Browser」が起動します。

図6 AWS Demoサンプルアプリ 図6 AWS Demoサンプルアプリ

 このサンプルアプリではSNS、SQS、S3、SimpleDBに直接アクセスできます。

 次ページでは、実際にS3にiPhone端末からアクセスしてみます。

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