連載
» 2012年03月28日 00時00分 公開

かんばん!〜もし女子高生がRedmineでスクラム開発をしたら(4):「Redmineでスクラム実践!」〜アジャイル開発始めました〜 (3/3)

[岡本隆史, イラスト:本橋ゆうこ,@IT]
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Backlogsを利用した日々のスクラム運用

まいん

朝会」はメンバー全員でかんばんを囲んで行うけど、Backlogsを使うときは、ディスプレイにかんばんを表示しながら行うといいよ。


ぷりん

「朝会」って「デイリースクラム」のことだよね?おねーちゃん、連載第2回で教えてくれたの覚えているよ!昨日やったことの確認とか、今日やることの確認をするんだよね?


まいん

そうね、おねーちゃん。昨日やったことの確認の中で、タスクのステータスの変更を、今日やることの確認の中で、残時間の確認とタスクのアサインをするといいよ。


まいん

ちなみに、この連載では、すべての作業を電子化された中で行うことにしているけど、アジャイル推進派の人の中には、「紙を使ってかんばん(タスクボード)を運用すべき」っていう人もたくさんいるの。紙でもやってみてね。


担当者の割り当て

亜琉美

担当者の割り当ては、タスクをクリックして、[担当者]を変更することにより行います。


図15 担当者割り当て 図15 担当者割り当て
亜琉美

担当者ごとに異なる色でタスクは表示されます。未割り当てのタスクはグレーになっています。未割り当てのタスクは、ドラッグ&ドロップで進行中へ移動することにより、現在ログインしているユーザーに自動的にアサインされます。自主的にタスクを取る場合は、この方法でもできますが、朝会で今日やるタスクは、まとめてアサインするようにした方がいいでしょう。


ぷりん

私のタスクの色は、う●●みたいな黄土色なんだけど。ふぇ〜ん(ToT)。


亜琉美

タスクの色はユーザー作成時に自動的に割り当てられますが、Redmine右上の[個人設定]で個人の設定画面を表示し、[バックログ]の[Task color]でタスクの色を変更できます。


図16 タスクの色の変更 図16 タスクの色の変更

残り時間の更新とステータスの変更

亜琉美

タスクの残時間の入力は、タスクをクリックして残りの時間を変更することにより行えます。


図17 残り時間変更 図17 残り時間変更
亜琉美

ドラッグ&ドロップで隣のステータスに移動すると、タスクのステータスを変更できます。なお、終了に移動すると、自動的に残り時間が「0」になります


まいん

残り時間の更新は、帰宅前にやっておいて、ステータスの終了への変更は、次の日の朝会で、タスクの実施状況をチームメンバみんなの前で報告し、ステータスを変更するようにするといいかも。チームメンバで報告し、ステータスを変更すると、以下のようなメリットが生まれるの。


  • 本当に終了かどうか、漏れがないかどうかみんなで確認できる
  • みんなの前でステータスを終了することにより、チーム全体で達成感を共有できる
まいん

リーダーが確認して終了にしがちだけど、スクラムではチーム全員でタスクの状況や達成感を共有し、団結力を強化しましょー。


ぷりん

ちなみに筆者は、1つのタスクが完了したら、拍手などして盛り上げてたみたいだよ。でも人数が多くなると1回1回拍手しているとウザイだけなので注意してね。紙でもRedmineのようなツールでもプロジェクトを盛り上げるっていうのは大事なことだね。


ストーリーの完了

亜琉美

ストーリーに紐付けられたタスクを全部完了し、ストーリーを完了にするには、ストーリーの右上のチケットIDをクリックして、チケット画面で[編集]をクリックし、ステータスを変更します。


図18 ストーリーのステータスの編集 図18 ストーリーのステータスの編集

スプリント障害事項

ぷりん

かんばんの左上に「スプリント障害事項」っていう、作った覚えがないストーリーが表示されてるんだけど、これは何なの?ひょっとして、スプリントに紛れ込んだ、もう1つのストーリー!?このストーリーには死の色が見える!!怖いよ〜(((;゜Д゜)))。


図19 スプリント障害事項の追加 図19 スプリント障害事項の追加
まいん

何を怖がっているのか、よく分からないけど、障害事項(英語では「Impediment」)はプロジェクトを進めていくうえでの障害や妨害になる事項のことで、情報が不足している、顧客が意思決定しない、バグなどが挙げられるわ。課題管理票やバグ票に似ているかもね。スプリントを進める障害があれば、ここを使ってね。


亜琉美

障害事項は、通常のタスクと異なり、ブロック欄があります。ブロック欄には、妨害されるストーリーやタスクのIDをカンマ区切りで入力してください(例「2,3,4」など)。


図20 スプリント障害事項の追加 図20 スプリント障害事項の追加
まいん

状況によっては、どのストーリー、タスクにも紐付かない障害事項が出てくるよ。そういう場合は、「その他」という名前のストーリーを作成しておいて、そのストーリーに紐付けるようにするといいよ。


まいん

障害事項については、@ryuzeeさんの「Impediments(障害事項)への対応」に詳しく書いてあるから、興味がある人は見てみてね。


ぷりん

ふ〜ん、障害事項ということは、放っておいたらそのスプリントが進まなくなる可能性があるってことね。このストーリーに死の色が見えるというのは、間違いじゃなかったんだね!!


バーンダウンチャート

亜琉美

バーンダウンチャートを見るには、かんばん画面の右上にある「バーンダウン」を選択します。表示されたグラフ下の[残り時間][理想時間]にチェックを入れ、そのほかのチェックを外すと、タスクの残り時間のバーンダウンチャートを表示できます。


図21 残り時間のバーンダウンチャート 図21 残り時間のバーンダウンチャート
亜琉美

理想時間は、順調にスプリントが進んだときの見込みの残り時間を表示しています。理想時間の計算からは土日が外されていますが、オプションで含めることもできます。


ぷりん

へぇ〜。土日は働く時間には入っていないんだね。わたしたち高校生は、土日も部活や受験勉強のための塾で忙しいのに、社会人になったら土日は休めるんだね〜。


まいん

おねーちゃんって、帰宅部じゃなかったけ?塾も行ってないと思ったけど……。


亜琉美

差し出がましいようですが、ストーリーが途中でちょくちょく追加されるようなプロジェクトでは、[承認されたポイント]にチェックを入れると、ストーリーポイントの増加をグラフで見ることができます。スプリントの途中でストーリーが増えてうまくスプリントが回らない場合は、承認されたポイントをチェックするといいかもしれません。また、ここでは「残り時間」のバーンダウンチャートを利用していますが、「残りストーリーポイント」のバーンダウンチャートも利用できます。


KPTで“振り返り”

まいん

振り返りは、連載第2回で説明したようにKPTなどを使いましょー。振り返りの内容は、プロジェクトの情報やWikiなど目立つところに記述しておくといいよ。


図22 プロジェクトのトップ画面への振り返り内容の掲載 図22 プロジェクトのトップ画面への振り返り内容の掲載
亜琉美

細かい分析をしたい場合、プロジェクト作成時に時間トラッキングをチェックしておくと、チケットのレポート機能と組み合わせて、予定工数と作業時間の乖離を見ることもできます。この機能を利用すると、作業時間を入力する手間は掛かりますが、予想が外れたストーリーやタスクを簡単に確認できるので、次の見積もり精度の向上や、将来のストーリーやタスクの見積もりにつなげられます。


図23 予定工数と作業時間の確認 図23 予定工数と作業時間の確認
亜琉美

また、チャート機能を利用すると、メンバー別の作業時間も確認できるので、特定のメンバに作業が偏っていないかどうかチェックできます。


図24 チャート表示 図24 チャート表示

コラム メンバーの作業時間を記録する時間トラッキング

Redmineには、時間トラッキングの機能があります。時間トラッキングとは、各タスクのメンバーの作業時間を入力し、作業時間がどのくらいかかったか記録しておく機能です。

時間トラッキングを利用するには、プロジェクトのモジュールの設定で[時間トラッキング]にチェックを入れ、[管理]→[プラグイン]→[Backlogsの設定]で、かんばんのタイムログにチェックを入れます。

図25 モジュールの設定 図25 モジュールの設定
図26 かんばんのタイムログの設定 図26 かんばんのタイムログの設定

かんばんのタイムログを有効にすると、タスクを編集する際に、下記のように作業時間と作業担当者を入力できるようになります

図27 かんばんのタイムログを有効にしたときのタスク編集画面 図27 かんばんのタイムログを有効にしたときのタスク編集画面

それは、あなたたちが決めることです

まいん

これでRedmineとBacklogsを利用したスクラム開発の実践について、一通り説明したよ。でも、実際にやってみて自分のチームに合わない部分もあるのと思うから、みんなのチームに合うように変えながらやってみてね


ぷりん

チームに合うようにかー。いろいろな書籍や記事を読んでいくと、「こうしろ、ああしろ」と書いてあるけど、どうするのが一番いいのかなー?


亜琉美

アジャイル開発で重要なのは、最初に決められた通りにやることではなく、常にチームが良くなるように改善しながら開発を続けていくことです。「どうやって開発するか」「どうやれば今のチームにとってベストか」それは、あなたたちが決めることです



ホームワーク!
ぷりん

ここまで来たら、後は実践するだけね。実際にプロジェクトのバックログを作成して、プロジェクトで使ってみてね。百読は一見にしかずよ。がんばってね!!


著者紹介

文:認定スクラムマスター 岡本隆史

イラスト:本橋ゆうこ



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