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» 2012年04月20日 00時00分 公開

エンジニアなう(2):エンジニア座談会「俺、給料これだけ下がったぜ!」

現場を知るエンジニアならではの「ぶっちゃけトーク」レポートをお届けします。ポジティブ&ネガティブな本音が盛りだくさん!

[Engineer factory]

                 第1回

※本記事は、「Engineer factory」のコンテンツを一部@IT表記に統一した上で、許可を受けて転載するものです。

 エンジニアとして働くことには、やりがいがある。けれど、頑張った分の「報酬」も欲しい!

 仕事への情熱も、給料あってのこと。理想だけで社会を生き抜いていくことは到底できない。とはいえ、リーマンショック以降、日本経済はまだまだ厳しい状況が続いている。Web業界やソーシャル業界など、IT業界の一部は盛り上がりを見せているが、悪戦苦闘しているエンジニアは、まだまだ依然として多い。

 今回はそんな不景気・不況を笑って乗り切ろうという企画である。つらい、つらいと嘆いていたって仕方ない! 現役エンジニア5名の有志を集め、「俺、給料これだけ下がったぜ!」というお題で討論会を行った。

 なお、お題がお題だけに、しらふでの進行はとてもではないが、無理。某居酒屋を会場に、ほどよくアルコールを入れつつ打ち解けた雰囲気で、彼らに思い切り、自身の境遇を語ってもらった。司会はアイム・ファクトリーのコンサルタント、袖山亜希子が担当する。

お給料、どれぐらい減りましたか?

 夜はこれから、という時間帯に集まってもらったエンジニアの皆さん。最初こそは緊張した雰囲気があったものの、お酒が入って話し出せば、さすが同業者の気安さで打ち解けた雰囲気に。口も滑らかに回り始めたころを見計らって、座談会はスタートした。

――さて、今日は「給料下がったぜ座談会」ということでお集まりいただきましたが……まずは、こんなテーマの座談会に参加していただき、ありがとうございます。伸び悩む企業が多い中、やはりエンジニアの皆さんにも報酬面などで影響はありましたか?

C村氏 ありました。僕の場合はもろにリーマンショックの影響を受けましたね。勤めていたのが外資系の会社だったこともあり、事件以降、急速に仕事が減りました。そして数カ月後には自主解雇の話までされて……そこで辞めていった仲間も大勢いました。

D田氏 ウチも似たようなものですね。仕事がないから、プログラマが余ってしまうわけです。回復するかとも思ったけれど結局、状況は上向かなかったですね。私自身も開発の仕事がなくなって、毎日テスターばかりやる日々でした(苦笑)。

A川氏 私の場合、当時所属していた会社ではそれほど影響がなかったですね。もともと大手の2次受けが多かったので、プロジェクトが大きかったこともあって、簡単には仕事がなくならない環境でした。ただ、予算が削られる傾向はありましたが……私の報酬にまで直接、響くことはなかったですね。

――うわあ、そういうところもあるんですね。やっぱり大手がついてると強いものなんでしょうか。

A川氏 いやいや、この話にはオチがありますから。仕事はあるし報酬にも影響はないけれど、業務は常にデスマーチ状態。むしろ、仕事減ってくれ! みたいな状態でした(笑)。

D田氏 それは……うらやましくないなあ(苦笑)。

減収の理由もいろいろあるのですね

 収入が減ったことをテーマに集まってもらったものの、どうも話している表情には違いがある。比較的すっきり「減っちゃいましたけどね」という雰囲気の人もいれば、ちょっと深刻な雰囲気の人も。お酒も回ってきて、聞きづらいことも聞ける雰囲気になったところで、深い理由までつっこんでみた。

――直接的に報酬に関わってくるかどうかはともかく、影響はやっぱりあったんですね。ところで、この座談会は「給料下がったぜ」がテーマなわけですが、A川さんはなぜここに?

A川氏 それは、報酬が下がったからですよ(笑)。実は、以前より報酬の低い会社へと転職してしまいました。

E木氏 え、なぜ?

A川氏 もっと良い環境で働きたいと思ったからです。前の職場は小回りがきかなくて、お客さんの要求に応えられないことが多かったんですよ。私としては全力でお応えしたいのに、上司からGOが出ない。あまりのもどかしさに、だったら小回りのところへ行こう! と思ったわけです。

――前向きな減収だったわけですね。いくらくらい減ったんですか?

A川氏 年収で、約100万円近くですね。転職する前から分かっていたんですが、それでもやりたいことを優先して、転職を決意しました。

B山氏 私も似た感じで、やりたいことをやるために転職した結果としての減収です。以前は大手メーカーの情報システム部門に所属していましたが、そこは直接、開発は行わないというスタンスだったんです。技術系の自分にはそれがたまらなくて、もっとバリバリ開発に携わりたいと思って転職しました。約80万円近い減収ですが、今の職場の方が、やりがいありますね。

E木氏 なんだかお2人とも、うらやましいですね。自分は失敗パターンです。独立起業した友人に引っ張られて転職しましたが、これがあまりうまくいかず……滑り出し当初こそ、そこそこの年収があったものの、今はほぼゼロにまでなってしまいました。転職というより起業失敗ですよね。自分も経営に参加していただけに、単純に収入が減ってがっかりというより、責任も感じます。今は転職活動中。この悔しさを糧にしたいです。

――ひとくちに年収が減ったといっても、さまざまな状況があるんですね。原因もさまざまだし、その結果どういう気分なのかも全然違う。

D田氏 実は私も現在、年収ゼロです。自分だけかと思ってちょっと言い出しづらかったんですが……私も、以前の状況が良いとはとても思えなかったので、転職に踏み切りました。これで成功していればA川さんやB山さんみたいになれたんでしょうけど、実際はなかなか……。世の中不景気なせいか、あまり良い職場が見つかっていません。

C村氏 私も転職活動中ですよ。一緒に頑張りましょう(笑)。自分は一応まだ働いているんですが、もう辛うじて解雇を免れている、という状態なんです。報酬は激減して、ピークと比べると約半分、およそ200万円の減収ですよ。

――あぁ、皆さんの悲喜こもごもをうかがっていると、なんだか飲まずにはいられませんね。さあ、皆さんも飲んでうさを晴らしてください!

情熱を最優先! 年収は後からついてくる!?

 言いづらいことも打ち明けた「ぶっちゃけトーク」で、参加者間に親密さが漂ってくる。終盤には、人づきあいが苦手な人が多いと言われるエンジニアの集団とは思えないほど、親しげな雰囲気で盛り上がった。

D田氏 私は今、ドン底ともいえる現状ですが、A川さんやB山さんのようなポジティブなご意見をうかがっていると勇気が湧きます。社会的に景気が悪いから自分も上に行けないんだ、なんて下を向いちゃダメですよね。

C村氏 年収減ってもやりたいことを、って格好いいなあ。もう、今の低収入をなんとかしたい、ってばかり考えていましたから。

B山氏 私だって、社会人として年収が多いに越したことはないとは思いますよ。でも、我慢して自分のスタイルに合わない職場でお金にこだわるよりも、たとえ報酬が少なくても、仕事に打ち込める仕事をしていた方が楽しいですしね。

A川氏 まったく同感です。自分の場合は技術屋志向というか、プロジェクトがうまくいったときの達成感やお客さんの喜ぶ顔を見るのが大好きなんです。そのやりがいがないと、モチベーションが保てないんですよ。そうすると、年収よりやりがいが一番かな、と。

E木氏 やりたいことができて、やりがいもあって……やっぱり収入が伴って欲しいですよね。ある程度は。難しいのかなあ、両立って。

A川氏 それが、両立できそうなんですよ。自分の話で恐縮なんですが、今の仕事がお客さんに好評なので、来期の査定が大幅に上がると上司から話をもらいました。やっぱり、こういうのも素直にうれしいですね。

D田氏 おおお! やりたいことと収入の両立って、理想じゃないですか!

――なんか、すごく良い話ですよね! 勇気が湧いてきました!

E木氏 なんだかそういう話を聞くと、奮い立つというか、ゾクゾクしてきます。報酬優先も悪くはないですが、仕事への情熱が伝われば報酬は勝手についてくるみたいな。正直、起業がうまくいかなくて気分的に落ち込んでいたのですが、僕だってやってやるぞ、みたいな気持ちが湧いてきました!

C村氏 なんというか、ぱーっと雲が晴れたような気分です。転職活動って、どうしても報酬ベースというか、そういうところに捕らわれがちになっちゃうじゃないですか。でも、ちゃんとやりたい仕事で成功する方法もあるんだ、って。実は、打ち込みたい仕事を探すことを第一にすることが、人生で一番大事な気がします。

――エンジニアの皆さん、団結していますね! 同じ仲間同士だから語り合える部分もあるということで、もっとジャンジャン飲みましょう!


 この後も座談会は大いに盛り上がり、エンジニアの本音トーク満載に。都合上、すべてのエピソードはお届けできないながらも、不況下で闘うエンジニアたちの悲喜こもごもな本音を垣間見ていただけたのではないだろうか。

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