連載
» 2012年06月11日 00時00分 公開

基礎から分かるMicrosoft Virtual Academy(5):クイズを解きながら、Windows Server 2012を理解する (1/2)

マイクロソフトが提供している無償のオンライントレーニングサイト「Microsoft Virtual Academy(MVA)」の基礎を解説。

[安納順一,日本マイクロソフト]

クイズを解きながら、Windows Server 2012を理解する

 オンライントレーニングサイトMicrosoft Virtual Academy(MVA)の問題を解きながら、「意外と知られていないマイクロソフトテクノロジ」について紹介する連載は、今回が最終回です。テーマは「Windows Server 2012」

 現在リリースしている「Windows Server “8”(ベータ版)」は、正式名称「Windows Server 2012」のコードネームです。今回は、正式名称である“Windows Server 2012”という言葉を使って解説します。

Windows Serverが目指す姿

 マイクロソフトは長い年月をかけてWindows Serverを時代に合った形に作り変えてきました。中には「こんな機能どうなのよ」と思われるものも含まれていたかもしれません。

 事実、あまりにも概念先行のテクノロジであるため、用途が理解しづらく、現場で使われていない機能が存在するのは事実です。そうした機能は順々に整理され、やがてGUIに統合されていくという流れに乗るでしょう。逆に、他社の後追いとなってしまった機能もあります。

 いずれにしても、Windows Serverが目指すのは、「そのときに時代が求めていて(それがすでに他社が実現しているテクノロジであればなおさら)、かつ、その先の変化を見据えたインフラストラクチャ」です。

既存インフラのクラウド化を推進する

 Windows Server 2012は何を提供したいと考えているのか――多くの人が想像するとおり、「既存インフラのクラウド化」です。

 ここで言うクラウドとは、Windows Azureや Amazon Web Servicesといったパブリッククラウドだけにとどまりません。どちらかと言えば、プライベートクラウドの方に重点を置いていると言ってもよいでしょう。

 規模的にはパブリッククラウドの方が大きいですが、既存インフラを完全にパブリッククラウドに移行するには、足りない仕組みや機能が多すぎます。とはいえ、現場では、パブリッククラウドが持つ俊敏性や集約性を欲していることに変わりはありません。


 そこで、マイクロソフトは“オンプレミスのインフラストラクチャに、パブリッククラウドと同様の特性を持たせる”ことを推奨しています。つまり、「リソースプール」「セルフサービス」「柔軟性」「使用量ベース」という基本的な土台による「集約性」「俊敏性」「経済性」の実現です。

 パブリックとプライベートが同等の俊敏性を持ち、互いに連携させつつ(ハイブリッドクラウド)、徐々にプライベートからパブリッククラウドに移行する、という方向が現実的でしょう。Windows Server 2012には、従来のOSをベースにこれらの思想を実現するための仕組みや機能が加えられています。

Windows Server 2012が実現する機能を選択せよ

 さて、問題を解きながら、具体的に見ていきましょう。

【問題1】

 Windows Server 2012は、IT の最適化においてどのような役割を果たしますか? 該当項目をすべて選択してください。

a.プライベート クラウドの構築に有用な、動的なマルチテナント型のインフラストラクチャを提供する

b. 可用性が高く管理が容易なマルチサーバ プラットフォームを統合し、優れた経済性を提供する

c.社内設置環境、クラウド環境、ハイブリッド環境において一貫したツールとフレームワークを使用し、アプリケーションを構築/展開するための柔軟な基盤を提供する

d.単体で完全なエンドツーエンドのクラウド ソリューションを提供し、他の製品を併用する必要がない


 正解は、a、b、c です。

 マルチテナントをサポートするWindows Server 2012の重要な機能の1つが、Hyper-Vの「仮想スイッチ」の拡張です。

 簡単に言ってしまうと、従来のHyper-Vでは、仮想ネットワークアダプタと物理ネットワークアダプタを関連付けて、仮想マシン上からの通信を可能にしていました。しかし、これでは、複数のテナントを分離して収容しなければならないホスティングサービス環境において、セキュリティ上の問題を抱えることになります。

 そこで、新しいHyper-Vでは、仮想スイッチごとテナントを分離することで、完全なプライベートVLANを実現させました。これまでにも、仮想スイッチ上でのタグ付きVLANはサポートされていましたが、今回の拡張により、はるかにマルチテナント環境の設計が容易になりました。この他、DHCP ガードやルータのアドバタイズガード、そしてポートミラーリングによるトラフィックの監視なども新しくサポートしています。さらに、複数の仮想ネットワークアダプタをチーミングすることもできるようになりました。

 なぜd.が不正解なのでしょうか。Windows Server 2012は確かにプライベートクラウドの基盤として最適化されていますが、プライベートクラウドの構築に必要な機能をすべて単独で提供しているわけではありません。

 プライベートクラウド基盤を構築するには、他にSystem Center 2012が必要です。System Center 2012については下記のMVAコースで学習できます。

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