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» 2012年09月28日 00時00分 公開

System Center 2012を試そう(4):System Center 2012における「クラウド」の概念と運用 (1/4)

米マイクロソフトはSystem Center 2012を2012年4月に正式リリースした。日本でもこの製品の本格展開が始まり、ユーザーに向けた評価版ダウンロード提供も、5月11日に開始されている。本記事では、System Center 2012が最終的にどのような製品になっているのか、同製品のサーバ/データセンター管理機能の概要を紹介し、評価版をダウンロードして構成する手順についても示す

[森友祐,ネットワールド]

 前回の記事ではSystem Center 2012 Virtual Machine Manager (以下SCVMM)に設定したホスト上で仮想マシンを作成し、それを元にテンプレートを作成するまでの流れについて紹介してきた。本記事ではSCVMMに新機能として存在する「クラウド」の概念、機能及びSystem Center 2012 App Controller (以下SCAC)上で見たクラウドの管理画面について、以下の流れで紹介する。

本記事の流れ

  • クラウドの概念
  • クラウドの作成
  • クラウドの割り当て
  • テンプレートを利用した仮想マシンの展開
  • SCACからのクラウドの操作

クラウドの概念

 SCVMMの「クラウド」とは、今回のバージョン2012から行えるようになったプライベートクラウドのリソースを論理的に管理できる単位のことである。この機能により例えば営業部クラウド、技術部クラウドなど独自の単位で作り出し、それぞれのクラウド単位で仮想マシンやライブラリやネットワーク、容量などのリソースの管理を行うことができる。図1はプライベートクラウドの中でのSCVMMのクラウドをイメージしたものである。

図1 クラウドイメージ

 例えば企業で部署ごとに忙しい時期が異なる場合、クラウドを部署ごとに作成し、それぞれのリソースを一時的に忙しい部署に集中させることによりパフォーマンスのバランスを柔軟に保つ、といったプライベートクラウドのメリットをより強化した運用が可能になる。また前回の記事で紹介したVMテンプレートやサービステンプレートを利用したアプリケーションの実装を組み合わせて仮想マシンの展開を行っていくことにより、仮想環境の構築もより容易にできる。

 さらにSCACを利用することで、SCVMMに構築したプライベートクラウドの環境とマイクロソフトのパブリッククラウドであるWindows Azureの一元管理が可能になる。

 以上のようにSystem Center 2012ではハイブリッドクラウドの管理においても実現できることの幅が大きく広がっており、プライベートクラウド環境におけるSCVMMのクラウドの機能も、今後より重要性が増してくると考えられる。

クラウドの作成

 では実際のSCVMMを使ったクラウドの活用事例を紹介していく。まずはクラウドの作成手順について記述する。検証は前回記事を掲載した際と同一の環境で行った。

図2 クラウドの作成

 VMMコンソールを管理者で開き、[VMとサービス]-[クラウド]を右クリックし、[クラウドの作成]をクリックする。

図3 全般 図3 全般

 クラウドの名前を入力する。今回は実際に企業で使用される場面を想定し、[営業部クラウド]とした。

図4 リソース 図4 リソース

 リソースの対象とするホストの選択がホストグループ単位で選択可能である。割り当てたいホストグループが複数ある場合は、必要に応じて選択する。

図5 容量 図5 容量

 その他のリソースとして、論理ネットワークからライブラリまで設定したい場面に応じて必要なリソースを任意で選択する。「容量」ではクラウドで使用するCPU、メモリ、記憶域などの容量を制御することができる。容量の設定はクラウド作成時でも行えるが、クラウド作成後にプロパティからも変更可能であり、環境の変化に応じて設定を自由に変更できる。この設定変更は、有効な権限を持っていれば管理者でなくても可能である。本環境では図のような値の容量を選択した。

図6 機能プロファイル 図6 機能プロファイル

 仮想化ホストに応じて機能プロファイルを選択する。また複数の機能プロファイルを割り当てることも可能であり、異なる仮想化ホストを同じクラウドに割り当て、クラウド単位での統合管理も可能である。本環境ではあらかじめ作成したHyper-Vホストの機能プロファイルを選択した。サマリー表示後、[完了] をクリックするとクラウドが作成される。

 注意点として、利用したい仮想化プラットフォームに応じてホストを選択し、それに応じた機能プロファイルを選択、状況に応じたリソースの割り当てを行う必要がある点が挙げられる。例えばホストとしてHyper-Vのみを選択する場合であればHyper-Vのみのホストで良いが、Hyper-VとVMware ESXを選択したい場合はその両方の機能プロファイルを選択する必要がある。またその他のリソースに関しては論理ネットワーク、ロードバランサの割り当てや容量になど様々な項目が存在するので、これらの要件を加味し、環境や利用用途に応じた設計を行っていく必要があると考えられる。

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