特集
» 2012年12月25日 00時00分 公開

ITで日本を元気に:学生よ、ITで日本を元気にしてくれ! (2/2)

[加山恵美,@IT]
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IT業界の変革は、学生にもITエンジニアにも大きなチャンス

 テクノロジー塾にサポーターとして参加したアクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 テクノロジーアーキテクチャ グループ シニア・マネジャーの田畑紀和氏は「受講生は非常によく勉強していますね。講師の質問にも的確に答え、びっくりしてしまうほどです。自分が十数年前に入社したころと比べ、知識量が多い」と笑う。

 受講生は今後IT業界で、田畑氏の後輩になるかもしれない。彼らに、そして若手エンジニアに、学んでほしいことや伝えたいことはあるだろうか。

 田畑氏は「IT業界は今、変革期にあります。このチャンスを生かしてほしい」と指摘する。近年ではグローバル化が加速し、テクノロジの進化は業界構造をも変えようとしている。例えばクラウドは開発の量や時間を縮小させる。もう生産したコードの量や費やした時間で成果を測る時代ではなくなってきた。

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部<br>テクノロジーアーキテクチャ グループ シニア・マネジャー田畑紀和氏 アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部テクノロジーアーキテクチャ グループ シニア・マネジャー田畑紀和氏

 かつてのIT業界は、人手で行っていた業務のシステム化など、何らかの課題を解決し、ビジネスとしてきた。しかしそれだけではITビジネスはもたない。課題のないところに新たなビジネスを生むという自由な発想が今後重要になる。

 発想の転換が必要だ。いかにITで新しいビジネスを生むか。いかに潮流を捉え、イノベーションを起こしていくか。経営にインパクトを与えるテクノロジをいかに業務に当てはめていくか。課題は尽きない。そのような変革期は「若い人にとっては非常に大きなチャンス。ぜひ今までにない発想を持って臨んでほしいですね。テクノロジが社会を変えるのは間違いないので」と田畑氏は力を込める。

 サポートに入ったグループワークで、田畑氏は受講生たちに「発想の飛躍」を促した。「これまで思いもしなかったことができてしまう、それがITの本来の面白さ。『そんなのできっこないよという内容でも全然構わないから、大いに想像を膨らませてほしい』。受講生たちにはそう伝えました」

日々のプロジェクト業務で磨けるリーダーシップ

 今回の和魂偉才塾をきっかけにして、受講生がリーダーシップを身に付け、実践できるようになるにはどうしたらいいだろうか。「もちろん4日間の塾だけでは、一朝一夕ではできませんよ」と仙波氏は笑う。

 「まずは意識すること。『これが重要だ』と意識して日々を過ごし、自分の過去の行動と照らし合わせて必要な部分を把握することが大事です。それも若いうちからの方がいいです」と、仙波氏は早い段階から意識しておくことの必要性を説いた。サークル活動など、日常の生活で直面する出来事を通じ、意識し続けることが重要だという。

 田畑氏は、それは学生に限らず、ITエンジニアにも重要な観点だと語った。「プロジェクトに関わる人は皆、日常の業務の中できちんとリーダーシップを発揮することが重要」という。

 「プロジェクトは、実はリーダーシップを磨くのにとてもいい機会なのです」と田畑氏は話す。リーダーシップの発揮とは、方向を決めて自ら意思決定を行うことであり、プロジェクトでは日常的にその鍛錬を行えるのだという。「プロジェクトの現場では、日々意思決定の場面に遭遇するはずです。入社1年目の人も5年目の人も、それぞれのレベルで意思決定を行う必要があります。方向を決めること、状況を見て判断すること、これらを意識的に実践し続けることで、リーダーシップを磨くことができるはずです。与えられた仕事をしているという意識では、本当にもったいない」

 ただ漫然と業務を行うのではなく、意識しながら取り組めば成長につながりやすい。「コードを1行書くにしても、それは単なる仕事ではない。『この1行が顧客企業のより良いビジネスの一歩になる』と意識することが大事です。日常業務もそういう視点で捉えてほしいですね」

強みを組み合わせて自分なりの“とんがり”を

 IT業界を目指す学生や、若手エンジニアのキャリア形成について、仙波氏は「自分の強みを知り、組み合わせることで自分なりの“とんがった”部分をつくる」ことの重要性を挙げた。「日本の教育は比較的ゼネラリスト志向で、若い人もゼネラリスト志向が強いと感じます。しかし海外にはスペシャリストが多く存在します。今後グローバルでタレント(才能)を発揮することを考えると、もう少し専門性を追究すること、自分の強みは何かを意識することが必要だと思います」と話す。

 「強みを意識すると、『今後はこういう強みをつけよう』という考え方ができ、それを積み重ねることでキャリアが築けます。強みを組み合わせると、より“とんがった”強みが生まれます」。例えば「Java」「医薬品業界」「SCM」など、技術や業界、分野ごとに得意なものを組み合わせることで、自分の価値を高めることができる。

 強みを組み合わせるという考え方で、技術のはやり廃りにも対応できる。「持っているスキルが旬のものではなくなってしまっても、また新しい技術を結び付け、同時に他業界など別の軸を持つことで、高い価値を保つことができます」

 より“とんがる”には、人が選ばない道を選ぶという果敢さも重要だ。「『新し物好きの人がIT業界に向いている』というのは、人がしないことをするのが時には必要だからです」と田畑氏は指摘する。「人がしないことをする、それ自体もリーダーシップです。まったく新しいものに挑戦する人がどんどん増えると、日本も元気になるしIT業界も元気になると思います」

 和魂偉才塾は、現時点では来年も公開する予定とのことだ。今後、リーダーシップの基礎を身に付けた若手がIT業界に増え、業界全体や先輩エンジニアに好影響を与え、日本をより元気にしてくれるかもしれない。

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