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» 2019年06月11日 05時00分 公開

Google Chrome完全ガイド:外出先からPCをWebブラウザで遠隔操作、「Chromeリモートデスクトップ」入門 (1/2)

Google Chromeには、拡張機能としてリモートデスクトップが利用可能になる「Chromeリモートデスクトップ」が提供されています。Chromeリモートデスクトップを利用することで、別のPCからWebブラウザを使って、手軽にインターネットを介したリモートデスクトップ環境が構築できます。ここでは、その設定方法などを紹介します。

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]

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連載目次

Chromeリモートデスクトップとは

 スマートフォンのテザリングや公衆無線LANなど、外出先でもPCをインターネットに接続できる手段が手軽に利用できるようになっています。VPN(Virtual Private Network)などの接続環境が整っていれば、Windows OSのリモートデスクトップ機能を使って社内PCのデスクトップも操作可能です。

 このように外出先でも、社内にいる場合と同様に仕事ができる環境が整いつつあるわけですが、実際にはVPNの設定がハードルになってしまうことが多いという話を聞きます。外出先から社内のPCにリモートデスクトップで接続して作業を行いたいと思っていても、社内ネットワークに接続するためのVPN環境が整っておらず、断念している人も多いのではないでしょうか。

 こうした人向けに、VPN接続をしなくてもインターネットを介してリモートデスクトップ接続できる「LogMeIn」や「TeamViewer」などのツールがあります。

 同様のツールとして、GoogleのWebブラウザ「Google Chrome(以下、Chrome)」の拡張機能として「Chromeリモートデスクトップ」が提供されています。

 操作されるPC(リモートデスクトップのホスト側)に拡張機能の「Chromeリモートデスクトップ」をインストールするだけで、簡単にリモートデスクトップ環境を構築できます。Windows OS/macOS/Linux/Chromebookの各Chromeに対して「Chromeリモートデスクトップ」が提供されており、AndroidとiOSに対してはクライアントとなるアプリが提供されています。

 以前のChromeリモートデスクトップでは、クライアント側のChromeにも拡張機能を追加する必要がありました。最新のバージョンでは、WebRTC(通信プロトコルの一種)に対応したChromeやFirefoxなどの「新しいWebブラウザ」であれば、拡張機能などを必要とせずにリモートデスクトップ接続が可能となっています。

Chromeリモートデスクトップの接続方法 Chromeリモートデスクトップの接続方法
Chromeリモートデスクトップは、GoogleアカウントでログインしたWebブラウザを起動し、「remotedesktop.google.com」に接続、ホスト側で設定されているPINを入力するだけで接続することができます。

 一方、システム管理者としては、Chromeの拡張機能としてリモートデスクトップが利用可能になってしまうため、情報漏えいなどの対策を考慮する必要があります。そこで本稿では、Chromeリモートデスクトップの設定方法に加えて、そのブロック方法などについても説明していきます。対象プラットフォームはWindows OSとします。

ChromeとGoogleアカウントの準備

 Chromeリモートデスクトップを利用するためには、Googleアカウントの作成とホスト(操作される)側にChromeのインストールが必要になります。Chromeのインストール方法や基本的な使い方は、Google Chrome完全ガイド「Google Chromeのインストールから基本的な使い方まで」を参照してください。

 Googleアカウントは、GmailやGoogleカレンダーなど、Googleが提供しているさまざまなサービスにアクセスするために必要となるものです。Googleの検索ページ右上にある[ログイン]ボタンをクリックし、次ページの右上にある[アカウントを作成]ボタンで、新しいアカウントの作成が可能です。手順の詳細は「Chromeの同期にはGoogleアカウントが必須」を参照してください。

 また、クライアントとホストには、共通のGoogleアカウントでログインしている必要があります。

Chromeリモートデスクトップのホストとして設定する

 Googleアカウントが用意できたら、ホストのPCに必要な設定をしましょう。

 Chromeリモートデスクトップを利用するには、前述の通りホストとなるPCのChromeに「Chromeリモートデスクトップ」の拡張機能をインストールする必要があります(すでに以前のバージョンをインストール済みの場合は以降のホスト側の設定は不要)。

 また「Chromeリモートデスクトップ」の拡張機能をインストールすると、Chromeリモートデスクトップのサーバとなるソフトウェア「Chrome Remote Desktop Host」もインストールされます。どちらも、この後に説明する手順に従えば簡単にインストールできます。ただし、Chrome Remote Desktop Hostをインストールするには、ホスト側PCのWindows OSの管理者権限が必要です。

 さて、まずはホスト側のChromeで以下のURLを開きます(Chrome以外のWebブラウザでは、この後の設定ができません)。

 画面中央の[使ってみる]ボタンをクリックして、Googleアカウントでログインすると、「リモートのデバイス」「このデバイス」という2つの欄が表示されます。このPCをホストにするには、「このデバイス」欄にある「リモートアクセスの設定」のダウンロードボタンをクリックして、拡張機能と「Chrome Remote Desktop Host」をインストールします(Chrome以外のWebブラウザでは、「リモートアクセスの設定」の項目は表示されません)。

「chromeリモートデスクトップ」ページを開く(1) 「chromeリモートデスクトップ」ページを開く(1)
Chromeで「remotedesktop.google.com」を開きます。画面をスクロールして、[使ってみる]をクリックします。
「chromeリモートデスクトップ」ページを開く(2) 「chromeリモートデスクトップ」ページを開く(2)
Googleアカウントでログインします。
「chromeリモートデスクトップ」ページを開く(3) 「chromeリモートデスクトップ」ページを開く(3)
すでにこのGoogleアカウントでChromeリモートデスクトップのホスト側に設定しているPCがある場合は、「リモートのデバイス」にホストのPC名が表示されます。起動しているホストの場合は、アイコンが緑色で表示されます。

 クライアントとして利用する場合は、ここでホストとなるPC名をクリックするだけで接続できます(詳細は後述)。しかし、Chromeリモートデスクトップのホストには、Chromeの拡張機能だけではなく、各OS上にネイティブなソフトウェアのインストールが求められます。それには、画面をスクロールして、「リモートアクセスの設定」欄の[ダウンロード]アイコンをクリックします。

 その後は、指示に従って拡張機能のインストールや「Chrome Remote Desktop Host」のインストールを行い、ホストとするための設定を行います。

Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(1) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(1)
GoogleアカウントでログインしたChromeで「remotedesktop.google.com」を開き、「chromeリモートデスクトップ」画面が開いたら、画面をスクロールします。「リモートアクセスの設定」欄の[ダウンロード]アイコンをクリックします。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(2) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(2)
別ウィンドウでChromeウェブストアが開きます。ここで、[Chromeに追加]ボタンをクリックします。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(3) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(3)
[拡張機能を追加]ボタンをクリックし、Chrome Remote Desktopの拡張機能をインストールします。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(4) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(4)
拡張機能のインストールとともに、「chromeremotedesktophost.msi」がダウンロードされます。ここで[同意してインストール]をクリックします。chromeremotedesktophost.msiが実行され、「Chrome Remote Desktop Host」がインストールされます。ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示されたら、Windows OSの管理者権限で許可を与えてください。

 「名前の選択」で、このGoogleアカウントで「remotedesktop.google.com」に接続した際に表示されるPC名を指定します。

 次に、「PIN」と呼ぶ一種のパスワードを6桁以上の数字で設定します。GoogleアカウントとPINの2つでセキュリティを確保しているわけです。逆に言えば、Googleアカウント(アカウント名とパスワード)とPINが分かってしまうと、簡単にリモートデスクトップのホストに接続できてしまいます。PINが接続するための重要なパスワードということになるため、PINは類推されにくいものを設定しておきましょう。

Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(5) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(5)
接続時にこのPCを識別するための名前を入力します。デフォルトでは、Windows OSに設定されている「コンピューター名」になっています。「会社PC」「自宅ノート」など分かりやすい名称を付けられます。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(6) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(6)
6桁以上のPINを入力します。これは接続時に必要なので、他人に知られないように覚えておいてください。[起動]ボタンをクリックすると、UACダイアログの表示と許可を経て、Chromeリモートデスクトップのホスト側プログラムが起動し、別のPCからこのPCへの接続が可能になります。
Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(7) Chromeリモートデスクトップのホストに設定する(7)
Chromeリモートデスクトップが起動すると、「このデバイス」欄にPC名が表示され、その下に「オンライン」と接続可能であることが示されます。

 PINの設定が完了すると、設定したPC名が「このデバイス」に表示されます。同じGoogleアカウントでログインしている他のPCで、「remotedesktop.google.com」に接続すると、このPC名が「リモートのデバイス」表示され、リモート操作が可能になります。

ホスト側のChromeの常駐は不要に

 前バージョンのChromeリモートデスクトップでは、ホストとなるPCでChromeを常駐させておく必要がありました。新しいバージョンのChromeリモートデスクトップでは、Chromeの常駐が不要になっています。

 ホスト側のPCには、サービスとして「Chromeリモートデスクトップサービス(chromoting)」が自動実行され、このサービスによって外部からの着信を受け付けるようになっています。

 そのため、何らかの理由により、「Chromeリモートデスクトップサービス」が停止してしまっていると、外部からの着信が行えなくなってしまいます。Chromeリモートデスクトップで接続できないような場合は、Windows 10のタスクバーの空いている部分を右クリックし、メニューから[タスクマネージャー]を選択します。タスクマネージャーが起動したら、[サービス]タブを開き、「chromoting」が実行中であることを確認しましょう。

「Chromeリモートデスクトップサービス」が実行中であることを確認 「Chromeリモートデスクトップサービス」が実行中であることを確認
外部からの着信は「Chromeリモートデスクトップサービス」で行っている。このサービスを「停止」させると外部からChromeリモートデスクトップの接続が行えないので注意したい。

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