VMAXをサービスレベルでブロック化して提供、EMCジャパン即座にサービス開始できることが目的

EMCジャパンは3月19日、同社ストレージ製品「EMC VMAX」の新たなパッケージプログラム、「EMC Symmetrix VMAX Cloud Edition」を発表した。これは、ハイエンドクラウドサービス事業者や大規模企業内クラウドに、サービスレベルと容量の組み合わせを買ってもらうという新たな販売形態。面倒なチューニングなしに、即座にサービスを提供できることをウリにしている。

» 2013年03月21日 15時30分 公開
[三木 泉,@IT]

 EMCジャパンは3月19日、同社ストレージ製品「EMC VMAX」の新たなパッケージプログラム、「EMC Symmetrix VMAX Cloud Edition」を発表した。これは、ハイエンドクラウドサービス事業者や大規模企業内クラウドに向け、ハードウェアそのものよりも、サービスレベルと容量の組み合わせを買ってもらうという新たな販売形態。また、Cloud Editionではストレージ導入後即座にサービスを提供できるよう、セルフサービスポータル機能も提供する。

 VMAX Cloud Editionは、ハードウェアに関しては従来製品とまったく変わるところはないが、サービスレベルと容量の組み合わせでブロック的な価格体系としたのが大きな特徴。ユーザー組織は、求められるサービスレベルと容量に応じて、各種ブロックを組み合わせて購入する。導入後の追加購入に関しても、このブロック単位で行う。

サービスレベルと容量のブロックを積み重ねていく形

 VMAX Cloud Editionでいう「サービスレベル」とは、ギガバイト当たりのIOPS。「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4クラスに分かれ、さらに各クラスで複数のIOPSレベルに応じたブロックが提供される。

 各ブロックの実体は、EMCの自動階層管理機能「FAST VP」を適用した各種記憶媒体の組み合わせと、ファイバチャネルポート、(ブロックによって)コントローラだ。各クラスには目安のIOPS/GBが設定されている。ただし、これはあくまでも目安であり、EMCがIOPSを保証するわけではない。結局のところ各ブロックは特定のハードウェア構成と1対1で紐付いている。従って、今回のCloud Editionは、IOPS/GBと容量のみに基づく価格体系への移行に向けた第一歩、といういい方ができそうだ。それよりも、ユーザー組織が手間と時間を掛けることなく、事前にパフォーマンスチューニングされたストレージを導入して、即座にこれをサービスとして投入できることをウリにしている。

 加えてVMAX Cloud Editionでは、ストレージに対する初期投資を抑えられるメリットがあるという。通常のシャーシ型ストレージ購入では、シャーシ、コントローラ/管理プロセッサなどを最初に購入しなければならないため、初期購入コストが大きくなる。一方、Cloud Editionでは、各ブロックの価格が初期購入の場合も追加購入の場合も同一。すなわち、必要とするIOPS/GBと容量に、ストレージコストが完全に比例することになる。

 VMAX Cloud Editionでは、手間を掛けずに迅速にサービスを提供できるようにするための、もう1つの仕組みとして、セルフサービスポータル機能を用意している。これはエンドユーザーが、複数のサービスレベルから選択して、ストレージサービスを利用できるようにするポータル。この機能をEMCがサービスとして提供するため、事業者は文字どおり即日サービスを提供開始できるという。EMCでは別途、VMAX Cloud Editionとクラウド運用基盤を連携させるためのREST APIとホワイトペーパーも用意している。

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