フラッシュストレージ技術はデータベース高速化でどう使われているかどういう選択基準でフラッシュ技術を選ぶ?

フラッシュ(半導体メモリ)ストレージは、企業におけるデータベースの運用にどのような効果をもたらすだろうか。データベース高速化という目的では、どういう判断基準でどのようなフラッシュストレージ技術が選ばれるのだろうか。

» 2013年03月27日 20時41分 公開
[三木 泉@IT]

 フラッシュ(半導体メモリ)ストレージは、企業におけるデータベースの運用にどのような効果をもたらすだろうか。この用途では、さまざまなフラッシュストレージが、それぞれのメリットに基づいて選択され、実際に導入されつつある。

 この動きを象徴する存在の1つに、日本マイクロソフトが2012年12月に発表した「SQL Server SSD Appliance」がある。パートナーと組んで、SQL Serverを、フラッシュストレージを採用したハードウェアと一体のアプライアンス製品として提供する取り組みだ。発表時には6社6モデルだったが、現在は9社9モデルに拡大。注文のバックログを抱えているパートナーも多いという。

 SQL Server SSD Applianceの基本コンセプトは、ストレージI/Oのボトルネック解消により、パフォーマンスチューニングのための複雑な設計や運用の手間をかけずに、データベースの大幅な高速化を図るということだ。この共通コンセプトに基づいてはいるが、提供されている9モデルで採用されているフラッシュストレージは、PCIeフラッシュ、オールフラッシュストレージ、SSDを搭載した既存ストレージ装置と、バラエティに富んでいる。

 すると自然に浮かんでくるのは、どういう判断基準でどのフラッシュストレージが選ばれているのかという疑問だ。もちろん、SQL Server SSD Applianceはアプライアンスなので、各モデルの価格はサーバ機やSQL Serverのライセンスを含んでいる。このため、ストレージだけが選択基準になるわけではない。しかし、この製品の価格のうち、大きな比率をフラッシュストレージが占めていることは容易に想像できる。従って、単純に価格の安さで特定のモデルが選ばれたとしても、間接的にはフラッシュストレージの価格を考慮した選択だといえるはずだ。

IT INSIDER No.7では、データベース高速化と各種フラッシュストレージ技術の関係について探っています

 このプログラムを推進している、日本マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部 クラウド&アプリケーションプラットフォーム製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャの北川剛氏によると、SQL Server SSD Applianceに興味を持つユーザー企業は、いずれの技術でも、これまでのハードディスクドライブを使ったストレージに比べれば桁違いに高速だということに着目している。このため、細かなパフォーマンスの違いを選択基準とするユーザー組織はあまり多くないという。

 また、データ記憶容量については、どのフラッシュストレージ技術も、テラバイトレベルに達しているため、容量の限界が選択を左右することは以前ほど多くないという。このため、フラッシュストレージ技術にひもづく運用性と、アプライアンスとしての最終的な構成価格が、重要な選択基準になっていることも多いという。

 データベースの高速化と各種フラッシュストレージ技術との関係について、北川氏への取材内容を交え、「データベースとフラッシュストレージの方程式(PCIeフラッシュ、普及への文脈 後編)」にまとめました。ぜひご覧ください(本コンテンツのダウンロードには、TechTarget会員登録が必要です)。

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