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» 2013年03月29日 00時00分 公開

IT業界 転職市場最前線(47):社内SEの求人が増加するも、内定は「狭き門」

不況で冷え込んでいたIT業界の転職市場に、回復の兆しが見え始めている。だが、業種や職種によって採用数や条件に大きな差異が生まれている。転職市場の動向を追い、自身のキャリア戦略立案に生かしてほしい。

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 年間で最も求人数が増加する時期であり、どの業界も総じて採用意欲が高い。新年度を迎える前に優秀な人材を確保しておきたいと考える企業では、採用ハードルを下げたり面接回数を削減したりといった動きが見られ、転職を考える人には追い風の状況が続いている。

インターネット/Web業界

 Web業界では依然として積極的な採用活動が続いており、求人数は自社サービス・受託サービス共に増加した。大阪・福岡を中心に、地方求人も増加傾向を維持している。

Webエンジニア:未経験者を積極的に採用する企業が増加

 Webエンジニアの求人数は増加しており、自社プロダクト/自社サービスの開発と、受託開発の求人比率は半々だった。目に付いたのはポテンシャル枠の増加だ。「実務未経験だが、ITスクールで基礎を学んだ」という人から「実務・知識共にほぼ未経験」という人まで、幅広い層が採用に至った。

Webデザイナー:増加傾向を維持

 Webデザイナーの求人は、前月に続き増加傾向を維持している。中でもECサイトにおける制作の新規求人が多くを占めており、デザインだけでなくバナー制作、画像制作、校正、ライティングなど、幅広い経験が求められている。


クリエイター業界

 女性向けコンテンツの経験者募集が増えている。ECサイト、占いサイト、アパレルサイトからソーシャルアプリ/ゲームまで、女性(特にF1層)をターゲットとしたコンテンツに力を入れる企業が多く、採用にも積極的だ。女性を優先的に採用したいという声が多いものの、男性でも女性向けコンテンツの経験者は高い評価を得られる。

ディレクター・プロデューサー:
PCサイト、モバイルサイトを問わず求人は豊富

 ディレクター・プロデューサーの求人数は豊富で、多くの企業が積極的な採用活動を展開している。しかし選考ハードルは高く、特にモバイル(フィーチャーフォン向け)サイトのみの経験は評価されにくい傾向にある。

デザイナー:求人数全体の約10%を占め、前月から微増

 デザイナーの求人は全体の約10%で、前月から微増した。職種別の内訳は、Webデザイナー・UI/UXデザイン:63%、コーダー・マークアップエンジニア:13%、グラフィックデザイナー:18%となった。グラフィックデザイナーは、少ない求人に希望者が殺到しており非常に採用ハードルが高い。


システム業界

 開発案件の増加に伴い、システムインテグレータ、ネットワークインテグレータが積極的に採用活動を展開している。

業務系SE:高い需要が続く

 メーカーや金融、流通、通信、生保、製造分野におけるシステムの再構築を背景として需要が高い状態が続いている。システム再構築という業務の性質上、高い技術と知識、最善のソリューションを提供できる能力が求められる。分野ごとの専門知識を深められる点に魅力を感じる求職者が多いようだ。

社内SE:採用活動は積極的だが内定までの道のりは険しい

 インフラスキルを求める社内SE求人やヘルプデスク求人を中心に増加している。当月新規で募集を開始した求人は急募のものが多く、積極的に面接を実施する企業が目立った。しかしながら、ほとんどの企業で募集枠が1〜2人と少ないこと、慎重に選考を進める傾向にあること、面接回数が多いことなどから、内定を得にくい状況が続いている。


ゲーム業界

 2月はPlayStation Vitaの価格改定、PlayStation 4の発表といったハード面の話題が世間をにぎわせたものの、採用の面では大きな変化は見られなかった。慎重な採用方針を採る企業が多く、内定までの期間も長期化する傾向にある。全体的に、コンシューマゲーム、オンラインゲームを問わずマルチに活躍できる人のニーズが高い。今後は次世代機発売に伴う業界の変化、ゲーム開発会社がオンライン/スマホ/ソーシャル系へ事業を拡大している点に注目したい。

スマホ・ソーシャルゲーム業界:スピード感のある採用活動を展開

 スマホ・ソーシャルゲーム業界では、新規タイトルのリリース同様、採用活動もスピード感を持って行われている。書類選考の期間を短くしたり、面接回数を削減したりといった工夫をする企業も多く見られた。


営業・その他

 企業の採用活動が活発化し、バックオフィス関連の新規求人は倍増した。特に経理職では3倍増と飛躍的に増加している。増員を目的とした求人がほとんどで、スタッフレベルで業界経験を問わない求人が多く、景気の回復を感じさせる結果となった。営業職では、第二新卒や未経験者をターゲットとした求人が増加している。インターネット広告企業の広告営業や、商品力のあるパッケージソフト(セキュリティソフトや経理ソフトなど)を開発している企業のパッケージソフト営業などは、第二新卒であれば業界未経験可とする求人が多く、営業経験すら不問の求人も見られた。

営業関連職:経験としてニーズが高いのは「法人・新規」

 一口に営業と言っても、そのスタイルはさまざまだ。対象は法人なのか個人なのか、手法は新規開拓なのか既存なのか、自社製品を直接販売するのか代理店を通じて販売するのか。企業によって組み合わせは異なるが、総じて最もニーズが高いのは「法人・新規」の営業である。特にネット業界では、ソリューション営業としてソフトウェア(無形商材)を扱ってきた人が重宝されることが多い。

バックオフィス:ポテンシャル採用が増加

 ポテンシャル採用は全般的に増加し、特に人事の採用部門、営業事務(サポート)で第二新卒をターゲットにした求人が目立った。専門性の高い職種へのキャリアチェンジを考える第二新卒も増えていることから、需要と供給のバランスが取れてきているといえる。求人数、求職者数の増加に伴い、企業の採用方法に「合同説明会」「グループ面接」といった“スピードと量”重視の施策が多く見られるようになった。こうした手法の良い点として、企業説明や業務説明を最初にしっかりしてくれるため、具体的なイメージを持ちやすいことが挙げられる。一方でグループ面接の際に現職の内容をどこまで話すべきか悩み、アピールしきれないという声も聞かれた。

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