SDNのオープンソースプロジェクト、OpenDaylightが発足主要SDN関連ベンダ18社が参加

しばらくうわさされていた、主要ネットワーク関連ベンダの参加による、Software Defined Networking(SDN)の新たなオープンソースプロジェクト、「OpenDaylight Project」の発足が、4月8日(米国時間)に発表された

» 2013年04月09日 08時59分 公開
[三木 泉,@IT]

 主要ネットワーク関連ベンダの参加による、Software Defined Networking(SDN)の新たなオープンソースプロジェクト、「OpenDaylight Project」の発足が、4月8日(米国時間)に発表された。

 OpenDaylightはThe Linux Foundation内で、独立した資金運営および組織運営を行うCollaborative Projectの1つとして発足した。発足メンバーとして参加するのはArista Networks、Big Switch Networks、ブロケード、シスコ、シトリックス、デル、エリクソン、富士通、HP、IBM、インテル、ジュニパーネットワークス、マイクロソフト、NEC、Nuage Networks、PLUMgrid、レッドハット、ヴイエムウェアの18社。

 The Linux Foundationが発表したプレスリリースによると、「OpenDaylight Projectによる最初のコードは、2013年第3四半期中にリリースされる予定」という。

 関連資料によると、OpenDaylightの使命は「コミュニティが主導し、業界がサポートする、コードとアーキテクチャを内包したオープンソースのフレームワークを推進し、共通で強力なSoftware-Defined Networkの加速化と進化を目指すこと」だという。

 OpenDaylightが採用したライセンス方式はEclipse Public License(EPL)v 1.0。これに基づいて、上記の企業の一部が自社の持つSDN関連コードをプロジェクトに寄贈(コントリビュート)し、これらをベースとしてSDNフレームワークの構築を進める。SDNコントローラ、プログラミングインターフェイス、アプリケーション、プラグイン、レイヤ4〜7機能、ネットワーク仮想化技術など、同プロジェクトのカバー範囲は広い。

SDN関連の18社がOpenDaylight Proectに参加

 OpenDaylightのもとで、寄贈されたコードに基づき多数のサブプロジェクトが設立される。当初は、これらのコードを書いた開発者が、OpenDaylight全体の技術ステアリングコミッティ、および各サブプロジェクトのリードに就任するという。機能が重複すると思われる複数のプロジェクトを、今後どう整理・統合していくのかについて言及した資料は、現在のところ見当たらない。

 Big Switch Networks CEOのグイド・アッペンツェラー(Guido Appenzeller)氏は3月、@ITの質問に答え、同社はコントローラのコア部分のみをオープンソースとして提供しているが、将来は周辺機能も含めてオープンソース化する可能性もあると話していた。その言葉どおり、プレスリリースでは、「コントローラのコード、HA機能を備えた高度なデータストア、分散仮想ルーティングサービス・アプリケーション、ネットワーク仮想化、ネットワークオーバーレイ、その他のアプリケーション」を寄贈する計画と記述されている。

 シスコは同社のSDNコントローラを、NorthboundのREST API、OpenFlowを含む複数のSouthbound APIとともに提供。IBMは同社のネットワーク仮想化(エッジオーバーレイ)技術「Distributed Overlay Virtual Ethernet (DOVE)」をまず提供する。NECはOpenFlowによるネットワーク分割方式およびアプリケーションを提供するという。

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