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» 2013年04月15日 00時00分 公開

「クールな28歳」が、なぜ顧客から選ばれるのか?「クールな28歳」が、なぜ顧客から選ばれるのか?(1/2 ページ)

経営コンサルタントとして成功しつつある「クールな28歳元エンジニア」の事例から、ITエンジニアが顧客の信頼を得て選ばれるための方法を考える。

[森川滋之,ITブレークスルー]

 ITエンジニアが今後のキャリアを考え、市場価値を上げるためには、顧客に自分の価値を伝えて信頼を得、顧客から選ばれることが必要だろう(関連記事:連載「ITエンジニアの市場価値を高める『営業力』」)。

 では、顧客の信頼を勝ち得るために、具体的にどうすればいいのか?

 ここで、一人の元ITエンジニアに登場してもらおう。5年前にあるセミナーで知り合った人物だ。現在コンサルタントとして成功しつつある彼の事例が、顧客に選ばれるITエンジニアになるための大きなヒントになるかもしれない。

「クールな若僧」なのに、なぜ顧客から選ばれるのか?

 亀ヶ川剛(きけがわたけし)さん。28歳。現在の肩書きは経営コンサルタントだ。ITエンジニアとして培ったITスキルを強みに、中小企業の経営に関わる相談に乗っている。まだ始めたばかりだが、月数十万円を稼いでいる。すでに同年代の平均月収は超えているといっていいだろう。

亀ヶ川剛さん 亀ヶ川剛さん

 28歳の経営コンサルタント。私には、はっきりいって「若僧」に思える。経営コンサルタントとは、実社会での経験豊富な人間がなる職種ではないのだろうか。

 ITエンジニア。一般的には、「コミュニケーションが苦手」とのイメージを持たれている人々である。亀ヶ川さんはコミュニケーション下手ではないが、決して冗舌ではない。良くいえばクール、悪くいえば何を考えているのかよく分からない。私の考える、成功している経営コンサルタントのイメージは、「押しが強いながらも人好きのするタイプ」というものだが、亀ヶ川さんはちょっと違う印象だ。

 それなのに、「まだ安定していない」(亀ヶ川さん)とはいえ、紹介で次々と仕事を取り、確実に稼いでいる。

 その秘密は何なのだろうか。亀ヶ川さんに同席してもらい、彼のクライアントである平山音楽院 院長の平山俊一さんに取材した。平山さんは64歳とのことで、亀ヶ川さんの36歳年長になる。

36歳年長の経営者がクライアント

森川(筆者) 私は亀ヶ川さんとは5年の付き合いがあり、彼の良さは分かっているつもりですが、彼が人に与えるイメージは「クールな若僧」で、一般的な経営コンサルタントのイメージとは異なっていると思うのです。ところが始めたばかりなのに、次々と経営コンサルタントとして仕事を取っている。その理由を知りたいのです。なぜなら、自信を失いがちな若い人に勇気を与える話になると思うからです。

平山俊一さん 平山俊一さん

平山さん 私は、亀ヶ川さんに「若僧」というイメージはないのですが、そういうことでしたらご協力しましょう。

森川 ありがとうございます。それではまず、貴社の事業について教えてください。

平山さん 私は元々、ヴァイオリンやビオラの演奏家で、若いころはレコーディングで収入を得ていました。しかし、社会に何か残したいという気持ちが生まれ、22〜3年前からヴァイオリンを人に教え始めました。一人では限界があるので、10年前に知り合いのピアノ、チェロ、ヴァイオリンの演奏家と一緒に、今の音楽院を始めました。当初生徒は30人でしたが、少しずつ大きくなり、現在は本院で388人、2011年開校した第2校には55人の生徒がいます。講師も40人に増えました。

 当院では、講師ごとの個別指導を行っています。徒弟制的な形で、音大などの教え方と同じです。音楽の基本といえるクラシックから学んでいただきます。要望があればポピュラー音楽を教えることも可能ですが、クラシックから学んだ方が上達は早いと思います。7年前から毎年1回、生徒による演奏会を開催しており、オーケストラの編成で演奏できることが特長の一つです。

 幼児教育にも取り組んでいます。「クレッシェンド」という事業名で、幼稚園に講師を派遣する形です。こちらも開始から10年になります。

収益性、ITに関する課題解決のため、コンサルティングを検討

森川 そもそも、経営コンサルタントを雇おうとした動機は何だったのですか。

平山さん 2011年に開校した第2校の収益性が低かったのが、コンサルティングを考え始めたきっかけでした。広告を出して、生徒を確保する必要があると思ったのです。

 それだけなら広告代理店に相談すればいいのですが、もう一つ課題がありました。生徒と講師、指導関連データの管理システムです。

 現状は、当院の若い人から出た「なるべくお金を掛けずにやりましょう」という意見を支持し、Google ドキュメントなどの無料ツールを組み合わせて管理しています。作ってくれた人には感謝していますが、「当院の規模で本当に無料ツールでいいのか?」という疑問もありました。それにこのシステムでは、データが100人分を超えると管理がとても大変です。ITが分かる外部の人に、一度システムを整理整頓してほしいと思っていました。

 こういう状況だったので、「ITが分かる経営コンサルタントがいたらいいな」と思っていました。今後は事業を息子に引き継ぎ、全国規模で展開したいと考えているため、IT化はますます重要になると思っています。

森川 亀ヶ川さんと知り合ったきっかけを教えてください。

平山さん 当院の生徒、Yさんの紹介です。Yさんにこの悩みについて少し話したところ、経営コンサルタントを目指していて、ITもよく知っている友人がいるとのことでした。それを聞いて、すぐにでも会いたいとお願いしたのです。

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