成長市場「ビッグデータ」は、求人も成長市場：これから伸びる業界に乗り遅れるな！（3）（2/2 ページ）

研究者からデータサイエンティストへ

　次に紹介するのは、大手メーカーの研究所に在籍していた稲葉さん（仮）です。

　稲葉さんは大規模データの収集・分析に関する研究開発部門で、開発環境の構築から携わり、機械学習や自然言語処理の専門知識を高めていました。

　高度な技術に携われる職場でしたが、組織的な承認プロセスの長さやスピード感の無さ、立ち位置的にクライアント企業へ提案する業務に携わるのが難しいことなど、今後データサイエンティストとして力を付けていきたい稲葉さんには課題もありました。

　そこで私は、大手コンサルティングファームB社を彼に提案しました。

　B社は国内を代表するコンサルティングファームですが、データ分析コンサルティング部隊の強化を図るべく、データサイエンティストを探していたのです。

　コンサルティングファームですので、いわゆるエンジニアではなく、データ分析をした上でクライアントへ課題改善の提案もする経営コンサルタントとしての立ち位置も含みます。そのため、一定の専門スキルと、コンサルタントの素養を持つ方をB社は探していました。

　提案業務に関わりたい稲葉さんの希望と、B社が求めるデータ分析の専門スキルが合致し、トントン拍子に話が進み稲葉さんの入社が決まりました。

今後、ビッグデータ分野で活躍するためには

　ビッグデータ分野でのキャリアアップは、ハードルが低くはありません。しかし、非常に難しく可能性がないわけでもありません。今後、この分野で活躍したい方は、段階を追ってステップアップしていくのがスムーズでしょう。

　未経験の方は、技術面からのアプローチとして、データベース周りのキャッチアップからスタートすると良いかもしれません。会社によってはサービス開発のエンジニアが兼務する場合もありますので、その気になれば関われるチャンスはいくらでもあるでしょう。そこから解析ツールなどに幅を広げ、最終的にデータサイエンティストを目指すのです。環境由来の限界が生じたら、転職などでステージを変えることもひとつの打開策です。

　ビッグデータ関連職種は、データサイエンティストだけではなくテクノロジーの専門家などさまざまなポジションがあります。この分野にチャレンジしたい人には、経験者や専門家が不足しているここ数年がチャンスだと言えそうです。