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» 2013年04月25日 18時00分 公開

CloudStackによるプライベートクラウド構築術(11):Apache CloudStackの開発プロセスを知ろう (3/3)

[クリエーションライン株式会社,@IT]
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定期ビルドとビルドステータスの確認

 コミッタがGitリポジトリにコードをコミットした後は、CIツールである「Jenkins」で定期的にビルドが走るようになります。http://jenkins.cloudstack.orgでビルドステータスを確認できます。また、ビルドエラーなどが起きると自動通知される仕組みになっています。

ドキュメンテーション、翻訳

 Apache CloudStackのドキュメントは下記サイトにあります。

 また、ソースコードディレクトリ以下の/docsにCloudStackのドキュメント類があります。その中に「README」ファイルがありますので、まずはそちらを参照しておきましょう。基本的に、Apache CloudStackのドキュメントはDocbook XMLフォーマットで書かれており、Docbook XMLをPublicanというツールでPDFやHTMLに変換しています。

 また、翻訳に関しては、Transifexという翻訳プロジェクトのためのWebサービスを使用しています。Transifexで翻訳する際にはアカウントを作成しておく必要があります。アカウント作成の手続きは簡単なので作成しておくといいでしょう。

 英語のドキュメントを用意しておけば、Publicanで翻訳するためのモジュラ化したPOファイル(Publicanで使われるファイル形式)が生成され、Transifexにアップロードされます。このPOファイルを言語(リソース)ごとに作成し、翻訳していきます。

 翻訳したい言語がない場合、「リソース」をクリックし、どれか1つのリソースをクリックします。その後、「新しい翻訳を追加」をクリックし、翻訳したい言語を追加します。日本語なら「Japanese (japan) ja-JP」です。これで、新しい言語がApache CloudStack Docsプロジェクトに追加されます。

 Webで翻訳する場合は、「文字列をオンラインで表示」をクリックし翻訳します。

 オフラインでも翻訳したい場合は、「翻訳用にダウンロード」をクリックして、POファイルをダウンロードするといいでしょう。「翻訳用にダウンロード」をクリックすると、他の人が重複して翻訳しないように、そのリソースは自動的に48時間ロックされます。単に確認したいだけなら「利用のためにダウンロード」をクリックするといいでしょう。間違ってロックしてしまった場合は、ロック解除しておきます。

 オフラインで翻訳したあとは、翻訳したファイルをアップロードしておきます。

 ドキュメント、翻訳の修正にも、ソースコードを修正するための手順と同じプロセスが当てはまります。何か不具合を見つけた場合は、JIRAで報告してから、修正依頼を行うようにしましょう。

 以上、Apache CloudStackの開発プロセスを紹介しました。

 Apache CloudStackはASFのプロジェクトになってからまだ1年しかたっていない若いプロジェクトです。最近インキュベーション段階から抜け、正式なApache Software Foundationのトッププロジェクトになりましたが、今後開発手順は変わっていく可能性もあります。何か改善すべきことがあれば、メーリングリストで[PROPOSAL]などをどんどん提案していくことも可能です。最新の情報は、メーリングリストやWiki、IRCミーティングなどでアップデートされますので、少なくともメーリングリストへの参加とWikiのウォッチを行っておくといいでしょう。

 日本でのコミュニティ活動も活発です。英語でのコミュニケーションがやりにくいという方は、まずは日本CloudStackユーザー会のメーリングリストに参加されることをお勧めします。日本CloudStackユーザー会では、Apache CloudStack 4.1新機能深堀プロジェクトや、翻訳プロジェクト、読書会、勉強会などの活動を定期的に行っていますので、こちらにも積極的に参加されるといいでしょう。

 この記事を読んだ方が、Apache CloudStackに少しでも興味を持ち、日本からのコントリビューションをどんどん行っていただければ幸いです。

筆者紹介

執筆者

クリエーションライン株式会社

本連載執筆は、以下の方々の共同執筆となっております。

共同執筆者

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 マーケティング本部 北瀬公彦

クリエーションライン株式会社 シニアエンジニア 輿水万友美

一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) 荒井康宏


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