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» 2013年04月26日 00時00分 公開

IT業界 転職市場最前線(48):Web業界、今から行くならRubyエンジニアが狙い目?

不況で冷え込んでいたIT業界の転職市場に、回復の兆しが見え始めている。だが、業種や職種によって採用数や条件に大きな差異が生まれている。転職市場の動向を追い、自身のキャリア戦略立案に生かしてほしい。

[ワークポート,@IT]

2013年3月のIT業界転職市場まとめ

 2月に引き続き、多くの業界で採用活動が活発な状態だ。Web業界におけるRubyのニーズの高まり、社内SEの新規求人増加など、新たな動きも見られた。

Webエンジニア

 2月に続き、未経験者層の採用活動が活発だ。特に、受託開発を行い、Web系の言語を用いたプロジェクトを多数抱える企業の求人が目立つ。未経験者層を大量に採用するに当たって、社内の教育体制強化、各種資格手当の充実、入社後のサポート体制構築など、即戦力としての活躍を促す取り組みを強化する企業も多い。求職者側にも未経験者層や大幅なキャリアチェンジを考える人が増加し、重要と供給のバランスが取れた状態で、市場は非常に活発な状態だ。

Rubyのニーズが高まる

 言語は引き続きPHP、Javaが主流だが、Rubyに対するニーズの高まりが感じられる。業界別に見ると、スマートフォン関連やソーシャルゲーム業界であればObjective-C、PHP、Javaが主流、Web系の自社サービス提供企業ではPHPのニーズが群を抜いて多く、Java、Rubyが追随している状況だ。

スマートフォン開発の求人が好調

 iPhoneやAndroid向け開発経験者のニーズが堅調な推移を見せている。求められる開発経験として、業務上のものだけでなく個人的な活動も対象になる。ポイントとなるのはポートフォリオだ。ソースコードを提出する、作品を公開しているWebページのURLを紹介する、開発で作成された仕様書などを提示しつつ面接の場でアプリの実演をするなど、他者に差をつけるべくさまざまな自己PRが展開されている。


業務系エンジニア

 金融業界を中心に、流通業界、製造業界、公共関連、保険業界、通信業界などで活発な採用活動が見られる。ミッションクリティカルなシステム開発が多いため、求職者には技術・知識・品質に対する高い意識が求められている。

品質保証に関する職種で就業決定が目立つ

 企業側の品質に対する意識が向上していること、年度末にカットオーバーを予定しているプロジェクトのテストフェイズに入っている企業が多いことを要因として、品質保証に関する職種での就業決定が目立つ。コスト削減や顧客の信頼獲得を図る企業は、この分野をさらに強化すると見られる。今後注目したい職種だ。

受託開発企業の就業環境が改善されている

 自社サービス企業に比べて志望者が少ない状況にある受託開発企業では、福利厚生を充実させるとともに就業環境を改善して人材獲得を図っている。残業時間が少ない、退職金制度や確定拠出年金の制度が手厚いなどの特徴があり、転職を機に1つの企業で長く働きたいという人は目を向けてみるといいだろう。


ネットワークエンジニア

 2月に続き、システムインテグレータ、ネットワークインテグレータが活発な採用活動を行っている。運用保守エンジニアや若手の未経験採用が多く見られたほか、上流工程を目指したステップアップの転職も増加した。企業側は選考スピードの向上や面接回数の削減など、優秀な人材をいち早く確保するための多様な施策を展開している。


社内SE

 社内SEの求人が、前月に比べて増加している。システム開発・運用・インフラ関連など担当業務はさまざまだ。1つの募集枠に多くの求職者が殺到している状態で、競争は激しい。募集開始から終了までの期間も短いため、素早い決断と行動が鍵を握るだろう。


ゲーム関連職種

 ゲーム関連企業の進出が続く福岡の求人が目立つ。環境面の良さや家族の意向から福岡での転職を考える求職者が増加しているほか、東京や大阪など他地域からのUターン・Iターン人材が集まる傾向にあり、福岡の求人市場はさらなる活発化が見込めそうだ。

選考過程の短縮化が目立つ

 優秀な人材を確実に採用するため、選考期間を短縮する企業が増加している。一次面接から採用の決定権を握る面接官が担当するケースや、一次面接後に即二次面接を行うケースが見られた。ゲーム関連の求人の約75%は1〜2回の面接で合否が決定しており、面接前の企業研究が非常に重要だ。


ディレクター・プロデューサー

 求人数に目立った増減はないが、ニーズは多様化している。3月はUIなどデザインよりの経験や知識を重視する会社の増加が目立った。特に、ECサイトや自社サイトの増加に伴ってデザイナー経験のある人材が求められており、自社デザイナーへの的確な指示が出せることはもちろん、細かな修正には自身で対応できる能力のある人はニーズが高い。また、Webマーケティング・解析などの知識や経験がある人を求める企業も多かった。

ECサイト関連の求人は好調が続く

 ECサイト関連の求人は、スマートフォンの普及とともに増え続けている。既存サイトのスマートフォン対応やリニューアルのほか、サイトの新規立ち上げに伴う募集も多く、ディレクターから運用まで幅広い職種の求人が見られる。EC部門は少数精鋭であることが多く、専門性が高い人を求めるケースが多い。今後もさまざまな分野でEC拡充が見込まれるため、ECサイトの立ち上げだけでなく運営全般の知識を付けていくのも1つの策だろう。

ソーシャルゲーム関連も積極的な採用活動を展開

 新規上場や合併などさまざまな変化が見られるソーシャルゲーム業界は、依然として積極的な採用活動を展開している。ゲーム業界経験者はもちろん、Webディレクター、特にフィーチャーフォンやスマートフォンでのコンテンツ・アプリ開発経験者のニーズが高い。


デザイナー

 求人数は、前月比7%アップと微増だった。引き続きWebデザインのニーズが高く、UI・UX、スマートフォンがキーワードとなっている。また、ソーシャルゲーム業界が3Dデザイナーの増員を図っており、求人数の増加が顕著だ。

紙、DTPからWeb系企業への転身が増加

 2月はDTP出身者がWeb系企業へ転職するケースが目立った。グラフィックデザイン経験者にターゲットを絞って採用活動を行うWeb系企業もあり、企業側も紙、DTP出身者でWebデザイナーへのキャリアチェンジを検討する人に注目している様子がうかがえる。


営業

 どの業界でも事業拡大に伴う増員が見られ、好調が続いている。中でも広告業界の採用は活発で、人数の制限を設けず良い人がいれば随時採用したいという企業が目立った。ターゲットも20代の若手から40代のベテランまで幅広い。パッケージソフトの営業やシステム営業の求人が多く、特に自社サービスの拡販に力を入れている企業の採用活動が積極的だ。

人物面重視の採用が増加

 経験や実績よりもコミュニケーション能力や目標達成意欲を重視し、人物面を評価する傾向が高まっている。これまで取り組んできたことや成功体験を自己PRに入れて、書類でも面接でもしっかりと自身の強みをアピールできれば、経験が浅い求職者にも十分チャンスがあるだろう。

キャリアアップを見据えた転職も可能

 事業拡大に備えてコアメンバーを募集する企業が増えており、キャリアアップを見据えた転職には好機といえる。マネージャ候補・幹部候補などは人気が高く、募集終了までのスピードも早いため、求人が出たら即応募することが肝心だろう。「何らかの営業経験があれば業界知識がなくても可」とする求人も多いため、他業界への転向もしやすい。


バックオフィス

 企業が選考にかける期間がより短くなり、急募の求人などでは面接を同じ日に2回実施するケースもあった。一次面接での評価によってはその場でスケジュールの調整が入り、一次面接当日に内定を得る人も出ている。

若手をターゲットとした経理の求人が増加

 「簿記2級」「30歳代前半」をキーワードに、経理の求人が増加した。人員強化のための増員がほとんどで、若手で成長意欲の高い人を積極的に採用して育成しようという企業側の意図が感じられる。面接の通過理由も、「成長意欲が高い」「コミュニケーション能力があり、伸びしろを感じる」などポテンシャルを重視したものが多く見られた。大手企業の求人も増加しているため、スキルアップを考える求職者には今が好機だろう。


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