連載
» 2013年05月16日 17時00分 公開

「初音ミク」や「ゆるキャラ」の商標権ってどうなっているの?5分で分かる製作現場(7)(4/5 ページ)

[栗原潔,テックバイザージェイピー(TVJP)]

4分−勝手出願問題

 商標権に関して悩ましい問題の1つに俗に抜け駆け出願または勝手出願と呼ばれている問題(専門用語では冒認出願と呼ばれます)があります。日本をはじめとする多くの国の商標制度では先願主義が採用されているので、商標権を取得すべきでない人が先に出願して商標権を取得してしまうケースがあり得ます。

 例えば、阪神球団と直接の関係ない個人が「阪神優勝」を商標登録してしまったケースや、よく知られているプログラミング言語であるRubyを個人が商標登録してしまったケースなどがあります。

 本来は審査段階で拒絶になるはずですが、審査官も完璧ではないので見逃して登録されてしまうことがあり得ます。このような場合には異議申立、無効審判などの手段により商標権を取り消すことができますが、費用も時間も掛かります。

 もっと厄介なのは外国(特に中国)における勝手出願です。特許権や意匠権と同様、商標権は国ごとに生じます。ゆえに、日本の登録商標を中国などで勝手に出願して登録してしまう(最終的には高額で買い取ってもらうことを狙う)商標ゴロ的行為が問題となっています。例えば、「有田焼」という商標が中国で登録されてしまったために、本家の有田焼が中国でこの名称を使えなくなってしまったという理不尽な事件もありました。

 中国の現行商標制度には不備な点が多く、外国の著名商標の保護が弱いことがこの問題を助長しています。中国商標制度の改善も予定されていますが、当面の間は防衛的に先に出願してしまうことが最善の対策といえます。

厄介なのは外国(特に中国)における勝手出願 l

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