「Hinemos」のOpenFlowオプションが大幅強化、Northbound APIも提供OpenFlowスイッチの冗長化もサポート

NTTデータは2013年7月22日、「Hinemos 仮想ネットワーク管理オプション ver.2.0」の提供を開始した。

» 2013年07月22日 16時30分 公開
[高橋睦美,@IT]

 NTTデータは2013年7月22日、「Hinemos 仮想ネットワーク管理オプション ver.2.0」の提供を開始した。オープンソースの統合運用管理ソフトウェアである「Hinemos」のオプションで、Software Defined Networking(SDN)の運用管理を一元的に行える。

 Hinemosは、NTTデータが開発し、オープンソースで公開している統合運用管理ソフトウェアだ。システム監視、性能管理やジョブ管理、イベントログの監視といった、システムの運用管理に必要な機能を提供している。

 Hinemos 仮想ネットワーク管理オプションは、文字通りHinemosのオプション機能で、通常のネットワークだけでなく、OpenFlowで構築した仮想ネットワークの管理機能を提供する。バージョン1.0は2012年6月から提供され、OpenFlowを用いて構成した仮想ネットワークのマップ表示や設定、OpenFlow対応機器の監視といった機能を提供してきた。

 新バージョンではさらにいくつかの機能を追加した。大きな機能追加として、「Northbound API」の提供が挙げられる(関連記事)。IaaS基盤など、外部のソフトウェアからAPIを呼び出すことにより、仮想マシンの追加や移動など、ほかのリソースの構成変更に連動し、ネットワーク構成も変更できるようになった。

 逆に、コントローラのネットワークリソース管理機構にアクセスするためのAPIも提供する。このAPIを介してネットワークトポロジの構成を取得し、その上に任意の転送経路を生成する拡張プラグインなどを開発すれば、ユーザーが簡単に通信制御を行えるようになる。

 また、実験的なネットワークだけでなく、より高い信頼性・安定性が求められるネットワークにもSDNを適用できるようにした。具体的にはまず、OpenFlowスイッチを集中制御するコントローラサーバでHA構成を取れるようにし、コントローラサーバに障害が発生してもネットワーク全体が停止しないよう冗長性を高めている。

 さらに、OpenFlowによる経路制御を柔軟に行えるよう、「不等パスコストによる物理経路のカスタマイズ」や「等コストパスにおける通信のバランシング」といった機能も追加した。前者では、各経路のコストをチューニングして、特定のフローをコストが最小となる物理経路上で通信させたり、逆に最短経路以外を選択して輻輳(ふくそう)を回避させるなど、柔軟に経路を設定できるようになる。また、等コストのパスが複数存在する場合は、通信のバランシングを設定することで、フローごとに利用する物理経路を振り分け、経路を余すことなく効率的に利用できる。

 OpenFlowスイッチのみで、ファイアウォールやロードバランサといったネットワーク機能を仮想的に実現する機能も追加した。OpenFlowスイッチが仮想ファイアウォールや仮想ロードバランサを実現するため、専用アプライアンスを用意する必要がなくなる。

 OpenFlowの「ホップバイホップ方式」と「オーバーレイ方式」を併用した、ハイブリッドなネットワーク構成にも対応する。

 Hinemos仮想ネットワーク管理オプション ver.2.0はHinemos Ver 4.0.2以降で動作する。動作が確認できているOpenFlowスイッチは、「Pronto 3290」「XenServer 6.0/6.1/6.2(仮想スイッチ)」「IBM System Networking G8264 ラックスイッチ」「UNIVERGE PF5220」「HP 3800-24G-2SFP+ Switch」となっている。

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