仮想化を成功させるのは「圧倒的なデータ保全の容易性」

データ保全は、サーバ仮想化技術を活用したIT統合を進めるうえでの課題なのだろうか。そうではない。仮想化によるIT統合は、これまで実現できなかったデータ保全手法の統一を進める、大きなチャンスだ。

» 2013年09月24日 10時00分 公開
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〜仮想化環境構築・運用編〜

仮想化環境を成功させるのは、圧倒的な導入と拡張の容易性仮想化を成功させるのは、圧倒的な【運用管理】の容易性仮想化を成功させるのは、圧倒的な【データ保全】の容易性 2013/08/26          2013/09/09           2013/09/24 NEW!

 一般的にデータ保全は、仮想化によるIT統合を進める際に、熟慮を要する面倒な問題と考えられている。本コラムの第1回、第2回でも取り上げたIDC Japanの「国内企業のストレージ利用実態に関する調査2013年版」(2013年2月)では、「災害対策の強化」「データ保護の強化」「バックアップデータの増大」なども課題に挙げられている。

 しかし、実際はまったく逆に考えるべきだ。「データ管理のお悩み解決コーナー 〜事業継続・災害対策編〜」でも説明したが、サーバ仮想化を推進するということはデータ保全のための大きな機会となり、事業継続対策や災害対策につながる。つまり、事業継続対策や災害対策を主要な目的として、全社サーバ仮想化を推進することすらあり得る。

 ただし当然ながら、仮想化によるIT統合を進めるだけで、データ保全が実現できるわけではない。次のポイントを考慮して実行するべきだ。

  • 物理環境、仮想化環境を問わず、データ保全を考えることは各アプリケーションのシステムおよびアプリケーションデータに求められる保護レベルを判断し、適用することを意味する。各システムの重要度により、拠点内データ保全、遠隔データ保全それぞれの必要性を考えたうえで、「どれくらい直近のデータを復旧できるようにするか(RPO)」、「どれくらいの時間内に復旧を終えられるようにするか(RTO)」を判断する。この作業は単純ではないが、データ保全活動の前提として必要だ。
  • 仮想化によるIT統合の最大のメリットは、ITインフラの共用によって、ITリソースを効率的に利用できることだ。IT統合を推進することで、データ保全についても、ストレージ装置、バックアップ媒体、回線サービスなどの共用によって、従来は個別に行ってきたバックアップ/データ保護を効率化できる。個別のシステムについてはコストが高すぎて導入できなかった対策でも、複数の重要なシステムで共用するという前提で採用できる可能性も生まれる。つまり、仮想化によるIT統合を、データ保全活動の全般的な効率化につなげるべきだ。
  • 当然ながら、理想通りにはいかないのが現実だ。データ保全の手法を幅広く統一できるほど、メリットが出るのはたしかだ。だが、従来の運用手法をどうしても変えられないシステムもある。こうしたシステムについても、少なくともITリソース共用による効率化のメリットは、出せるようにしておく必要がある。アプリケーションデータのバックアップを従来通りバックアップソフトウェアで行う場合でも、一次バックアップ先を個別のテープから共用ストレージ装置にするだけで、効率性およびRPO/RTOを従来よりも改善できる。

現実的で運用しやすいバックアップの選択肢とは

 仮想化環境のデータ保全における実際の課題は、データ保護に関するコストとサービスレベル、運用の統一と分散、新手法と既存手法の使い分けの判断が難しい点にある。あらゆるユーザー組織に当てはまるような万能の解決策はない。このため、多様な選択肢が用意されていることが重要だ。

 富士通はこの点で、興味深い選択肢を用意している。例えば、本コラムの第1回、第2回でも取り上げたスケールアウトストレージ「ETERNUS VX700」と、バックアップストレージ「ETERNUS CS800」は、仮想化環境を前提とした多様なデータ保護ニーズに対応できる。

 CS800は、バックアップ先として便利な機能を備えたストレージだ。これまでアプリケーション単位で使ってきたバックアップソフトウェアを、仮想化環境に移行した後も使い続けることができる。バックアップ先をCS800に変える以外に、従来の運用を変える必要はない。ファイル単位の復旧などの細かい運用を、これまで通りに実行できる。

 また、複数のアプリケーションのバックアップデータを単一のCS800に集約することで、コスト効率を高められる。CS800は、テープより容量単価の高いディスクドライブを使ってはいるものの、重複排除機能によってバックアップデータが減量されるため、コストは抑えられる。複数のアプリケーションで共用できるため、アプリケーション単位のコストはさらに下がる。

 さらにこの製品で注目されているのは、重複排除で減量されたデータを、遠隔地へ転送できることだ。遠隔拠点に設置したもう1台のCS800に対し、定期的にバックアップデータを複製できる。転送データ量が減らせるため、災害対策で最も大きく響いてくる回線コストも抑えられる。ただし、バックアップデータの復旧に関するRPO/RTOは、バックアップソフトウェアの運用次第だ。

 一方、VX700はまず、仮想化環境の一次ストレージとして高いデータ保護機能を備えている。RAID 6でディスクドライブの二重障害に対応できるのに加え、重要なアプリケーションのボリュームについて、追加的にミラーリングを設定できる。そのうえで、スナップショットによる複数世代のデータ保護ができる。

 VX700のスナップショット管理は、VMware vSphereの管理ツールである「vSphere Client」から行える。バックアップを経ることなく、このスナップショットを直接に遠隔転送することもできる。この場合、データは圧縮されないので転送量は多くなる。だが、ストレージシステムの機能として提供するので、スナップショットデータからの復元は、他の方式(例えばバックアップソフトウェアを使用)によるものに比べて短時間に処理できる。

富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 シニアディレクター 荒木純隆氏

 富士通は、これら以外にも、バックアップや事業継続について、非常に幅広い手法を提供している。その背景を、富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 シニアディレクターである荒木純隆氏は次のように説明する。

 「アプリケーション特性によって適したバックアップの手法があり、それぞれを別個に運用すると煩雑になりますし、求められるサービスレベルは多種多様です。日本の企業では独自アプリケーションを使っているケースが多いという事情があり、このことがデータ保全作業をさらに複雑なものにしています。富士通は、データ保全に限っても多様な選択肢を用意することで、特定の手法をお客様に押しつけないように努めています。また、多数のステップから成る作業を自動化するツールを含め、お客様それぞれの運用にフィットする仕組みの提供を心掛けています」。

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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2013年10月13日

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