資金計画の立て方開業【パーフェクト】マニュアル(1)(5/5 ページ)

» 2014年02月04日 18時00分 公開
[税理士・社会保険労務士 望月重樹,@IT]
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5 まずは家計感覚から始めてみよう

 具体的な金額はやってみないことには分かりませんが、家計から類推しておおよその金額を推測して考えましょう。

 明確な基準がない中で表を埋めるのは困難かもしれませんが、ぜひトライしてください。この作業を通じて、現時点での自分の感覚と実費とのギャップを頭にたたき込めるからです。

 例えば、家計の電気代月8000円を基準として、電気代の経費を1万円と予測したところ、実際は2万円掛かったとしましょう。この場合、予測とは1万円もの差があったことになります。自分が想定した金額と実額との差を「覚える」のではなく「感じる」ことで、経費に対して、より敏感になれるのです。

 この意識を植え付けておけば、領収書を見たときに「あれ? 先月の電気代が高い。原因は何だろう」と瞬時に疑問を持てるようになります。疑問に思うことこそが、利益を増やすための第一歩です。

 前ページの表を完成させると、1番下に3カ月間の運転資金の合計額が算出されます。通常、運転資金といえば売り上げに対する収入もカウントしますが、商売によって売り上げ回収時期は異なります。また、当初の運転資金はなるべくシビアに見た方が手堅い計画になるので、ここでは運転資金を支出の合計のみで計算しておきます。

 開業【パーフェクト】マニュアル、次回は「自己資金」について解説します。

書籍紹介

開業から1年目までの 個人事業・フリーランスの始め方と手続き・税金

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望月重樹著
日本実業出版社 1600円(税別)

開業準備、帳簿の付け方、青色申告、資金繰り、1年目の経営分析…… たった1人で開業する人が、1年目を乗り切って2年目以降の経営に弾みを付けるために、何をすべきか、どの順番でやるべきかを網羅した1冊。

望月重樹

税理士法人羅針盤代表社員。2002年税理士試験合格。税理士でありながら社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、MAS監査プランナーの資格を持ち、個人事業主の経営・労務管理や起業家のスタートアップをトータルでサポートしている。著書に「わかりやすい減価償却の実務処理と節税ポイント」「わかりやすい役員給与の実務処理と節税ポイント」(ともに日本実業出版社)がある。



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