OpenDaylight Project、最初のリリースHydrogenを発表SDNのオープンソースプロジェクト

SDNのオープンソースプロジェクトであるOpenDaylight Projectが2月4日(米国時間)、この活動に基づく最初のリリース、「Hydrogen」を提供開始した。同リリースは2013年12月第2週に提供開始される予定だったが、延期されていた。

» 2014年02月05日 09時18分 公開
[三木 泉,@IT]

 SDNのオープンソースプロジェクトであるOpenDaylight Projectが2月4日(米国時間)、この活動に基づく最初のリリース、「Hydrogen」を提供開始した。同リリースは2013年12月第2週に提供開始される予定だったが、延期されていた。

 OpenDaylightプロジェクトでは、複数のSDN関連技術に対応するSDNコントローラ、サービス抽象化レイヤ(SAL)を通じた複数のネットワーク制御プロトコルへの対応、SDN上のアプリケーションへのインターフェイスまで、多様なコントリビューションを交通整理し、整合性のとれるソフトウェアとして開発している。アーキテクチャとしては、さまざまな機能を、積み木のように組み合わせられるようになっている。

Hydrogenの全体像としてOpenDaylight ProjectのWebに掲載されている図

 今回のリリースHydrogenは、「Base Edition」「Virtualization Edition」「Service Provider Edition」という3つのエディションの形で提供されている。

 Base EditionはSDNコントローラにOpenFlow 1.3対応およびOVSDB(Open vSwitch Database Management Protocol)への対応、そしてNETCONF対応を組み込んでいる。OVSDBはOpenFlowデータパスの動的な登録を可能にするデータベース/プロトコル。これがもたらす可能性については、マーティン・カサド氏へのインタビューをお読みいただきたい。

 Virtualization EditionはBase Editionの機能に加え、分散トンネリング(エッジ・オーバーレイ)によるネットワーク仮想化を実現するOpen DOVE、そしてOpenFlowによるトラフィックステアリングをベースとした仮想ネットワーク構築アプリケーション構築を可能にするライブラリVirtual Tenant Networkを提供する。Open DOVEはIBMが寄贈したコードに基づく。Virtual Tenant NetworkはNECが寄贈したコードに基づく。

 Service Provider EditionはBase Editionの機能に加え、アプリケーション(ワークロード)からネットワークの詳細を知ることなくネットワーク機能を活用できるAffinity Metadata Service、BGP-LSおよびPCEP対応、DDoS対応のためのDefense4All、複数のロケーションにまたがって、相互の内部トラフィックを分離したまま乗り入れができるようにするLISP (Locator/identifier Separation Protocol)プラグイン、汎用イーサネットスイッチをSNMPで制御するためのSALプラグインであるSNMP4SDNを含む。

 Hydrogenはこのページからダウンロードでき、Eclipse Public License(EPL)v 1.0に基づいて利用できる。

 Hydrogenリリースに合わせ、米IBMはこれをベースとした製品、「Software Defined Network for Virtual Environments」を2014年第1四半期中に提供開始すると発表した。OpenFlowによるトラフィックステアリングのための「OpenFlow Edition」、VMware ESXi、KVMのそれぞれに対応したエッジ・オーバーレイのための「VMware Edition」「KVM Edition」が用意される。

 OpenDaylight ProjectはLinux Foundation傘下のオープンソースプロジェクトとして、2013年4月に発足した。当初はネットワーク関連ベンダ18社が参加。現在では33社に拡大している。

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