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» 2014年04月21日 18時00分 公開

ハードウェア管理台帳をダウンロードして今すぐ実践!〜IT資産管理の第一歩、現状把握の進め方〜実践! IT資産管理の秘訣(4)(2/3 ページ)

[篠田仁太郎,クロスビート]

現状把握のステップ

 目的を達成するための「現状把握」には、大きく分けて以下の3つの対象資産が含まれます。

1.PCやサーバーなどの「ハードウェア」

2.ハードウェアで稼働する「ソフトウェア」

3.そのソフトウェアを利用するための「ライセンス」

 そしてもう一つ、把握することを忘れてはいけないものがあります。それは、「対象資産がどのように調達され、利用され、廃棄・返却されているか」という「現行プロセス」です。対象資産の3つに「現行プロセスの把握」を加えた4つの現状を把握します。

ALT 図2 現状把握のステップ

現行プロセスの把握

 組織に存在し、利用されている全ての資産は、それが承認の手続きを必要とするかどうかにかかわらず、必ず何らかのプロセスによってそこに存在し、何らかのプロセスによって、設置場所や使用者、インストール/アンインストールなどの情報が変更されています。

ALT 図3 現行プロセスの把握

 現行プロセスの把握とは、対象資産であるハードウェア、ソフトウェア、ライセンスのライフサイクルプロセスを把握するということ、つまりそれぞれの資産の調達から廃棄・返却までの間に、どのようなプロセスが存在しているのかを把握するということです。

 現行プロセスを把握する理由は以下の2つです。

  • 現状把握の対象範囲を定めるため
  • 現状把握中の異動情報を把握するため

 まず1つ目の「現状把握の対象範囲を定めるため」というのは、あらかじめ現状把握の対象とする資産を特定し、それがどこにあるのかを事前に予測しておくというものです。例えば組織に存在しているハードウェアであれば、購入したもの、譲渡されたもの、リース/レンタルされたもの、お客さまからお預かりしているもの、常駐の外部委託者が持ち込んでいるものなどなど、さまざまなものがあります。

 またライセンスも同じように、自社で購入したもの、開発したもの、他社から借り受けているもの、インターネットからダウンロードしたもの、従業員や取引先が持ち込んでいるものなど、これもさまざまなものがあります。

 「どのように調達されるものがあるのか」「自社で保管されているもの/設置場所が自社ではないものがあるのか」などを事前に把握しておかないと、現状把握の際に対象から漏れてしまったり、現状把握を開始してから発見される都度、対象か対象ではないかの判断をした上で、組織全体に新しい指示を出すことになったりするなど、作業に大きな混乱と不正確な結果をもたらすことになりかねません。

 2つ目の「異動情報を把握するため」というのは、一定程度の時間を必要とする現状把握の実施中に変更のあった情報を把握しておき、現状把握終了後にその情報で「現状把握データをアップデートする(データの鮮度を保つ)」というものです。

 現状把握は一般的に、1週間程度で終わるようなものではありません。少なくとも2週間、多くの場合は1〜2カ月程度、場合によってはそれ以上の期間を要する作業となります。

 この期間中、当然にハードウェアやソフトウェア、ライセンスは、日々の業務の中でさまざまな属性情報(使用者や利用ソフトウェア、管理部門など)の変更や、新たに調達される資産などが発生します。廃棄や返却が行われることもあります。現状把握期間中のこれらの異動情報を適切に把握しておかなければ、せっかく把握したデータが作業完了後には陳腐化し、利用価値の低いものになってしまいます。

 この現行プロセスの把握は、特別な調達や異動方法を持っている部門に直接ヒアリングして確認していくことになりますが、「どのように確認をすればよいのか」に悩む担当者の方も多いので、今回は弊社が利用する「プロセスアセスメント」のひな型を提供させていただきます。現行プロセスを確認する際の参考にしてください。

 ここで把握したプロセスに基づき対象とする資産を決定し、現状把握の手順(調査対象項目など)を定めます。さらに現状把握期間中に異動のあった情報を記録しておく手続きを決定します。また、対象資産を一意に識別するための管理番号や、当該管理番号の貼付方法についてもここで決定しておきます(ただし、ここで決定する対象資産の範囲は、ハードウェアのみとします。ライセンスについてのライフサイクルプロセスも把握はしますが、調査対象資産は、ソフトウェアの調査の際に決定します)。

 なお、ここで策定した現状把握の手順並びに異動情報の記録手続については、単に掲示板に掲載したり、メールで案内したりするだけでなく、できれば集合研修のような形で、直接その必要性(目的)も含めて、ユーザー部門へ伝達することをお勧めします。

 掲示板への掲載やメールだけでは全くだめだというわけではありませんが、筆者の経験上、直接伝達したのとそうではないのとでは、現状把握に係る工数や精度には大きな違いが出てくるからです。

 現行プロセスの把握から現状把握方法の周知までの流れをまとめます。

ALT 図4 現行プロセスの把握から現状把握方法の周知までの流れ

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