中国の「天河2号」にOpenStack導入でNUDTとカノニカルが提携OpenStack情報アップデート

中国の国防科学技術大学(NUDT)と英カノニカルは2014年5月14日、NUDTのスーパーコンピューター「天河2号」へのOpenStack導入で提携したことを発表した。

» 2014年05月15日 18時55分 公開
[鈴木聖子@IT]

 中国の国防科学技術大学(National University of Defense Technology:NUDT)が開発した「天河2号」(Tianhe-2、MilkyWay-2)は、LINPACKベンチマーク性能で33.86PFLOPS(ペタフロップス)を達成し、2013年のスーパーコンピューター処理能力ランキングで首位を獲得。OSはUbuntuをベースとしたNUDT独自の「Kylin Cloud Linux」を、CPUはインテルのXeonプロセッサーを採用、コプロセッサーであるXeon Phiも搭載している。

 今回の提携によって、カノニカルの「Ubuntu Server」「Ubuntu OpenStack」およびUbuntuのクラウドインフラ自動化ツール「Juju」を天河2号に導入し、NUDTのパートナーや関係部局が高性能なクラウド環境の構築や管理に利用できるようにするという。

 カノニカルによると、JujuではOpenStack環境におけるクラウドワークロードの設計や管理作業が容易になるとのこと。天河2号で運用されるワークロードでは、負荷の高いアプリケーションやメモリを大量に消費するアプリケーションの処理能力が高まるとしている。

 なお、米ジョージア州アトランタで開催された「OpenStack Summit」では、カノニカルとUbuntuの創業者であるマーク・シャトルワース氏が、IBMとの協業や高速化の記録達成などに関する発表も行っている。

 IBMはJuju対応サービスの開発やOpenStack専用のオーケストレーションフレームワーク「Heat」とJujuの統合に貢献する他、Webサービスの開発や変更のプロセスを記述するための標準仕様「OASIS TOSCA」においても協力する(関連記事)。

 OpenStackの高速化についてシャトルワース氏は、AMDのデータセンター向けマイクロサーバー「SeaMicro SM15000」とUbuntu OpenStackの組み合わせで、6.5時間で7万5000仮想マシン(VM)の作成(1.5時間の記録短縮)、11時間で380のホスト上に10万VMの作成、576台の物理ホスト上で16万8000VMの起動という記録を達成したことも発表した。

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