「Gmail API」β版公開、連動アプリ開発を支援Google I/O 2014速報

米グーグルは2014年6月25日、Gmailのメッセージ読み込みやメールの受信、ラベルの変更、特定のメッセージやスレッドの検索といった機能をアプリに追加できる新API「Gmail API」のβ版を発表した。

» 2014年06月27日 18時57分 公開
[鈴木聖子@IT]

 米グーグルは2014年6月25日にサンフランシスコで開いた年次開発者会議「Google I/O 2014」で、Gmailと連携したアプリの開発を支援する新API「Gmail API」のβ版を発表した。

 Gmail APIでは、OAuth 2.0の認証下でユーザーのメールボックスへのRESTfulアクセスを提供する。メッセージ、スレッド、ラベル、下書きといったGmailのデータタイプに対する作成、読み取り、更新、削除の基本操作に対応し、Gmailのメッセージ読み込みやメールの受信、ラベルの変更、特定のメッセージやスレッドの検索といった機能をアプリに追加できる。

 これまでのIMAPでは、電子メールクライアントとサーバーを標準的な方法で接続するという設計通りの機能は果たせても、それ以上の機能は実装できず、もっとデータにアクセスしやすい方法を望む声が寄せられていたとグーグルは説明する。

 Gmail APIはHTTPS通信でJSON、XML、Google Protocol Buffers形式のデータを取得できる他、TCPソケットを使わずに、JavaやPythonなどの標準的なWeb言語での呼び出しも可能。これにより、IMAPに対応していないクラウド環境環境からも同APIにアクセスできるという。

 また、IMAPでは全ての動作についてユーザーの全メッセージにアクセスする必要があるのに対し、Gmail APIはユーザーのメールボックスのきめ細かいコントロールを可能にした。例えばメール送信のみを必要とするアプリの場合、内容を読むことなく、パーミッションリクエストを送信のみに限定することもできる。受信トレイの変更履歴をチェックして同期できる機能も提供する。

 速度の面でも大きなメリットがあるとグーグルは強調する。まだ課題はあるものの、これまでのテストでは、Webアプリケーションで同APIを使った場合、IMAPに比べて劇的な性能の向上が実現できたとしている。

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