マイグレーション先は、単なる仮想化サーバーで大丈夫?プラットフォーム選定の落とし穴クラウド・仮想化環境のサーバー・ネットワーク・ストレージI/Oを統合管理

統合型x86サーバーシリーズ「Cisco Unified Computing System(UCS)」を提供し、世界で大きなシェアを獲得しているシスコシステムズ。Cisco UCSの魅力は、サーバーとネットワークの運用管理を容易にし、仮想化・クラウド化による強力な管理機能だ。Cisco UCSをベースに、将来を見据えたマイグレーションを提案する。

» 2014年10月14日 10時00分 公開
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クラウド・仮想化の運用が楽になるCisco UCS

ALT シスコシステムズ ソリューションズシステムズエンジニアリング データセンターソリューションズ コンサルティングシステムズエンジニア 赤坂知氏

 「サーバー移行後にどのようなシステム基盤を運用していくかが意外と盲点となっています。“とにかく仮想化すればよい”という考え方で移行すると、後悔することになります。単なるプラットフォームの入れ替えでは意味がありません。クラウドや仮想化をベースとした移行先の運用モデルをしっかりと考え、クラウド・仮想化の運用によるメリットをどう活用するのかを明確にした構想が必要です」と赤坂知氏(ソリューションズシステムズエンジニアリングコンサルティングシステムズエンジニア)は話す。

 サポートが終了するWindows Server 2003からの移行先候補となるWindows Server 2012 R2では、「Hyper-V」を利用した仮想化環境だけでなく、オンプレミスのプライベートクラウドとパブリッククラウドの連携環境の構築も可能だ。しかし、それだけでなく、クラウド導入後のネットワークをどのように管理し、仮想マシンの柔軟な移動にどう対応するか、運用監視をどうするか、ハイブリットクラウド間でどのようにネットワークを接続するか、運用の自動化をどう進めていくのかといったことを考えてサーバーを移行する必要がある、と赤坂氏は説明する。

 「例えば、現時点では完全に実装しておく必要がなくても、将来的なシステム運用作業の自動化を視野に入れたモデルが必要でしょう。また、クラウド・仮想化に伴い、より複雑になる物理・仮想ネットワークの相互運用などを考えずに、単なるサーバー部分だけの仮想化だけを進めてしまうと、将来的なインフラの利便性や運用管理の自動化のメリットを享受できなくなるだけでなく、その煩雑さにより日々の運用すら立ち行かなくなる可能性が高いです」と話す赤坂氏が、ベストプラクティスとして提案するのがCisco UCSだ。

 「x86サーバーはコモディティ化が進み、性能面や価格面で大きな差がなくなっています。しかし、Cisco UCSは、北米をはじめ、世界中で圧倒的な支持を得ています。その理由は、サーバー・ネットワーク・ストレージI/Oが統合されたアーキテクチャと、それを生かす強力な管理機能にあります。シンプルに言えば、“サーバーの運用管理が楽になる”ということ。それが理由で圧倒的な支持を得ているわけです」(赤坂氏)

ハードウェア全体を柔軟に集中管理するUCS ManagerとUCS Director

 Cisco UCSには、統合管理ツールとして「Cisco UCS Manager」(以下、UCS Manager)が提供されている(図1)。UCS Managerは、サーバー・ネットワーク・ストレージI/Oの全てのハードウェア構成を論理的な存在として抽象化し、実機に対する物理的作業をなしにリモートから集中管理することができる。

図1 図1 ハードウェア統合管理ツール「Cisco UCS Manager」が提供され、サーバー・ネットワーク・ストレージI/Oの全てをリモートから論理的に設定できる(クリックで拡大します)

 例えば、ハードウェアの構成や数量、ネットワークポートが所属するVLAN-ID、はたまたファームウェアバージョンまで、全てのハードウェア構成を論理的に集中管理できる。また、使いやすい標準のGUIインターフェースに加え、運用の自動化を視野に入れた機能として、全機能をAPI化し、コマンドライン、Windows PowerShell、Microsoft System Centerといった外部ソフトウェアから管理することも可能だ。

 UCS Managerの最大の特徴的な機能としては、「Service Profile」機能を挙げることができる。この機能では、サーバーハードウェアに関するあらゆる構成情報を物理的なサーバーから分離させて一元管理し、ハードウェアの構成を論理的に設計して、簡単に展開することが可能だ。あらかじめ論理的にサーバーをService Profileに定義しておけば、その定義をハードウェアに割り当てるだけでサーバーを稼働でき、プロビジョニングの手順と時間を大幅に短縮でき、将来的な運用の自動化へも備えることができる。

 このようなUCSの特徴を生かし、運用自動化を実現するツールが「Cisco UCS Director」だ(以下、UCS Director)(図2)。UCS Directorは、いわゆるオーケストレーションツールである。サービスカタログを提供し、自動的なプロビジョニングを可能とする。もちろん、Cisco UCSというハードウェアの範囲に加え、Hyper-VやWindows OSといったソフトウェアにも対応している。これにより、サーバー、ネットワーク、ストレージ、仮想化の各インフラを統合的に管理し、インフラを「サービス」として自動的に提供する仕組みを実現できる。

図2 図2 「Cisco UCS Director」により、ハードウェアからHyper-Vまでの統合的な運用自動化を実現できる(クリックで拡大します)

SDNを簡単に実現するネットワークスイッチ機能「Cisco ACI」テクノロジ

 シスコシステムズが2014年にリリースし、大きな注目を集めているのが「Cisco Application Centric Infrastructure(ACI)」だ(図3)。Cisco ACIは、物理スイッチをUCS Directorなどのオーケストレーションツールの管理対象にできるテクノロジで、ソフトウェアから物理スイッチを管理できる。

図3 図3 「Cisco ACI」は、物理スイッチをアプリケーションポリシーに基づいて自動的に管理できる(クリックで拡大します)

 「どんなにサーバー仮想化を行っても、物理的なネットワークスイッチが不要になることはありません」と説明する赤坂氏。従来のネットワークでは物理スイッチを抽象化できず、せっかく仮想化やクラウド化しても、物理スイッチへの設定作業が足かせとなり、運用上のメリット、平たく言えば、仮想化しても実はそれほど運用が楽になることはなかった。

 これまでのネットワークはVLANごとに分かれており、仮想マシンの移動に対して再設定を行ったり、仮想マシンを動かすことを想定した範囲での設定を行ったりしておく必要があった。しかし、Cisco ACIでは、アプリケーションネットワークプロファイルによって管理が行われ、仮想サーバーの移動に追随して自動的に物理スイッチを適切な設定に変更してくれる。

 「単純なサーバーのみの仮想化も、将来を見越した仮想化環境の構築も、コストや労力に大きな違いはありません。Windows Server 2003のサポート終了対策でマイグレーションを行う必要があるのであれば、クラウドや仮想化を意識したシステム基盤を選択する必要があります。シスコシステムズは、これらの製品で将来を見据えたマイグレーションを支援し、幅広いパートナーとともに独自性のある豊富なSIサービスを提供しています」と話す赤坂氏は、運用管理のクラウド対応、プロビジョニングや運用の自動化、ディザスタリカバリへの対応などを考慮する必要があることを強調する。

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