インタビュー
» 2014年10月23日 18時00分 公開

Chris Wright氏が語るSDN:OpenDaylight、OpenStack、そしてOPNFV (2/3)

[三木 泉,@IT]

 一方OpenDaylightが発足した当初、Neutronコミュニティに対して、「レファレンス実装をOpenDaylightに任せてくれ」と説得するには、時期尚早でした。OpenDaylightはNeutronのコミュニティに対し、OpenDaylightを併用することのメリットを、改めて訴えていかなければなりません。内部実装が十分なのであれば、それを変更するためのインセンティブは働かないからです。私たちは、拡張性および安定性の向上、仮想スイッチおよび物理スイッチの管理機能などのメリットを示せると考えています。

OpenStackで外部のSDNコントローラは必要なのか

――しかし、OpenStackコミュニティの一部の人々は、OpenDaylightあるいはその他のSDNコントローラーは「オーバーキル」だと言っています。特に、データセンターで、単にマルチテナントのネットワークを構築したい、VLANの代替を実装したいというだけの場合は。

 それは妥当な考え方だと思います。異論を唱えることはできません。ここで命題となるのは、中核的なネットワーク管理機能をどこで構築するのがいいかという点です。Neutronがいいのか、制御を目的とした活動をしている別のプロジェクトがいいのか。

 もし、クラウドを運用するための仮想テナント分離機能に特化した形で、OpenDaylightがシンプルに提供できるとしたら、どうでしょうか? Neutronユーザーにとって複雑になることなく、拡張性と強靱性をもたらせます。

 一方で、Neutronにも、基本的なテナント分離以上の機能が求められるようになります。企業内データセンターでも、サービスチェイニングなどが必要になり、環境は複雑化します。このため、複雑な環境を管理することを目的に作られたツールを使うのは、意味があると思います。

――OpenDaylightにとって最もエキサイティングなチャンスは、キャリアNFVだと考えますか?

 それは興味深い言い方です。レッドハットはOpenStackに力を入れているため、私の考え方は偏っていますが、OpenDaylightにとって最大の機会はOpenStackだと思います。加えて、OpenStackはキャリアおよびNFVの分野において、非常に有効なプラットフォームです。これ自体、OpenDaylightにとって確かに莫大な機会だといえますが、OpenStackがOpenDaylightからメリットを得られる唯一のユースケースだとは思いません。

 キャリアのユースケースが、突然OpenDaylightの魅力を高めるとは思いません。OpenDaylightは、まず一般的な企業で利用され、キャリアグレードのNFVユースケースは、その後に続くと思います。

 既存の大規模な導入事例の多くは、すでに外部コントローラを使っています。ネットワークの拡張性を確保するためです。このため、ベンダー独自の技術に基づくものだけでなく、オープンソースの選択肢があるというのは重要です。

 Neutron自体がプライベートクラウドで十分かどうかは、その導入規模によります。そしてその企業における使い方にもよります。複数のデータセンターをつなぐ必要があるのか、WAN最適化などの機能を使う必要があるのか、NFVをやる必要があるのかといったことです。こうしたニーズがあるなら、OpenDaylightは役に立つと思います。

――レッドハットは最近ネットワーク関連の開発者を増やしているようですね。

 その通りです。ネットワークはクラウドにおける鍵となるコンポーネントです。顧客ニーズに対応するため、ネットワーク分野での投資を拡大する必要があります。ネットワークは物理層に始まり、仮想スイッチとハイパーバイザー、さらにNeutronからコントローラにわたります。それぞれに大幅な改善が必要だと考えています。ですから私たちは、ネットワークに非常に力を入れています。

――レッドハットもOpenDaylightコントローラを出すことになるのでしょうか?

 そこまで到達できれば素晴らしいと思います。いまのところ、OpenDaylightを含む製品を持っていませんが、私たちはOpenDaylightに明確に投資しています。十分に成熟し、安定したなら、これを組み込んでいくのは製品にとっていいことです。

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