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» 2014年12月17日 18時00分 公開

Go AbekawaのGo Global!〜Udacity編(後):何が素晴らしいって、仕事欄に「Web開発者」と書けたことだよ! (3/4)

[取材・文 阿部川久広(Go Abekawa)、構成 鈴木麻紀,@IT]

世界中の学生が学ぶ機会を求めている

阿部川 日本ではパートナーとしてリクルートと提携していますが、なぜリクルートをお選びになったのですか?

シェン氏 リクルートがUdacityを選んでくれたとも言えるので、むしろ感謝しています、相思相愛といったところでしょうか(笑)。従業員の能力開発やトレーニング分野での強みが、リクルートをパートナーとして選んだ理由です。パートナー企業を選ぶ際には、イノベーティブであることはもちろんですが、お互いの強みを補完できることも重要だと考えています。

 リクルートとの提携は、日本市場に参入するためのより戦略的な提携であり、従来よりUdacityが行っている提携とは若干スキームが異なります。将来的には、GoogleやFacebook、AT&Tなどと行っているパートナーシップ、すなわち資金を提供いただき、彼らのビジネスニーズにマッチした講座を自ら行ってもらい、Udacityの修了生を採用してもらう、というスキームでのパートナーシップを多くの日本企業と組めれば素晴らしいと考えています。

阿部川 現在、17の講座が日本語の字幕入りで受講できるようになっていますね。このように今後は英語以外の言語にも対応していく予定ですか?

シェン氏 米国外からUdacityの講座を受けている学生の国籍を見ると、インド、中国が上位を占め、英国、ドイツ、スペインなどが続きます。119カ国の学生がUdacityの講座を受けています。彼らは学ぶ機会を求めているのだと思います。

 現在は20言語に、字幕入りで対応しています。ただグローバルな規模での需要を鑑みると、字幕のみの対応では十分ではありません。次のステップで考えているのは、真の意味のローカライズです。Udacityのサイトは基本的に英語です。どのようにすれば英語を使用しない国々の方のユーザーエクスペリエンスを高められのかを2015年は考えていくことになるでしょう。

 広範囲にわたるエンジニアリング上の改良が必要になるかもしれません。音声を変えることにとどまらず、サイトそのものの開発も必要になるかもしれません。ベンチャーキャピタルからの投資の多くの部分もこの開発のために使用されるでしょう。来年以降は、よりグローバルな規模での提供を意識して事業が進められると考えています。

学びには人生を変える力がある

阿部川 Udacityの修了生たちは、就職後どのような活躍をしているのですか?

シェン氏 多くの修了生が、素晴らしいキャリアアップを実現しています。Googleなどの大手IT企業や、新興企業ではあるが業界をリードするテクノロジやアイデアを持ったSpotifyのような企業に、あるいは情熱溢れるスタートアップ企業に就職するなど、さまざまな素晴らしい機会を捉えて活躍しています。グローバルでも同様の素晴らしい結果が出ています。

 Udacityには伝統的な教育を受けたことがない、つまり正規の高校や大学の教育を受けたことがない学生もいます。しかしUdacityの講座を受けて専門的なスキルを身に付け、社会で立派に活躍できるようになっています。

 一つ具体例をお話ししましょう。ある学生は大型ストアーの製品販売部で、製品が常に欠品することなく棚に並んでいるように陳列する業務に従事していました。彼は言いました。「この仕事そのものは別に悪くないけれど、自分のキャリアになる仕事ではない」と。

 彼にはやる気があり、棚陳列は生涯やり続ける仕事ではないと感じていたわけです。そこで彼は、Udacityで「Web開発」コースを取りました。その彼から先月、Web開発者として就職できたと連絡をもらいました。「何が素晴らしいって、歯科医院で初診患者用書類の仕事欄に、『棚陳列係』ではなく『Web開発者』と書けたことです」。

 企業や仕事の大小を問わず、Udacity修了生がさまざまなプロジェクトに誇りを持って携わっていると聞くのは、心からうれしいことです。学ぶことで学生は、自分や、自分の行っている仕事に対してプライドを持つことができるのです。

 能力がありさえすれば、教育的なバックグランド、例えばハーバード大学の卒業生かどうかなど、一切気にすることなく、持てる能力を使って社会に貢献できるのです。

阿部川 学ぶことは、人生を変える力があるのですね。

シェン氏 その通りです。それが学生にとって、大きなモチベーションになっていると思います。世界には、やる気のある、教育の機会を求める人々が本当にたくさんいるのです。どうやったらその人たちの役に立てるか、それがUdacityのミッションです。若かろうが、年齢を重ねていようが、今までの教育がどうであろうが、関係ありません。そのような人々のためにUdacityはあるのです。

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