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対象ソフトウエア:Windows 2000/Windows XP/Windows Vista/Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10、Windows Server 2003/Windows Server 2008/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2/Windows Server 2016/Windows Server 2019、IE7/IE8/IE9/IE10/IE11
Windows PCには、いずれかのバージョンのInternet Explorer(IE)が必ずインストールされている。Windows ServerでもIEがインストールできる。そして、ユーザーが直接使うWebブラウザに限らず、さまざまなアプリケーションがHTMLファイルなどを表示する際のコンポーネントとしても、IEはよく利用されている。
そのIEにも「サポート期限」があることをご存じだろうか? 2020年1月14日のサポート終了をめぐって大きな話題になっているWindows 7と同様、IEもMicrosoftによる延長サポートが終了すると、セキュリティパッチ(セキュリティ対策の更新プログラム)の無償提供が停止される。それ以後に発覚した脆弱(ぜいじゃく)性は修正されず、セキュリティ面でひどく脆くなってしまう。
従って、サポートが終了するまでにIE(場合によってはOS本体)を上位のバージョンにアップグレードする必要がある。それには、IEのサポート終了時期を把握しておかなければならない。
そこで本稿では、Windows OSごとにIEの各バージョンの延長サポート終了時期(以下、単に「サポート終了時期」とする)を、一目で分かるように図で表してみた。Windowsシステムのライフサイクル管理に役立てていただきたい。
OS | IE | サポート終了日(日本時間) |
---|---|---|
Windows 2000 Professional | IE5/IE5.5/IE6 | サポート終了 |
Windows XP | IE6/IE7/IE8 | サポート終了 |
Windows Vista | IE7/IE8/IE9 | サポート終了 |
Windows 7 | IE8/IE9/IE10 | サポート終了 |
Windows 7 | IIE11 | 2020年1月14日 |
Windows 8 | IE10 | サポート終了 |
Windows 8.1 | IE11 | 2023年1月10日 |
Windows 10(LTSB/LTSC以外) | IE11 | 2025年10月14日 |
Windows 10 Enterprise 2015 LTSB | IE11 | 2025年10月14日 |
Windows 10 Enterprise 2016 LTSB | IE11 | 2026年10月13日 |
Windows 10 Enterprise 2019 LTSC | IE11 | 2029年1月9日 |
OS | IE | サポート終了日(日本時間) |
---|---|---|
Windows 2000 Server | IE5/IE5.5/IE6 | サポート終了 |
Windows Server 2003 | IE6/IE7/IE8 | サポート終了 |
Windows Server 2008 | IE7/IE8 | サポート終了 |
Windows Server 2008 | IE9 | 2020年1月14日 |
Windows Server 2008 R2 | IE8/IE9/IE10 | サポート終了 |
Windows Server 2008 R2 | IE11 | 2020年1月14日 |
Windows Server 2012 | IE10 | 2020年1月31日 |
Windows Server 2012 | IE10 | 2023年10月10日 |
Windows Server 2012 R2 | IE11 | 2023年10月10日 |
Windows Server 2016 | IE11 | 2027年1月12日 |
Windows Server 2019 | IE11 | 2029年1月9日 |
IEのサポート終了時期について特に注意すべき点を以下に記す。
IE11より前のバージョン、すなわちIE10やIE9、IE8、IE7などは、原則として2016年1月にサポートが終了した。例外は次の2つのOSに限られる。
これらはサーバOSであり、エンドユーザーが直接利用するプラットフォームではない。このため、インターネット上のコンテンツ閲覧に用いられているIEのうち、今でもサポートされているのは事実上IE11だけといえる(2020年2月以降は名目上でもIE11だけになる)。
*1 以前、Windows Server 2012ではプレインストールのIE10のみ利用可能で、2023年10月までサポート予定だった。しかしIE11がWindows Updateなどでインストールできるようになった一方で、IE10のサポート終了は前倒しになった。
上図で説明したIEのサポート終了時期は、実は対象のWindows OS本体のサポート期限と同じである。つまり、Windows OSのサポート終了日まで、その上で稼働するIEもサポートされるということだ。
ただし前提条件として、IEは「最新版」にしておく必要がある。具体的には、まずIEそのものを可能なかぎり最上位バージョンにアップグレードする必要がある。前述の通り、ほとんどはIE11のはずだ。
さらに、最新のセキュリティパッチをIEに適用し続ける必要もある。
Windows 10でも、IEのサポート終了時期はOS本体と同じだ。ただし、Windows 10のサポート終了時期は、「1511」「1903」あるいは「November Update」「May 2019 Update」などと呼ばれている「バージョン」や、「LTSB」「LTSC」と呼ばれる長期サービス対応かどうかによって大きく異なる。
「LTSB」「LTSC」ではないWindows 10の場合、半年ごとに新しいバージョンが提供される。そのバージョンアップ(アップグレード)を怠ると、上図より前にサポートが終わってしまうことがある。詳細は次の関連記事を参照していただきたい。
IE11には、IE8との互換性を維持するために「エンタープライズモード」という機能が用意されている。この機能の詳細は、「IE8との互換性を向上させるIE11のエンタープライズモード」を参照していただきたい。
これもIE11と同じく、OSのサポート終了時期までサポートされる。つまりエンタープライズモードが使えるなら、サポート終了後も解消できない脆弱性を抱えたまま古いIE8などを運用し続ける、といった苦労は不要ということだ。
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