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» 2015年04月20日 05時00分 公開

経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」(12):新入社員への適切な接し方 (2/2)

[山崎元,@IT]
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プラスαのための時間

 新人に最大限に親切でありたければ、特にその新人に見込みがありそうならば、「+α」に対する努力の必要性を伝えておきたい。

 新人は、一日単位で新しい仕事を理解していく必要がある。少なくとも、一週間で経験した仕事に必要な知識は、週末までの間に身に付けておく必要がある。率直に言って、これをこなせる新人とそうではない新人がいる。

 前者の新人は会社にとって(時には社会にとっても)貴重な財産だし、大切に育てる価値がある。彼(彼女)の世話をすることになった先輩は、愛すべき新人に対して、日々仕事で覚えることだけに満足するのではなく、他人に対するプラスの「差」を作るために、時間と努力を投資することの必要性を伝えるべきだ。

 土日が休日の週休二日制の会社だったら、土曜か日曜どちらかの半分ぐらいを仕事のための勉強に「投資」すべきだと伝えて、具体的に何をするといいのかをアドバイスしたい。学習の内容は、仕事に関係する法律、外国語、経済学、経営学、統計、会計などさまざまだ。

 20代前半の学習の有無は、後に大きな差につながる。若い時分の学習は身に付きやすいし、彼(彼女)にとって将来の優位性の源泉となる。さらには学習したことの有効性を発揮できる時間も長い。

 もちろん、新人に勉強の効用を説くのだから、先輩も向上心を見せねば格好が付かないことは言うまでもない。

新人にも「対等」に接する

 自社の新人は、可愛いものだ。あれこれ世話を焼くうちに、「○○君」、あるいは名字ないし名前の呼び捨てで話し掛けても不自然ではない関係になる場合が多い。

 しかし、新人といえども一人の社会人だ。失礼ながら、読者よりも潜在的に仕事の能力が高い新人も少なくないはずだ。こうした新人に、油断して先輩風を吹かせるのは止めた方がいい。

 「○○君」と呼んでもいい関係であっても、あえて「○○さん」と呼んで対等扱いするくらいの用心深さがある方がいい。その方が新人も、自立した大人として振る舞わねばならないことを早く自覚しやすい。

 良い新人を採用すると、先輩にも良い教育になる。

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筆者プロフィール

山崎 元

山崎 元

経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役、獨協大学経済学部特任教授。

2014年4月より、株式会社VSNのエンジニア採用Webサイトで『経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」』を連載中。


※この連載はWebサイト『経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」』を、筆者、およびサイト運営会社の許可の下、転載するものです。



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