日本HP、高密度ストレージサーバーでCloudera、Hortonworks、スキャリティと組む理由Apollo 4000シリーズを発表

日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2015年7月2日、高い集約度を実現したストレージサーバー製品シリーズ「HP Apollo 4000シリーズ」を発表した。スケーラブルなデータ管理基盤ソフトウエアと、集約度の高いストレージサーバーを結び付けるのがポイントだ。

» 2015年07月03日 16時43分 公開
[三木 泉@IT]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2015年7月2日、高い集約度を実現したストレージサーバー製品シリーズ「HP Apollo 4000シリーズ」を発表した。スペックなどについては記事の後半で紹介するが、この発表の重要なポイントは、ハードウエアだけでなく、ソリューションとしての容量単価、スペース効率、省電力効果、堅牢性などにあると、同社 エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー事業統括本部 統括本部長 橘一徳氏は強調した。

 その意味はこういうことだ。

 日本HPは、Apollo 4000シリーズと同時に、Hadoopディストリビューション「Cloudera Enterpise」「Hortonworks Data Platform」、そして分散ストレージソフトウエア「Scality RING」のOEM販売開始を発表した。日本HPはCloudera、Hortonworks Japan、スキャリティ・ジャパンとこれまでも協業してきたが、OEM販売を契機にセールストレーニングやパートナー向けトレーニング、共同マーケティング、営業/プリセールス連携などを進めていく。

 サービスプロバイダーだけでなく、一般企業でも、データの急増にどう対応するかが頭の痛い問題になりつつある。既存ファイルストレージ製品の利用では、費用対効果の観点から捨てざるをえなかったようなデータもある。一方で、新たにデータを収集し、これをコスト効率よく管理・処理して活用する必要性が増しつつある。

 こうした顕在・潜在ニーズに、スキャリティ、Cloudera、Hortonworksのソフトウエアは対応できる可能性がある。だが、これらをホワイトボックスサーバーではなく、HPのようなエンタープライズ製品ベンダーの、しかも高密度なサーバーを使えば、コスト効率が高く、安心なデータ管理が行えると、顧客にアピールできる。

発表になったストレージサーバーとOEM提供ソフトウエア

 スキャリティ・ジャパン社長の江尾浩昌氏は、2015年3月の日本法人設立以降、製造業からの予想を超える引き合いがあると話している。コスト削減の一環であることもあれば、これまで捨てていた製造設備の稼働データを生かし、生産効率を向上するために使いたいという話もあるという。

2Uで224TBの製品と、4Uで544TBの製品がラインアップ

 今回発表されたのは、2Uサイズの「HP Apollo 4200 System」と、4Uサイズの「HP Apollo 4530 System」および「HP Apollo 4510 System」。どちらも基本的にはサーバーだが、大容量ストレージ環境の提供用に最適化されている。Apollo 4200は2Uで224TBの容量を実現できる。Apollo 4510は4Uで544TBを収容でき、容量単価はシリーズ最低という。Apollo 4530はHadoopに適した製品で、4Uに3台のサーバーを搭載、それぞれが120TBのストレージを持てるというものだ。

 Hadoopに関しては、Apollo 4500をストレージ基盤として用い、HP MoonshotをYARNアプリケーションのプラットフォームとして用いることで、容量とパフォーマンスを個別に拡張できるようにするアーキテクチャも提案している。

左よりスキャリティ・ジャパンの江尾浩昌氏、Clouderaの田村研三郎氏、Hortonworks Japanのブライアン・バーンズ氏、日本HPの橘一徳氏

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