Visual Studio CodeでNode.jsアプリをデバッグする特集:VS Code早分かりガイド(3/4 ページ)

» 2015年08月27日 05時00分 公開
[かわさきしんじInsider.NET編集部]

ブレークポイントの設定

 デバッグ実行を開始した直後は特に何も起こらない。Webブラウザーから、Node.jsアプリが使用しているポートにアクセスすると次のような画面が表示される。

Node.jsアプリのデバッグ実行を開始して、Webブラウザーからアプリにアクセスしたところ Node.jsアプリのデバッグ実行を開始して、Webブラウザーからアプリにアクセスしたところ

 そこで「ブレークポイント」を設定して、処理を中断し、その処理内容を確認していくことにしよう。ここでは、以下のrouter.postメソッドの先頭行にブレークポイントを設定することにする。このメソッドは変数newentryが参照するオブジェクトに名前と電話番号を設定し、これをその前で定義している配列phonenumsに連結することで、電話帳への登録を行い、最後にこのリダイレクトを行い、ページを再描画するものだ。

var phonenums = [
  { name: 'isshiki',  phone: '1111-1111' },
  { name: 'kawasaki', phone: '2222-2222' }
];

…… 中略 ……

router.post('/', function(req, res) {
  var newentry =  { name: req.param('name'), phone: req.param('phone') } ;
  phonenums = phonenums.concat(newentry);
  res.redirect('/');
});

電話帳への登録処理を行うコード(JavaScript)
「req.param('name')」と「req.param('phone')」でフォームに入力された名前と電話番号を取り出して、「newentry」というオブジェクトに保存し、それを電話帳のデータを保管している配列phonenumsに連結して、Webページを更新している。

 ブレークポイントを設定するには、エディター画面にブレークポイントを設定した箇所を含んだコードを表示する。この場合はroutesフォルダーにあるindex.jsファイルがそうだ。このときデバッグ実行を中断する必要はない。

index.jsファイルの内容をエディターに表示 index.jsファイルの内容をエディターに表示
デバッグ実行を中断する必要はない。

 エディターの行番号の左隣にあるスペースをクリックすると、ブレークポイントが設定される。

ブレークポイントを設定 ブレークポイントを設定
ブレークポイントを設定した行の左側には赤い●が表示される。

 この状態でWebブラウザーから適当な名前と電話番号を入力し、[OK]ボタンをクリックする。すると、Node.jsアプリの実行が止まり、VS Codeではブレークポイントを設定した行がハイライト表示される。

名前と電話番号を入力して[OK]ボタンをクリック
名前と電話番号を入力して[OK]ボタンをクリック
VS Codeに制御が移り、ブレークポイントを設定した行で実行が止まる
VS Codeに制御が移り、ブレークポイントを設定した行で実行が止まる

デバッグが中断され、ブレークポイントを設定した行がハイライト表示される
ブレークポイントを設定した行に制御が移動すると、そこでデバッグ実行が中断される。実行直前の行はハイライト表示されるとともに、ブレークポイントを示す赤丸が表示される欄にも黄色いマーカーが表示される。


 [DEBUG]バーには、現在実行中のアプリに関する情報が表示される。例えば、[VARIABLES]欄には、router.postメソッドで参照できる変数やオブジェクトが[Local]/[Closure]/[Global]の各レベルに分けて表示されている。

router.postメソッドで参照できる変数やオブジェクトの一覧 router.postメソッドで参照できる変数やオブジェクトの一覧
上の画面でハイライト表示されている行はまだ実行されていないので、変数newentryの値は「undefined」となっている。

 [Local]にはメソッドのパラメーターやローカル変数が、[Closure]には関数/メソッドを囲むスコープで定義されている変数やオブジェクトが、[Global]にはグローバルな変数やオブジェクトが表示されている。

 ブレークポイントでデバッグ実行が中断したら、次にすることは、コードを1行ずつ実行して、その挙動を確認することだ。

ステップ実行

 この段階ではまだ変数newentryには値が設定されていない。そこで、[Step Over]ボタンをクリックするか、[F10]キーを押して、ステップ実行をしてみる。これにより、変数newentryに値が設定される。

ステップ実行を行った後のVS Codeの画面 ステップ実行を行った後のVS Codeの画面
ステップ実行をしたことで、ハイライト表示が次の行に移動している((1))。また、[Local]の下に表示されている[newentry]を展開すると、先ほど入力した名前と電話番号が設定されているのが分かる((2))。

 さらにステップ実行を進めていくと、配列phonenumsの値も更新されることが分かる(ここでは割愛)。最後に[Continue]ボタンをクリックして、デバッグ実行を継続すると、Webブラウザーの表示が次のように変わる。

入力したデータが登録された 入力したデータが登録された

Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。