増田 先ほど「互換性を保って過去の投資資産を保護しながら新しい技術を取り込んでいる」というお話がありました。最近ではOpenStackやコンテナー仮想化といった新たな技術が注目されています。Solarisではどのような対応を進めているのでしょうか?
山本 最近では仮想化や集約・統合、あるいはクラウド運用などに注目が集まっていますが、2011年にリリースされた Solaris 11 ではクラウドに必要とされるコンピュート、ネットワーク、ストレージの仮想化などの機能を OS の基本機能として提供しています。
これらのベースとなる機能は、2005年にリリースされたSolaris 10から実装され、最初のSolaris 11 を経て、間もなくリリースされる11.3に向けてさらにブラッシュアップされています。また、Solaris 11.2からは、OpenStackをサポートすることで、クラウド基盤としての強化も実施しております。
野田氏 「新しい技術」という意味では、サーバー仮想化やコンテナー仮想化によるサーバー統合、アプリケーション仮想化など、多くの皆さんが現在注目する「新しい技術」の多くは、既にSolarisでも何らかの方法で実装済みですね。
山本 Solarisの開発コンセプトとして、Solarisでは一貫して「技術者が面白いと思ったもの」「お客さまが必要と感じたもの」をきちんと製品として実装してきています。例えば、Solaris 10で実装されたファイルシステム「ZFS(Zettabyte File System)」は、「なぜメモリのように簡単にディスクの交換や増設ができないのか?」という観点から、自由にディスク交換やレイアウトができるファイルシステムが開発されました。結果的に、高い堅牢性とスケーラビリティを持ち、コマンド一つでストレージプールを構築できるなど、技術者が面白いと思うだけでなく、運用の実務をよりよくするためのアイデアを取り込んでいます。加えて、ZFSでは現在の分散型ストレージよりもコンパクトかつ確実にデータを保護できる「Copy-on-write(COW)」という仕組みを取り入れています。
増田 「新しい技術に相当する機能を以前から開発し、高度化させている」ということですね!
山本 そのとおりですね。最近は「新しい技術“だけ”が良いものである」と考える傾向が少なからずありますが、積み重ねた土台がなければ新たなものを安定して積むことはできません。
野田 Solarisは、30年間で培った技術的に強固な土台があるからこそ、自由に新しい機能を上に積み重ねることができると考えています。
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年12月15日
日本オラクル入社2年目の増田 佑菜(ますだ ゆうな)です。クラウド・システムの営業部で日々業界のことや技術のことを勉強中です。最近では、お客さまのもとにうかがってお話を聞くなかでSPARC/Solarisの面白さを発見することもしばしば。このコーナーでは、私がお客さまにうかがったSPARC/Solarisの“新発見”を記事で紹介していきます。「SPARC/Solarisの魅力」をたっぷりでお届けします!
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