米アマゾン傘下のAnnapurna Labs、IoT/コネクテッドホーム用のチップを発売コンテナー環境もサポート

米アマゾン傘下のAnnapurna Labsは2016年1月6日(米国時間)、ARMベースの統合チップ(SoC)にサブシステムを組み合わせた「Alpine」シリーズを、OEM/ODM、サービス事業者向けに販売開始したと発表した。すでに一部の製品は、限定的に提供を開始しているという。

» 2016年01月07日 15時53分 公開
[三木 泉@IT]

 米アマゾン傘下のAnnapurna Labsは2016年1月6日(米国時間)、ARMベースの統合チップ(SoC)にサブシステムを組み合わせた「Alpine」シリーズを、OEM/ODM、サービス事業者向けに販売開始したと発表した。すでに一部の製品は、限定的に提供を開始しているという。

 Annapurna Labsは2015年1月に、米アマゾンがAmazon Web Services(AWS)のために買収したとされる企業。だが、少なくとも今回Annapurna Labsが外部に提供開始した製品は、データセンター向けとはいえない。主に「コネクテッドホーム」、つまりインターネットおよびクラウドに直接接続する家庭向け製品のためのプラットフォームとして、使われることを想定している。「コネクテッドホーム/デジタルホームのための、革新的なデジタル/マルチメディアサービスの可能性を切り開く」という。

 具体的な用途としては、ホームゲートウエイ、メディアゲートウエイ、Wi-Fiルーター、NASなどを挙げている。プレスリリースでは、ASUS、NETGEAR、QNAP Systems、Synologyが、Wi-FiルーターやNAS製品にAlpineを採用したことを明らかにしている。

 Annapurna Labsは、これまでのゲートウエイ製品やWi-Fiルーターのハードウエアは処理リソースが限られており、このため単機能機器化してしまい、自由にサービス機能を開発して搭載することが困難だったと述べている。Alpineは強力な演算機能やネットワーク機能を特徴とし、ハードウエア的な最適化作業などを不要とすることで、新たなサービスを迅速に投入できるようにするという。

 Alpineには複数のバリエーションがあるようだ。CPUとしてはARMv7やARMv8を採用。最大4コア構成だという。L2キャッシュは2MBで、メインメモリインタフェースはDDR4。PCIe Gen3を搭載。また、DPDKに対応し、10Gbpsのイーサネット通信も可能。

 さらにAlpineでは、オープンソースのハイパーバイザーとコンテナーフレームワークをサポート。アプリケーションの迅速な投入と分離を実現しているという。

 Annapurna LabsのWebサイトでは、同社のDNAがソフトウエアエンジニアのイノベーションを加速することにあると述べている。また、同社の家庭向けソリューションが、AWSのAmazon S3やAmazon Glacier、そしてAmazon Cloud Driveなどとの接続も活用できるとしている。

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