資生堂が情報分析システムを刷新、従来比で10倍高速に経営判断スピード改善を目指す

資生堂は、日本IBMの「POWER8」搭載サーバとオールフラッシュストレージを採用して情報分析システムを刷新した。分析処理性能は、従来システム比で約10倍に向上したという。

» 2016年01月22日 15時13分 公開
[@IT]

 資生堂が情報分析システムを刷新し、2016年1月に全面稼働を開始した。日本IBMが2016年1月22日、明らかにした。新システムには、日本IBMの「POWER8」搭載サーバ「IBM Power Systems」とオールフラッシュストレージ「IBM FlashSystem」を採用している。今回のシステム刷新では、既存の資産を活用しつつ処理性能と拡張性の向上を図り、国内化粧品事業における店頭売り上げなどの管理機能を拡張させているという。

  資生堂の従来システムは2008年に構築されたものであり、店舗から収集するPOS(販売時点情報管理)データ増大への対応と、オンラインショップなど店舗以外の販売チャネルのデータ統合が課題になっていたという。さらに、販売管理システムと顧客管理・購買分析システムを一つに集約する計画もあり、これらを実現するため、より処理性能の高いシステムへの刷新が急務となっていた。

資生堂のWebページ 掲載されている女性向け製品に加え、多様な製品ラインアップを持つ

 今回のシステム刷新では、ストレージ装置を全てフラッシュストレージにすることで外部記憶装置に対するデータ入出力(ストレージI/O)のボトルネックを解消。並列処理によるデータ処理高速化を狙い、サーバには1台当り1TBのメモリを搭載、インメモリ技術も利用しているという。

 日本IBMでは、これらによって、従来システムと比べて約10倍の分析処理性能を引き出せたとしている。

 資生堂では今回のシステム刷新で、これまで散在していた販売データや顧客データ、市場データを集約し、従来よりも高度な分析を高速に処理できるようになったという。マーケティング担当者にとっては、データ検索時の応答時間が削減され、トライ&エラーを繰り返しながらより深い分析に集中できるようになった。また、営業担当者にとっても、業務に直結する分析レポートを素早く入手し、改善につなげられるようになったとしている。

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